京都府舞鶴市字吉坂にあるJR西日本の松尾寺駅は、北陸本線の敦賀駅と東舞鶴駅とを結んでいる全線単線の小浜線(84,3km)の一般駅として、1922(大正11)年12月20日に開業しました。
かつては島式ホーム1面2線を有していて列車交換可能が可能でしたが、1999(平成11)年10月2日のダイヤ改正から上下列車の交換が行われなくなったので、現在は敦賀方面に向かって右側に配置された単式ホーム1面1線のみの無人駅です。
開業時の1922(大正11)年11月に建てられた木造駅舎は2009(平成21)年4月に改修され、ホームへは階段を十数段上がります。
2018(平成30)年度の1日の平均乗降人員は93人で、これは起終点駅を除く小浜線の全22駅中19位です。
当駅の駅名は、青葉山の中腹に位置する西国三十三所第29番札所の松尾寺に由来しています。
松尾寺駅は金沢支社の管轄する駅としては最西端に位置する駅で、また金沢支社では唯一京都府内にある駅でもあります。
かつてこの松尾寺駅から舞鶴港に面する日本板硝子舞鶴工場まで約6kmの貨物専用線があり、ピーク時の1968(昭和43)の当駅の貨物取扱量は板ガラスだけでも20万3,000トンに達し、福知山鉄道管理局管内で最大の貨物取扱駅でしたが、この貨物線は1997(平成9)年3月22日に廃止されました。
松尾寺駅が属する小浜線は、若狭湾に沿って敦賀市・小浜市・舞鶴市の各都市を結んでおり、沿線には海水浴場が多く、三方五湖や名勝蘇洞門、国宝明通寺、若狭彦神社などの社寺といった観光地を控えていることから行楽・観光路線となっています。しかし、並行する国道のバイパス建設や高速道路の開通によってマイカーに利用客が流れており、近年は学生を中心とした地域住民の足として利用されています。
<松尾寺駅の年表>
・1922(大正11)年12月20日:国鉄小浜線の一般駅として開業
・1943(昭和18)年12月21日: 松尾寺駅~火薬廠間の朝来側線が竣工し、第三海軍火薬廠鉄道側線として使われる
・1959(昭和34)年4月:朝来側線が日本板硝子舞鶴工場の専用線として運行開始
・1986(昭和61)年11月1日:駅の無人化
・1987(昭和62)年4月1日:国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅となる
・1991(平成3)年4月1日:小浜鉄道部が発足し、同鉄道部の管轄になる
・1997(平成9)年3月22日:日本板硝子舞鶴工場の専用線の貨物列車の設定がなくなる
・1999(平成11)年4月1日:JR貨物の駅が廃止され、貨物の取扱い終了
・2008(平成20)年3月31日:JR西日本が駅舎を舞鶴市に無償譲渡
・2009(平成21)年4月12日:駅舎がリニューアルされ、観光物流施設として竣工
・2010(平成22)年6月1日:組織改正により、小浜鉄道部から金沢支社敦賀地域鉄道部の管轄に変更される
・2018(平成30)年3月9日:駅舎が登録有形文化財に指定される
(左はJR西日本の駅名標:右は国鉄時代の駅名標)
(敦賀方面を望む)
(駅舎・改札側)
(松尾寺駅駅舎)
(駅 舎 内)
撮影年月日:2016(平成28)年12月23日
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