江戸時代の風情-奈良県橿原市：今井町

Imai Town, Kashihara City, Nara Pref.

さてさて、明日香村を後にしたワタクシ達なのですが、まだ12：30という時間でしたので
自宅に帰る前に橿原市にある今井町に立ち寄ることにしました。


かつて「大和の金は今井に七分」といわれるほど繁栄したのが今井町です。
現在も町の大半の町家が大切に保存され、江戸時代の姿を残しています。
この建物は「今井まちなみ交流センター華甍」というのですが、明治時代に建てられたものでかつての旧高市郡教育博物館です。
その後、昭和4年からは今井町役場として利用されていました。
現在は、今井町の歴史を詳しく、分かりやすく解説する資料を一堂に集めた資料館として開館しています。


多くの古民家が現存している今井町の町並みは、歴史的風致を形成している伝統的な建造物群の中でも特に価値の高いものとして、
平成5年に「重要伝統的建造物群保存地区」の選定を受けています。


もちろん古い町並みを好きなワタクシは、これまでに何度も今井町を訪れています。
初めて訪れた時に比べて、電柱が地中化されるなど町並みがずいぶんと整備されました。


東西約600メートル、南北約310メートル、面積にして17.4ヘクタールの地区内には、全建物戸数約760戸のうち、
約500件の伝統的建造物が存在しており、これは地区内の数としては日本一だということです。


また、国の重要文化財が9件、県指定文化財が3件、市指定文化財が5件と、町内には多数の文化財が存在しています。
今井町はテレビドラマやCMのロケなどにも利用されていることが多く、
もしかしたら皆さんの中にも「あ、ここ知ってるわ」という場所があるかもしれません。


よくぞこれだけの町並みが残ったものだと思いますが、 第二次世界大戦後の1955年、保存に熱心だったのは当時の市長や研究者で、
町並み・生活環境の近代化を求める住民の間には反対が強く、長年の交渉を経て次第に保存運動が地元にも浸透していきました。


大部分の民家は実際に住居としても使用されているので、そこに住んでいる人が家を建て替えたいと思っても、
景観を損なわない古い外観にしないといけないんです。面倒といえば面倒ですね。
建物の中は快適な現代住宅も多いらしいんですけど、景観の保全は町民の理解がないと到底できません。


カフェの前に置かれた「サトちゃん人形」。ワタクシが子どもの頃はよく目にしたものでした。

使用したカメラ：FUJIFILM X-T30


また今井町の町並みが残った理由として、地元の方は「ここは戦争で空襲を受けることがなかったんです。
それと、これまで大きな火災が起こらなかったんですよ」と教えてくれました。
様々な要因が重なって、この奇跡のような町並みが残ったのですね。


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