歴史豊かな堺の町-大阪府堺市

Sakai City, Osaka Pref.

さてさて、大阪府には政令指定都市が２つありまして、言うまでもなく１つは大阪市。
もう一つが大阪市の南に位置する堺市なのです。
堺市は今では工業都市としてのイメージが強いかもしれませんが、歴史をたどってみると戦国時代にはわが国最大の貿易港であり
自治都市として大きく発展したのは、中学校の歴史でも習った記憶があるのではないでしょうか。

そんな堺市も市域の大半が太平洋戦争の空襲で焼けてしまったのですが、堺市の北部、大和川に近い一帯に
空襲から逃れることが出来て、昔ながらの町並みが広がっている地域があるんですよ。


駅でいうと南海本線の七道駅、阪堺電鉄の高須神社駅や綾ノ町駅の周辺。
町名でいうと北旅籠町西・北半町西・桜之町西・桜之町東・錦之町東・九間町東・神明町東というあたりには
「ここが堺市なの？」と思うような歴史感じる街並みが見られるんです。


戦国時代に栄華を誇った堺市ですが、江戸時代に鎖国が始まると貿易港としての地位を失います。
さらに大和川の付け替え工事によって、大和川が運んできた土砂が堺港に堆積し、堺港の機能は大きく低下します。


貿易港としての堺の地位は低下しました。しかしながら、堺は江戸時代になり伝統的な産業が隆盛を極めるんです。
中世以来の堺鉄砲や刃物は代表的な産物として、堺の経済を支えることになるんですね。


この建物は井上家住宅といいまして、江戸時代から続く鉄砲鍛冶職人の住居であり作業場であり店舗であった建物です。
現在もその子孫の方が住んでおられるんですよ。なかなか見事ですよね。


町の中を歩いていると、こういった刃物のお店の看板を見かけます。
今でも一流の料理人は、堺の刃物を使うと聞きます。こういった地場産業が受け継がれていくのは素敵ですね。


以前、この地域に来た時は「発展から取り残された町」という印象で、堺市もその歴史的価値をさほど評価しているように思えませんでした。


ところが最近は、町の至る所に案内板が設置され、散策マップなども作られています。
堺市もこの地域の歴史的価値を評価しているようですね。


大阪都構想に反対し、堺市を守ることを主張した候補者を市長に当選させた誇り高き堺市民です。
ぜひともこの地域の町並み保全に力を入れてほしいものです。この地域は間違いなく堺市の宝物ですから。

使用したカメラ：FUJIFILM X-E1


この日も私は車に折りたたみ自転車を積み込み、堺の町は自転車で移動しました。
自転車に乗って町を移動しながら気に入った場所では自転車を停めて、ゆっくりと歩く…
どうやらこういう撮影スタイルが、これからは増えそうな気がします。


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