よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
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近松門左衛門はどう思う?-大阪市北区:露天神社

2024年07月12日 | 大阪(大阪市内)
Tsuyunoten Shrine, Kita Ward, Osaka City

さてさて、大阪天満宮を訪れた後、ワタクシは待ち合わせ場所になっていた梅田へと歩いて向かいました


待ち合わせをしていた場所のすぐ近くに露天神社(つゆのてんじんじゃ)がありました。
しかし、この神社は正式な名前の露天神社よりもお初天神という通称の方が一般的になんです。
ほとんどの大阪人はお初天神と呼びますし、神社のそばにある商店街も「曽根崎お初天神商店街」という名前になっています


なぜお初天神と呼ばれるのかと言いますと、1703年に堂島新地の遊女「お初」と内本町の醤油屋手代「徳兵衛」の心中事件が起こります。
心中事件はこの露天神社の裏にあった森の中で起こったのですが、当時上方で大人気だった劇作家の近松門左衛門が
「曽根崎心中」というタイトルで人形浄瑠璃として発表したところ大評判となり、大勢の参拝者がここを訪ねた事に由来なんです


曽根崎心中には、二人の恋人が社会の厳しい制約に苦しんだ末に心中を遂げるという悲劇的な展開が描かれています。
いわば「叶わぬ恋」「実らぬ恋」を近松門左衛門は描いたわけですな


しかし、お初と徳兵衛の2人の純愛が世代を超えて評判を呼び、良縁を願いたくさんの参拝者が訪れることとなりました。
かつて悲恋の地としての露天神社が、いつの間にか縁結びのスポット「お初天神」となったんですよ


そして、今では「恋人の聖地」にも選定されているんです。恋人の聖地って何やねん…とワタクシなどは思ってしまうのですが、
恋人の聖地はNPO地域活性化支援センターが主催する「恋人の聖地プロジェクトにより選定された観光スポットだそうです


選定委員が桂由美、假屋崎省吾。親善大使に石田純一、IMALU、森泉、板野友美なんて名前が並んでいるのを見ると、
「胡散臭い聖地やなぁ」とワタクシは思ってしまうのですが、若い人はそうではないのでしょうね


お初・徳兵衛の300回忌を迎えた平成16年には、「お初・徳兵衛」のブロンズ像も製作されました。
「曽根崎心中」の舞台が恋人の聖地と呼ばれたり、二人のブロンズ像が造られたりしているのを、
近松門左衛門はどんな思いで見ているのでしょうね


ではでは、知人との待ち合わせに向かうとしましょうか。この日はたくさん食べ、たくさん飲み、いっぱい語り合ったのでした

使用したカメラ:FUJIFILM X-T30


聖地というのは本来、宗教の発祥などに関係が深く、神聖視されている土地を意味する言葉です。
あるいは「高校野球の聖地甲子園球場」のように、特定の分野において重要な場所。あこがれの場所という意味もあるでしょう。
しかし、最近は「恋人の聖地」「アニメの聖地巡礼」のように「聖地」という言葉が、随分と薄っぺらい意味で使われるんですよ。
同じように「カリスマ」という言葉も随分と安売りされると思うのですが、そんなことを思うのも年寄りの戯言なんでしょうな。



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