こんにちは!スタッフの松本です。
金曜日は「ツボの話」をお届けします。
今日は「百会(ひゃくえ)」です。
まず場所を確認してみましょう。
百会は、まさに頭のてっぺん!
左右の耳を前に折り、その上角(尖った上の部分)を結ぶ線の中点にとる…と、教科書には記載されています。
先日、NHKで東洋医学についての番組が放送されました。
ご覧になられた方も多いと思います!
その中で、この百会が紹介されていましたね。
番組の中では、うつ病などの心の病に効くとされていました。
百会は、その主治がとても多いと伝えられています。
例えば、「鍼灸重宝記」には主治について以下のように記載されています。
頭風、中風、言語謇渋、口噤み、半身かなはず、心煩れ悶へ、驚悸、健忘、痎瘧、脱肛、風癇、角弓反張、羊鳴、多く哭て語言択はず、発るときは死入り、沫を吐き、汗出、乾呕し、酒を飲みて面赤く、脳重く、鼻ふさがり、頭つう、目まひ、食に味なきを主る。
百病を治す。
色々な症状が挙げられた後に、百病を治す!と、なんとも頼もしい記載がありますね。
そして百会は、中国の歴史書である「史記」の中の「扁鵲倉公列伝」にも登場します。ここでは、百会の別名で「三陽五会(さんようごえ)」と記載されています。
史記が書かれたのは、前漢の時代。つまり紀元前!そんな昔から、臨床的に使われていたツボなのです。
ちなみに別名である、三陽五会の意味にも触れておきましょう。
三陽は、足の太陽膀胱経、手の少陽三焦経、足の少陽胆経の3つの経絡のこと。
そこに、足の厥陰肝経と督脈が足されて、五つの経絡が混じり合うので五会とされています。
百会は、天の気と通じる場所でもあるとされています。
天の気、地の気という自然の力を上手に受け取ることで、人体は健康でいられるという考え方が東洋医学なのです。
忙しい毎日をお過ごしのことと思いますが、たまには自然の中に身をおいて、深呼吸してみましょう!
心も体も、スッキリするはずです!
金曜日担当、松本でした。
参考文献:解説鍼灸重宝記 医道の日本社
著 本郷正豊 解説 小野文恵