家計債務とは 住宅ローン中心に増加
きょうのことば
2022年2月13日 2:00
家計債務
家計が抱える金融機関などからの借金。住宅や自動車など高額なモノの購入のためのローンやクレジットカードを使った借り入れなどを含む。債務の拡大は消費を後押しする一方、金融引き締めなどによる金利上昇局面では返済負担が増し、延滞率の上昇などで経済不安がくすぶる要因になることもある。
家計債務の内訳は先進国では住宅ローンの占める割合が大きい。国際決済銀行(BIS)によると米国は72%、英国は78%(いずれも17年時点)が住宅ローン。コロナ禍での住宅需要の拡大が債務を底上げし、世界の家計債務の総額は2021年9月時点で55.4兆㌦(約6400兆円)とコロナ前に比べ12%増えた。日銀の資金循環統計をもとに計算すると日本でも住宅ローンの割合は21年9月時点で家計債務の62%を占める。
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家計債務が全体の債務(金融部門除く)に占める割合は約4分の1で、企業(同)と政府が残りの半分ずつを占める。国際金融協会によると世界の債務全体の残高(同)は21年9月時点で約228兆ドルとコロナ前より16%増えた。日本の残高(ドルベース)は5%増の約20兆ドル。国内総生産(GDP)の約4倍の規模だ。金利上昇局面への備えが課題となっている。