勝又壽良の経済時評
日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。
2019-07-19 05:00:00
韓国、「一本化」大統領と与野党、対日政策で強硬姿勢「経済が弱点」
テーマ:ブログ
韓国は、大統領と与野党代表が会談して、日本へ強硬姿勢で立ち向かうことで合意した。
この「与野党協力」もいつまで保つか。
足下の経済は、2四半期連続のマイナス成長も予想される厳しい局面に入っているからだ。
政策金利は年1.50%に引下げられたが、年内に追加の利下げも取り沙汰される「経済の緊急事態」である。
今年のGDP成長率予測も2.2%へ引下げられた。
次回の利下げ局面では、GDP成長率はさらに引き下げられるはず。
こうした中で、日本を巡る対策において、与野党の協力体制を保てず、分裂するリスクを否定できまい。
『聯合ニュース』(7月18日付)は、「文大統領と与野5党代表、『日本の輸出規制は不当な経済報復』」と題する記事を掲載した。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と与野党5党の代表は18日に青瓦台(大統領府)で開いた会合で、
日本の対韓輸出規制強化について、自由貿易の秩序に背く不当な経済報復とし、
「日本政府は経済報復措置を直ちに撤回しなければならない」との見解で一致した。
また国全体で今回の事態を克服するための緊急の特別協力機構を設置することに合意した。
(1)
「青瓦台と与野党5党の報道官は会合後にこのような内容を盛り込んだ共同発表文を出し、
「文大統領と5党の代表が日本の輸出規制措置に対し深く議論し、このような事項に対する認識を共有した」と伝えた。
発表文には「(日本の措置は)韓日両国の友好的、互恵的関係を深刻に毀損(きそん)する措置であるという認識で政府と与野党は一致した」との内容が盛り込まれた」
下線をつけた部分は、韓国側が意図的に毀損してきた点である。
大法院判決から8ヶ月も、日本政府の呼びかけを無視しておきながら、よくこういう身勝手な文言を挿入したと呆れる。
また、韓国艦船による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射など、敵意ある行為を行ってきた。
日韓両国の友好的、互恵的関係は、すでに韓国によって断ち切られている。
(2)
「また日本が輸出手続きで優遇する「ホワイト国」から韓国を除外する方針を示していることなど、
追加措置を行うことは韓日関係および北東アジアの安保協力を脅かすものであり、外交的な解決に応じるよう求めるとの内容も含まれた。
さらに「与野5党の代表は政府に対し、日本の経済報復措置による問題を解決するために多様なレベルでの積極的な外交的努力を要請し、
大統領はこれに同意して実質的対策を設けるとした」との内容も盛り込まれた」
下線部分で、大統領が日本に対して外交的働きかけを謳っている。
そうならば、「第三国仲裁委設置」についても、回答もしない非礼は許されない。
韓国は、すべて韓国側の要求を通そうとしているが、そういう非現実的な態度を先ず改めることだ。
(3)
「また発表文には「政府と与野党は日本の経済報復への対応に超党派的に協力し、
われわれの経済に対する被害を最小化するために努力し、
国家経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)および素材・部品・設備産業の競争力強化のために共に努力する」と盛り込まれた。
さらに、国全体で対応するために緊急の特別協力機構を設置して運営するとし、
「政府は与野党とともに日本の経済報復にともなう危機を克服するための意思疎通と統合のために努力する」との内容が盛り込まれた」
下線部分を実りあるものにするには、文政権の身勝手な対日要求を是正させることも検討すべきである。
日本へ譲歩せずに、韓国の要求だけを「100%実現」することなどありえない。
「緊急の特別協力機構を設置」するならば、ここで議論を最初からやり直すべきだろう。
そうでなければ、野党は大統領府に利用されるだけだ。
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