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韓国左派は、旧徴用工賠償問題で反発し、ソウル都心で反対集会

2023-03-26 14:53:23 | 日記
韓国左派は、旧徴用工賠償問題で反発し、ソウル都心で反対集会を繰り広げている。日本の謝罪がないことで、韓国の自尊心が傷つけられたという理屈である。日本は、過去40回も謝罪してきたが、それでも満足できないというのだ。

経済面から見た韓国は、日本へ度重なる謝罪を要求するほど余裕ある状況にない。主力産業の半導体が、米中対立で厳しい局面に立たされているのだ。韓国は、中国で数兆円を投資してきた半導体が、今後の満足ゆく操業が不可能になったことだ。先端半導体は、10年間で5%の増産枠を認められただけだ。当然、採算悪化は間違いない。

米中関係は、10年後に改善する見通しがある訳でなく、逆になる可能性の方が大きいであろう。となると、半導体は最終的に中国撤退すら起こり得る。韓国は今、それに備えた動きを始めた。日韓融和への動きである。

『韓国経済新聞』(3月25日付)は、「韓日輸出規制解除の意味『ビジネス同盟復元』半導体サプライチェーン構築に役立つ」と題する日本大経済学部教授の権赫旭(クォン・ヒョクウク)氏へのインタビュー記事を掲載した。

韓国は、日本から多くの素材、部品を輸入している。2019年以降の輸入規模は、再び増加に点じている。韓国は現在、米国の主導で再編されるサプライチェーンに注目しなければならない。日本による輸出手続き規制の解除は、韓国が主要プレーヤーとして参加できることを意味する、と強調する。

(1)「韓国は包括的および先進的なTPP協定(CPTPP)に事実上、日本の反対で加入できなかった。今回の措置の効果が国際協定でも有効に作用して、近くCPTPPや米国主導のクアッド(日米豪印)にも参加することになるはずで、発言権を持って主要プレーヤーとして活躍することができる」

韓国が、TPP参加をためらった理由は二つある。一つは、中国への遠慮である。もう一つは、日本製造業との競争に敗れることを懸念したものだ。農水産物の競争力も日本より劣っている。福島産などの海産物を未だに輸入禁止している理由だ。TPPに参加するとなれば、韓国産業は「丸裸」になる。対日貿易に限れば、韓国の輸入赤字はさらに膨らむであろう。

クアッドへ参加する前に、先ず韓国海軍艦艇が行なった海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射に対して謝罪することだ。旭日旗を蛇蝎のごとく嫌う韓国が、クアッドへ参加できるだろうか。クアッドの問題は、韓国がひっくり返るほどの反対論が出るだろう。

(2)「韓国は、米国と中国の間のあいまいな戦略的位置でなく、米国側でオーストラリアや日本と共に重要な軸になることを意味する。これを確実にするのが、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の回復だ。中国と対立するのではなく、中国が圧力を加えてきた場合の交渉カード、バーゲニングパワー(交渉力)が生じる。韓国が今回、日本へ先に握手の手を出したのは、米国側に立ったものと解釈できる」

韓国は、長年にわたり「二股外交」を行なってきた。韓国は、ここから「足を洗い」米国の陣営に馳せ参じるというのである。これは、左派が猛烈な抵抗するだろう。左派は、親中朝ロ路線である。先ずこれを国内で解決することだ。

(3)「韓国が、日本とビジネスパートナーになる場合の利益について、半導体産業を例に挙げてみよう。中国は原油の輸入よりも半導体の輸入による赤字がはるかに大きい。中国が半導体産業育成に注力する理由だ。半導体産業で頭角を現した韓国も悩みは同じだ。韓国は他国に比べて今でも製造業の比率が高いが、中国のおかげで維持されてきた側面がある。それだけ中国への依存度が高く、中国の立場に従うしかない状況もあった。これが韓国のジレンマだった」

韓国の輸出トップは、中国である。対中輸出は、昨年後半からマイナスが続いている。これは、一時的な減少でなく、中国の素材生産が増えてきた結果、輸入代替が進んでいると見るべきだ。韓国は、対日貿易で赤字を出し、対中貿易で黒字を出すという構造が変わってきたのだ。
(4)「米国が、中国排除政策を進めるこの時期、韓日ビジネス同盟に向かっていけば、半導体産業のサプライチェーン、次世代技術の側面で優位の競争力を確保できるとみる。世界最大半導体ファウンドリー企業TSMCと深い関係を結ぶ日本とのシナジー効果を期待できる」

韓国は、日本が台湾のTSMCと密接な関係を構築していることに危機感を見せている。そこで、韓国にも「利益を分けて欲しい」というのが率直なところだ。韓国を巡る国際情勢は急変している。左派は、それを全く理解しようとしないのだ。 


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