「1987、ある闘いの真実」を鑑賞して
~カン・ドンウォンが演じたイ・ハニョルについて
「タクシー運転手~約束は海を越えて~」「焼肉ドラゴン」そして「1987、ある闘いの真実」と、このところ骨太の韓国映画が日本でヒットしています。「韓国文化を日本に伝えたい会」会員としては、とても喜ばしいこと です。特に、今上映中の「1987、ある闘いの真実」は観客数も多く、たくさんの人々に感動を与えているようです。韓国人の知人は「まるで ドキュメントだ。実際にあった出来事、実際にいた人達がそのまま映画になっている」と言っていました。
映画の内容や解説につ いては、多くの新聞や雑誌で紹介されているので、ここでは私がファンであるカン・ドンウォンが演じたイ・ハニョルについて少し書いてみます。
最初、37歳のカン・ドンウォンが21歳の学生役をできるかと心配しましたが、全くの杞憂でした。彼は母親思い、家族思いの気の優しい延世大学生のイ・ハニョルでした。光州事件で亡くなった幼い子どもたちを含む尊い犠牲者たちの為にも、民主化をしなくてはならないと考える真面目で正義感のあふれた学生でした。
その彼が6月9日のデモで催涙弾の直撃を頭に受けて倒れてしまいます。そして彼を抱きかかえる友人の写真が韓国全土に放映されて、一気に民主化運動が広がります。そしてその年の暮れに大統領直接選挙が行われます。
イ・ハニョルの葬儀には百万人がソウルの大通りを埋め尽くしました。
今も延世大学の正門前には「烈士イ・ハニョルが催涙弾を受け倒れた場所」というプレートがうめこまれ、映画の中では5000ウォン(日本円で500円)で買ったという運動靴が記念館に展示されています。
厳しい現実に向き合う映画ですが、何故か爽やかな風が吹き抜けたような気持になりました。
2018.9.21 井哲子
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