Just I Was Born
伊藤政則氏のラジオ番組で3月半ば頃から、
「君は音楽のふるさとを持っているか?」という呼びかけがなされるようになった。
当時は武漢熱感染防止のため、とにかく不要不急の外出はしないよう、
「STAY HOME(ひきこもり)」があらゆるメディアによって呼びかけられるようになった。
やがて緊急事態宣言が出たのは4月7日。
あらゆる商業施設が休業となり、街から人の姿が消え、繁華街がゴーストタウンと化した。
緊急事態解除宣言が出たのは5月25日。
武漢熱対策もフェーズがかなり変わってきて、
「絶対になにがなんでも引きこもり」から「三密を避けつつ経済を回していこう」に世の中の方針は大きくシフト。6月はじめころから徐々にデパート・飲食店などが営業を再開。街に人通りが少しずつ戻ってくるようになった。朝・夕通勤時の電車は普通に混んでいる。
しかし、最近は第2波がやってきて、感染者が再び増加傾向に。
またひきこもりに戻るのか?いや、ある程度経済を動かしてていくのか?
世間はこのトレード・オフの間でゆらゆら揺らいでいるように見える。
音楽に話を戻すと、
「STAY HOME」の間は家で音楽を聴いたり、本をよんだりして過ごす人が多い。
音楽の聴き方のひとつの提案として、
せっかくのよい機会なので、
心の中に帰るべき自分の音楽の故郷・原風景を持っているかどうか。
自分のルーツとなる心の音楽の故郷・原風景を再確認・探しながら音楽を聴いてみては?
というのが伊藤氏による呼びかけの主旨だったように思う。
伊藤氏が3月14日放送のPOWER ROCK TODAYで心の音楽の故郷に挙げたのは、意外にも日本のアーティストだった。
成毛滋さんとつのだひろさんのストロベリー・パス。
それとブルース・クリエイション。
前者は1971年8月6日に箱根で開催された伝説の野外イベント「箱根アフロディーテ」にて、
ピンク・フロイドの前座で出演した彼らのステージがかなり衝撃的だったとのこと。
後者は、たまたま渋谷のライブハウスにアンプなどの機器を搬入しているところに通りかかり、搬入をボランティアで手伝ったら、ライブ演奏をタダで観ていいよという話に。
そのライブがとても凄まじくショックのあまり、終わったあとは放心状態でしばらく動けなくなってしまったらしい。
後で調べたら、
ブルース・クリエイションは後にクリエイションへと発展し、
あのドリー・ファンク・ジュニアとテリー・ファンク兄弟「ザ・ファンクス」の入場テーマ曲『スピニング・トーホールド』を生み出した!という事実にたどり着いた。プロレスファンとしては嬉しい発見。今まで見えなかった糸がつながった。
当時の竹田和夫さんのギターはまるでブラック・サバスのトニー・アイオミさんの音・奏法そのもの。
上に貼り付けた動画はこの日にオンエアされた"JUST I WAS BORN"という曲。
1971年当時にこういう音を出すバンドが日本に存在していた!
ということを今回知って、いい意味で驚きで目からウロコであった。今聞くと古くささ満載でナニだけど、70年代前半当時にもしこの音を聴いたら、ぶっ飛んでいたかも。
おそらく、伊藤氏の心の音楽の故郷の筆頭は前述の箱根アフロディーテにおけるピンク・フロイドのライブであろう。しかし、そのエピソードは過去に1億回は語っていたので今さら新鮮味がない。ならば、少し違う角度からいくつかある音楽の故郷のうちのひとつを今回紹介されたものと思われる。なぜなら、伊藤氏の造詣の深さからすれば、音楽のルーツがこの日本人バンドだけというのはありえない。もっとたくさんの引き出しを持っているはずだ。
というわけで、伊藤政則氏のラジオ番組では「心のロックのふるさと」というお題目でリスナーからのリクエストを現在も受け付けているはず。面白そうな企画なので、わしの心の音楽の故郷を今後少しずつ紹介していくかもです。
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