ひげめがね日記

基本的に自虐的な日記です。自虐ネタが好きな方はお喜びいただけると思います。

信州まつもと大歌舞伎2014「三人吉三」 串田和美の独り舞台だ。

2014-07-22 23:54:39 | 日記
 本日、三人吉三を鑑賞。
 いつも行くたび思うのですが、松本は日本に数少ない文化都市ですね。街の盛り上がりが本当に素晴らしい。最後もスタンディングオベーションで盛り上がりました。

 その一方で芝居自体は…以下批判ですので、これから見る人、良かったと思う人はお読みにならないでください。



 江戸のモチーフを現代的にアレンジしていること自体は良い着想だが、それが結果的に安っぽいヒューマニズムな芝居になっている。「虫けらみたいに他人を殺す輩が、最後は手を取り合って死んでいく」という演出は、共感できなかった。むしろ籠鶴瓶のように、まじめな人間が最後は狂気になる、という方がよほどリアリティがあると思うのはひげめがねだけか?
 全体的に演出過多。特にツケだけで十分なところに音楽が入ったのは過剰で、芝居にのめりこめない。
 勘九郎も期待ほど伸びておらず、かたくてまじめな印象のみが残った。
 最大の問題は、完全に串田演劇になっていること。歌舞伎の良い点がなくなっている。勘三郎存命時は、串田VS勘三郎が程よく融合していたが、そのバランスが完全に崩れ、「串田>>>歌舞伎役者」となったため、良さがなくなってしまったという印象。
 私が数年前に松本で見た「夏祭浪花鑑」より、残念ながら数段クオリティは落ちていると思います。

 しかし、それ故にかえって普通の歌舞伎が観たくなりました。久しく行っていない歌舞伎座で歌舞伎が観たいです。