ひげめがね日記

基本的に自虐的な日記です。自虐ネタが好きな方はお喜びいただけると思います。

電王戦を終えて 人間対AIのステージは麻雀に

2017-05-24 12:00:34 | 将棋
 先週の土曜日、電王戦はその役目を終えた。
 第1局、第2局とも、ひげめがねは仕事だったのだが、リアルタイムでは偶然にも投了する場面だけ見ることができた。名人ですら全く相手にならないほど将棋AIが進化にしたことに、感慨を覚えざるを得ない。
 結果的に見れば、「もっと早くから電王戦を開催していればよかった」「米長会長(当時)の『プロ棋士とAIとの対局禁止』は間違いだった」とは言えるだろう。
 しかし、個人的には、すべて含め、これほど将棋を見て楽しめる経験は空前絶後だと思う。
 とにかく興奮したのが第2期電王戦第2局、第3局。
 第2局はサトシン先生が初めてプロ棋士としてAIに負けた対局、第3局はフナエモンの対局。
 あのどちらが勝つか負けるかわからないハラハラドキドキ感、形勢がAIに傾くときの追いつけない感じ、負けた後の虚脱感。将棋を見てあれ以上興奮し感動することは今までなかったし、今後もないだろう。
 そして、同じく第2期の第5局、A級棋士の三浦八段(当時)が完敗したのを見て、ついに人間はAIに追い抜かれたことをはっきりと実感した。
 なんだかんだ言っても、私たち将棋ヲタはAIが人間を追い抜いていく瞬間を目の当たりにできたのだよ!
 囲碁なんか、誰と対局するでもないうちに、いきなり世界トップレベルが敗れてしまった。あのドキドキ感が吹っ飛ばされて結論だけ見せられた囲碁ファンにはお気の毒、と言わざるを得ない。
 というわけで、いよいよ「二人零和有限確定完全情報ゲーム」ではない分野にとってAIはどうなのか、というところに人々の興味は移っているように思える。

(前提)で、ここから麻雀の話をしますが、ひげめがねは麻雀、並びに麻雀界にはまったく詳しくない、ただ下記の福地先生のブログはおもしろいから継続的に読んでいる、という人です。それを前提にお読みください。

 福地先生のブログ 福地誠天鳳名人位ブログ「【麻雀】麻雀の未来」
「世間一般にAIが人間を上回ったことを見せるにはネット麻雀では不足で、電王手君みたいなやつを開発して、リアル麻雀で対局を見せる必要がある。」

ってあるけど、上述した第2期の将棋電王戦では、普通に相手は人間(奨励会員)だったよ!電王手くんがあったから追い越されることを実感したわけではない!(そういえば趙治勲先生と対戦(対峙)している相手が「人間のおじさんそっくり!!」とテレビを見た妻がびっくりしていたが、あれは本当に人間のおじさんだったから(笑))

 ひげめがねは、人間とAIの戦いは見せ方ではなくて、その場をどのように設定するかだけだと思うよ。
その理由は2つ。

1.応援する対象が明確に決まっているから。日本人はオリンピックで日本人を応援するように、人間は人間を応援するから盛り上がること請け合い。
2.電王戦があれだけ感動的だった理由は、基本的に「人間の方がまだ強いんじゃない?」という希望的観測が共通認識だったから。今の麻雀界って、まさにそういう状況じゃないのかいな?

 麻雀界にはそれを見せる場は結構ある。最高のパターンは藤田社長に懇願してAbemaTVで天鳳名人戦的な番組を作成いただくこと。前述のとおり、最初は牌をロボットがつかむ必要はなく、淡々としたゲーム画面と「最高の解説陣」(←ここ重要)があればよいと思う。
 今調べたら、将棋電王戦は最高来場者85万くらいだったそう。この数字には当然、将棋を知らない人が相当含まれるはず。麻雀がいきなりそれを超えることはないけど、人間対AIがいい勝負(最初のうちは人間がちょい強いくらいが最高)と分かったら麻雀興味ない人たちが見始めるはず。もし、ページビューが多くなれば、黙っていてもデンソー様が「電王牌くん」を作ってくれるはず(笑)。
 企画として十分勝算があるというのがこのブログの結論ですが、いかがでしょうかね?