姫と太郎の賑やかなお家

姫14歳、太郎9歳。高機能広汎性発達障碍の子供たちとの賑やかな暮らしぶりを綴っていこうと思います。

ウザい?

2009-11-02 15:51:28 | 姫のこと
寝る前になると姫はベッドの中から
「お母さん、あのさぁ・・・」と話しかけてきます。

「そんなこと考えてないで寝れば?」
と思うことが多いのですが、昨夜のはちょっと聞き捨てならない


「今日、AKとかYRとか普通に姫と喋ってたら
後からRKちゃんとYSに何か言われてた。
なんか怒られてるみたいやってん。
それにRKちゃんとYSは今日は姫を避けてるみたいやってん。
それで、AKとYRに『姫のこと嫌いなん?』って聞いたら
『嫌いじゃないよ』って言ってくれてんけど、
YSはさぁ『ウザい』ってお母さん、姫ってウザい?」

「え?ちょっと姫、YSに面と向かって『ウザい』って言われたの?」
「うん」
「で、何も言わずに黙って聞いてたの?」
「うん」
「ねぇ、姫はさぁ、年下のYSからそんなこと言われても怒らへんの?腹立たんの?」
「うん」
こんなやり取りをしていても、姫は怒っている様子も悔しがっている様子もありません。

どうして姫と喋っていた友達が怒られていたのか。
嫌いじゃないのにどうして喋ってくれないのか。
昨日は普通に接していたはずの子が今日は避けていたのは何故か。
姫は何故ウザいのか。
「姫はこの4つが解らないんだけど、お母さんには解る?」
という雰囲気なんです。
少し不安そうな感じはあるけど、怒りや悔しさは微塵も感じられない

そんなこと、もし私が後輩から面と向かって言われたら・・・
ん?なんかヘン 

普通だったら、先輩はもちろん、同い年や後輩に対してでも言わないんじゃないか?
YSちゃんは前にも顧問の先生に褒められた姫に「生意気!」って言ったよね
YSちゃんは相手が姫だから言った?
何も言い返さない。怒らない。姫だから言えたんだ!


このYSちゃんとRKちゃんの二人はずっと前から気になってた子たち。
したたかというか、なかなかの曲者

それでも、まだ上級生(現在中1)がいるうちは良かった。
明るく元気いっぱいのMIちゃんがみんなをまとめて引っぱり
物静かで優しいYKちゃんが気を配ってくれていた。

その子たちが卒業を前に引退した3月
お別れの日、引退式の途中から姫は泣きっぱなし
その日は帰りが遅くなったので私は太郎を連れて姫を迎えに行った。
姫はやっぱり泣いていて、帰り道もYKちゃんに肩を抱かれて泣きながら歩いていた

別れ際にMIちゃんが言った言葉
「泣くな、姫!がんばれ! タロ、お姉ちゃんのこと守ったりや」

YKちゃんも「姫ちゃん、がんばって」と言ってくれた。

姫はずっと彼女たちに守られていたんだと思います。

彼女たちが卒業してから、見ていて歯痒いくらいYSちゃんとRKちゃんに振り回されている姫

そんな姫の様子を「マジメ~」と笑い
「ウザい」と突き放す

「真面目で人を疑わない」のが姫のいいところ
心配だし、ヤキモキするし、悔しい
でも、私には真似できない姫のいいところ

検査の結果を聞いた後、T先生が仰った
「人を信じて疑わないのは姫ちゃんのいいところです。
叱るところじゃないです。
お母さんの心配は解ります。歯痒い気持ちも・・・
でも、このことは姫ちゃん自身が経験を重ねて、
いつか自分の中で納得して折り合いをつけていくしかないんです。
辛いけど、見守ってください」

この先、姫はいったいどれくらい姑息なやり方で、待ちぼうけになったり、
おごらされたり、仲間外れや酷い言葉を投げつけられるんだろう


一度だけ、姫がパニックを起こして泣きながら叫んだことがあった
「わかってるよ!みんな姫が笑ってるから気にしてないって思ってるけど
姫だって嫌な気持ちになってる!嫌だって思ってる!
だけど、何て言っていいか、わかんないの!
どうしていいか、分かんないから、笑っちゃうのに!
姫だってみんなと一緒にいたい!一緒に遊びたいの!」

そう言って泣き叫んだ姫は、そのまま眠って目が覚めたらいつもの姫でした。

「姫、我慢してるの?学校で嫌なことあったの?」って聞いても
「え~?ないよ~ 何で?」と笑う姫。

そんな姫を見ると辛いです。

『二次障害』という言葉が重くのしかかってきます。