姫と太郎の賑やかなお家

姫14歳、太郎9歳。高機能広汎性発達障碍の子供たちとの賑やかな暮らしぶりを綴っていこうと思います。

ホントに流行ってる?

2009-11-14 17:52:59 | 姫のこと
姫にとって友達の言葉は絶対です。
友達の言うことは盲目的に信じています。
「友達だから」それだけの理由です

友達だから 苛めたりしない 悪口なんか言わない 嫌なことをしない

姫はそう思っています。


先日、夜、寝る前になって「三つ編みして」と言い出した姫。

「なんで?寝る前に三つ編みしたってしょうがないやん?」
「三つ編みして寝て、朝解いたらくねくね~ってなるのが流行ってるねん」

「ふ~ん、そうなん」
「そう!だからここ!三つ編みして!」

って姫が私に委ねたのは前髪・・・
「前髪を三つ編みすんの?」
「そう!前髪くねくね~ってするのが流行りやねんて」

「うそ~ ヘンやって!お母さん的にもそれはちょっと、どうかと思うけど」
「じゃあいいよ!自分で何とかするから!」

鏡の前で悪戦苦闘の末、おでこに三つ編みの前髪を垂らし「おやすみ!」って寝ちゃいました
翌朝、寝ぐせ直しスプレーとブラシを手にくねくねの前髪と戦う姫
よかった、ヘンって気づいてくれて
その日の夜、また「三つ編みして!」

「え?ヘンやったん違うの?」
「前髪じゃなくて、こっちやって!ここ!」

姫が今回三つ編みにしたいのは、こめかみの辺り、前髪の両サイドの髪です。
仕方なく、三つ編みにしてやると
「ありがとう!お母さん上手!」と喜んでベッドへ

でも、翌朝はやっぱり寝ぐせ直しスプレー
「流行ってるのに、上手く出来ない」
しょんぼり登校した姫でしたが、私は内心ホッとしました

ホントにそんな髪型が流行ってるの?見たことないよ

以前、姫のクラブの本番の時、現れた姫を見て
一緒に行っていたばぁばは「何であんな頭してんの?」
他のお母さんも「姫ちゃん、どうしちゃったの?」
私が聞きたいよ~

姫の髪型は両耳の上で一か所ずつ、後頭部の上半分で一か所、計三か所をゴムで括っていました。
三か所ともピンと立っていてフライパンの取っ手が三つ付いてるみたい

本番が終わって直ぐ姫の元へ
「姫、あの頭、いつの間に括ったの?」
「本番待ってる時。『もう取っとき』って言われて取っちゃった」

「自分で括ったの?」
「ううん、RKちゃんたちが括ってくれた。かわいかった?」

「姫、鏡見た?」
「鏡なんかないもん。でも、みんな『姫、かわいい~』って言ってたよ」

あいつら~ わざとだ!

姫が笑ってるから、わかってないからやったんだ!

なにが「姫、かわいい~」よ! 「ばっかみたい」って心の中で笑ってたんだ!

姫はあんたたちのこと「友達」だって思ってるのに、信じてるのにそんな姫を笑い者にして平気なの?

こんなにたくさんの人の前で恥かかせて平気なの?

そんな姫を見てばぁばは泣きそうだった。
「あんなヘンな頭にされて気づかんの?おかしいことされてるってわからんの?
腹立たんのやろうか?恥ずかしないんやろうか?」

残念だけど、悔しいけど、悲しいけど姫は気づいてない。
「友達が嫌なことするはずない」って信じてる。

他のお母さんたちも「女の子たちわざとなの?姫ちゃん、大丈夫?」
「先生も気づかなかったのかな?」
「姫ちゃんが気づいてないのが救いかもねぇ」
皆さん、姫の障碍は知りません。おっとりし過ぎてる子と思ってる。

その場で言ってやりたいことは山ほどあったけど、姫の気持ちを考えると言えなかった

歯痒いけど、悔しいけど、悲しいけど、大人が何を言っても
姫は「友達は苛めたりしない。嫌なことしない」って信じてる

主治医のT先生に言われてる
「歯痒いし、辛いけど、このことは姫ちゃん自身が納得しないと。
経験から学ぶしかないんです。
姫ちゃん自身で友達とのかかわり方を学ぶしかありません。
お母さんは辛いけど見守ってください」

この先、どれくらいこんなことが繰り返されるんだろう?


ばぁばはこの日、姫に一生懸命話してくれました。

「あのね、姫。今日の姫の髪型はばあちゃんは良いとは思わんかったよ。
姫は友達に括ってもらって嬉しかったかもしれんけど、
みんなも子供やからね。お母さんみたいに上手じゃない。
だから、これからはお母さんに括ってもらいなさい。
お母さんやったら姫に似合う髪形を一番知ってるし、上手やから。
あんまり友達に括ってもらわん方がいいよ」

精一杯、言葉を選んで姫を傷つけないように話してくれたばぁばに感謝です。

「あんたがしっかり見とかんと!また何されるやわからんで!
しっかり見ときなさいよ!」
私にはかなり厳しいお言葉を頂きましたが

姫が癇癪を起して私の話を聞けなくなった時、いつもばぁばが助けてくれます。

「姫の一番の味方はお母さんやで。お母さんはいつも姫のこと考えてるからね。
何かあったら必ずお母さんに言いなさい。お母さんが必ず姫を守ってくれるからね」

何度も、何度も姫に言ってくれます。

本当にいくつになっても母親ってありがたいものですね。
記事を書きながら、改めて母を想い、母に感謝してます

平行線?

2009-11-14 14:56:50 | 姫のこと
最近の姫は何でも友達のマネ&言いなりです

私やばぁばの言うことなんて「イヤ!」の一言で拒否するのに、
友達の一言は簡単に聞き入れるし逆らえない様子

例えば「プールが始まったら大変やから髪短くしたら?」
「イヤ!」

でも、翌日学校から帰るなり「髪切に行く!」
理由は「RKちゃんが『姫は髪短い方が似合うと思うわ』って言った」から

理由はどうあれ、切る気になってくれたなら善は急げ!
その日のうちに美容院へ

ところが、髪を切った翌日、RKちゃんは
「うわ!姫、髪切ったん?やっぱ、長い方が似合っとったなぁ」

姫は黙ってうつむいたまま、家に帰るなりベッドにもぐりこんでしまいました。

洋服でも同じようなことが何度も繰り返されています。

「ショーパン(ショートパンツ)買って」「似合うかも」って言われた 
「チェックのスカート買って」グループの子がみんな持ってる
「Gパン買って」「足が長く見えるよ」って言ってた
「膝が隠れる靴下買って」「お揃いにしよう」って言われた
「ルーズソックス買って」クラブの子がみんな持ってる
「モコモコのパーカー買って」「姫も色違いで買ってもらい」って言われた

次々と注文が変わります。
そして姫の「買って」は「今すぐ買って」なんです。
夕方に帰ってきて「買いに行きたい」
「お母さんはご飯の支度があるから明日にして」
「イヤ!明日着て行きたいの!『明日、着て来て』って○ちゃんが言ってたもん」
「今から姫の買い物に行ってたらタロやお父さんのご飯はどうするの?みんなお腹すくでしょう?」
「姫はお腹すいてない」
こうなったら姫は何を言っても聞き入れられません
そこでいつも主人が登場
「お前はどこまで自分勝手やねん!自分のことだけか?

親の言うことは『イヤ!』で友達に言われたら何でも聞くんか?
お前、あの子らに『死ね』言われたら死ぬんか?アホか!

そんなに買いたかったら一人で買いに行け!
行ってそのまま帰ってくんな!」
と、なんとも大人気ないことをまくしたて、
姫が本当に一人で出かけようとすると
「ええ加減にせえよ!一人で行ってどうするつもりや!」
ここまで言われて、姫が泣き寝入りをして夜が更ける・・・
悲しいけどこれが大体のパターンです。

私が姫を上手く説得できればいいのですが
最近の姫は何を言っても「イヤ!」なので会話にならないのです

去年までの姫は何も言い返すことが出来ず、黙って泣いていました。
そんな姫がプレイセラピーに通うようになって、元気を取り戻し、
笑顔も取り戻し、自分の思いを出せるようになったのは嬉しいことです。

ただ、その思いが強ければ強いほど、上手く言葉に出来ないみたいで

「今日はもう無理だけど、明日なら行けるから」
「イヤ!」

「1日だけの我慢だよ。明日には買えるんだよ?」
「イヤ!」

「今日こんなに嫌な思いで急いで行くより、明日、楽しくゆっくり行く方がいいでしょ?」
「イヤ!」

「お父さんやタロのご飯は?今から姫の買い物に行ってたらご飯作れないよ」
「イヤ!」

「だから、明日にしよう。明日、絶対に連れて行ってあげるから」
「イヤ!」

「とにかく、今日は行けません。明日ね」
「イヤ~!」

こんな光景は世間では「わがまま」「甘やかしすぎ」「躾がなってない」って言われるんでしょうね

でも、これは姫のこだわりからきていることで、姫自身がコントロールできるものではないと思うんです。
だから姫は「イヤ!」しか言えなくなってしまう

「明日、着て来て」って言われたのに着て行かなかったら怒られる、嫌われる
明日着て行かなくちゃ意味がない
明日着て行くには今日買わなくちゃいけない
今日買わなくちゃ明日着て行けない
明日着て行かなくちゃ嫌われちゃう、仲間に入れてもらえない

姫の中でそんな想いが、想いだけがぐるぐる回っているんじゃないかなぁって思っています。


姫は「何が起こるかわからないのは怖い」と言います。

姫は戦争や地震に関する本や写真集を熱心に見ていました。
「お母さん、見て」って持ってくるけど、目を背けたくなるような写真や体験談。
地震も阪神淡路大震災を経験した私は僅かな揺れでも飛び起きるほど過敏になっています。
正直、地震関係は見たくない。怖くて見れません。

「お母さんはそういうの怖くて見たくないんだけど、姫は怖くないの?」
たまりかねて行った時、

「うん、怖くない。どんなことになるか、どんな風になるかわかった方が怖くない。
どうなるのか、どんなことが起こるのかわからん方が怖いもん」

そういう考え方もあるのかと驚きました。
でも、知ってしまうと余計に怖いと私は思うんですけど・・・

その時「私はきっといつまでたっても姫のことを解ってやれないんだろうなぁ」って思いました。

母としてとても無力だと感じました。

逆に多数派の感じ方や考え方を姫に伝えることは難しいとも思いました。
どうやって教えたらいいのか見当もつきません。

姫の「イヤ!」が相手にとても嫌な思いをさせることさえ伝えきれない。

「イヤ!」に替わる言葉を教えてやることも出来ない。

昨日も姫は不機嫌なまま眠ってしまいました

「そういう言い方や態度は『わがまま』って言われるんだよ」って言ったら
「姫、わがままやもん!」って言われちゃいました。

難しいです