貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

蛍光 ⑤そもそも蛍光とは[おべんきょノート]

2021-11-04 20:56:16 | おべんきょノート

蛍光というのは、普通の石好きにとっては「紫外線を当てると変な色に光る」ということですけど、別に紫外線に限った話ではないわけで、蛍光塗料なんていうのは、常に通常光でエネルギーを貯めて緑の光を放っているわけです。暗くなるとそれが見えるだけ。
で、定義としては、
①ある分子が特定の波長帯の光(主に紫外線)を吸収することで、電子がエネルギーを帯びて外の軌道に移る(励起状態)。
②その状態は不安定なので、電子は戻ろうとするが、その際にエネルギーを放出する。それが特定の波長の光(可視光)となって人間の目に見える。
ということのようです。
入ってきた光を透過させるとか反射させるとかではなく、いったんエネルギーに変換して、それを光に作り直す、という複雑なプロセスになっているわけですね。
この際、放出される光は、吸収される光よりも低エネルギーであるため(様々なロスがあるから)、より長い波長となり、可視光となったり、照らしている光とは別の色になったりする。
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蛍光の色が毒々しく感じられるのは、特定波長(多少幅あり)の光を発するからなのですね。
通常の色は、ある色といってもかなりの混じりがある。同じような青の石を見ていても、微妙に違うのは、そこに別の波長が混じっているから。その微妙さが美しさになるわけですけれど。それに対して、混じりっ気のない色は、レーザー光もそうですが、「変な毒々しい色」と感じるようです。
音も同じですね。同じラの音でもピアノとバイオリンは違う。いろいろな音が混じっているから。それが音色となって美しさを感じる。純粋な波長の音は機械的でいやな音に感じる。
何かここには「波動」というものの秘密があるような気がする。

蛍光の人工的技術に関しては、有機化学を基にして生物学、医療などの方面でかなり精緻で有効な展開があります。ガン細胞を発見するとか。けれど鉱物の蛍光に関しては、分析してもあんまり役に立たないからでしょうか、出たとこ勝負というか、現実追認というか、「光りますねえ」「○○のせいではないでしょうか」くらいで(笑い)終わっているようです。
ある鉱物が「励起状態」になる波長とはどうやって決まるのか、発光波長(色)はどうやって決まるのか、そのあたりはあまり情報は得られませんでした。
というか、特定の元素が光るのか、ある種のイオン結合した時だけ光るのか、結晶構造とかが関係してくるのか、そのあたりもよくわかりません。
まあね、「ああ、光りますねえ」「うむ、光ってますねえ」でいいでしょう。