ちょっとお遊び細工物という感じもあるけど。
ガーデンクォーツ。
ぱっと見では「何やねんこれは」みたいな。
横から見るとはっきりするんだけど、これはつまり、岩石の上に水晶が積もったものを、岩石と水晶とが半々になるように切断して、それを丸玉にしたもの。ということでしょう。
岩石部分は、元になる熱水から水晶より早く沈積した鉱物群なのか、たまたま石英が流れ込んだ隙間にあっただけで直接関係ないものなのかはわからない。赤いのは鉄系の鉱物かな。緑は緑泥石? 鑑別能力がないから何とも言えない。
高級品ではないので、あんまり変化に富んだ景色とは言えない。
けれどこれ、強い光を方向を変えて照らすと、なかなかびっくりのショーが展開するのです。
水晶の半球がレンズになるので、拡大されたり光が集まったりして、面白い効果が生まれるようですね。
これはなかなか頭がいい。水晶だけでは形とか透明度がいまいちのものを、基盤岩石と合わせることで面白い作品にしたということでしょうか。
これで基盤岩石のほうにもっと凸凹があったり多彩な色があったりすると、もっと魅力的な作品になるのでしょう。カケラが水晶の中に遊離していたりすれば、「インクルージョン・ガーデンクォーツ」になってさらに面白い。実際、金針が泳いでいる「ルチル・ガーデンクォーツ」なんてのもあるみたいだし。
最初はなんかゲテモノみたいだなと手を伸ばさなかったのだけど、ちょっと面白いかなと思ってお安めのものを買ったら、現物は思いのほか楽しく美しいものでした。
この手のものは基盤岩石の多彩さと水晶の透明度がポイントかな。写真で見てもなかなかわからないので実物を見て買うのがよろしいかと。
こちらは前に「インクルージョン・クォーツ」の中で取り上げたガーデンクォーツ六角柱。むしろ「水晶・岩石ミックスジェリー」ですけど、そのわちゃわちゃもまた趣があってあちきは好きです。
加工ゆえに生まれる面白さ・美しさ。ガーデンクォーツ、なかなかいいですよ。ゲテモノと思うなかれ。