コルウェザイト＆ヘテロジェナイト＆コバルトアンカルサイト

（なげえタイトルだな）　うん、ちょっと格好つけた。

すんげえ石です。レア＆ビューティフル！　感動！　（珍しく素直な感想ｗ）

ヤフオクを見ていたらとある人気出品者さん一覧に、紫と緑の何やら怪しげな石がある。「『希少鉱物の天然アート的共生』コルウェザイト ヘテロゲン鉱 コバルトカルサイト」との説明。聞いたこともない名前でレアらしい。えらく惹かれたのと、税金申告のイライラもあって（何だよそれｗ）　少しムキになって貧石価格をオーバーして競ってしまった。（大げさに言うほどの額じゃないだろｗ）

Cobaltoan Calcite, Kolwezite, Heterogenite.  左右48mm。
産地は Kolwezi, Mutshatsha, Lualaba, DR Congo。
メインは妖しい紫のコバルトアンカルサイト。（気取った表記するなよ）　そこに緑の変なやつがくっついている。「もふもふ」と商品説明にはあるけど、ちょっと見では「これカビじゃね？」みたいな感じ。それがコルウェザイト。もう一丁の黒いやつがヘテロジェナイト。
その共生が確かに「天然アート」で素晴らしいんですわ。美しいから何枚も貼る。

このきらきらした部分は母岩の長石にコバルトカルサイトが浸潤したみたいな感じ。

コルウエザイトは肉眼では不透明に見えるけど、ごく小さな結晶で透明度もあるような。老眼にはきつい。

断面部の長石？もきらきらと輝く。ここにも若干コバルトの浸潤があるみたい。どういうふうにして形成されたのか、頭が悩む。

コバルトカルサイトはカルサイトの中ではレアな部類。いくつか持ってるけど、ともすると濃すぎたり薄すぎたり。これはかなりいい発色。

コルウェザイトは CuCo(CO3)(OH)2。銅とコバルトの炭酸塩。銅鉱床から生じる二次鉱物。三斜晶系、硬度４、比重3.97。1980年にコンゴのコルウェジで発見された、わりと新しい鉱物。おや、こやつは「原産地標本」ですな。産出は稀でこことコロラドくらい。
面白いことに mindat には「Probably Rosasite Group」とある。何だよ「たぶん」って。ロザサイトは (Cu,Zn)2(CO3)(OH)2。まあ亜鉛がコバルトに代わっただけではある。
色は「Black, brown, beige, pale beige, greenish」と多彩みたい。

ヘテロジェナイト（ヘテロゲン鉱）は CoO(OH) ないしは HCoO2。こちらはコバルトの水酸塩。六方晶系、黒ないし黒茶色、硬度３～５、比重4.13～4.47。名前はギリシャ語の「異色の」の意味で類似鉱物の中で組成が変だからだそうで。確かに上記の組成式は変だ。

レアで、そして美しいって素晴らしいじゃん。ゲットできてとても嬉しい。

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コバルトについてはロゼライトのとこで書いた。って自分でも忘れていた。（おいｗ）　いろいろ用途がある貴重金属、かつ人間にも必須の栄養素。
主なコバルト鉱石には、コバルタイト（Cobaltite、輝コバルト鉱、CoAsS）、リナエアイト（Linnaeite、リンネ鉱、Co3S4）などがある。詳しくはいつものこちら。砒酸塩にロゼライト、エリスライトがある。方砒コバルト鉱（スクッテルダイト）なんてのもありますね。しょっちゅうオナラをしているのかな。（よしなさいはしたない。つか放屁なんて言葉今の人は知らんだろ）

産地の人間社会については陰鬱になるので省略。
《コンゴ民主共和国の南部よりザンビア北部に至るカッパーベルト（幅50km、長さ320km）の砂岩層中には赤銅鉱、孔雀石、藍銅鉱、自然銅を含有する銅鉱層があり、この鉱石中にコバルトが含有されている。このカッパーベルトから採掘、製錬されるコバルトの生産量は世界の50.2%（2007年）で、世界第１位である。その埋蔵量も42%で、世界最大のコバルト資源である。》（出典上記リンク）
「紛争鉱物」などという言葉もある。資源を求めて争うのは人間の悲しい宿命。昔の日本では水争いがあった。
こういった石は仮にたくさん出たとしても原料としてばんばん砕かれてしまうだろうし、治安不良社会では安定的な流通も不可能だろう。地球的だけでなく人間社会的にもレアにならざるを得ない。
このカッパーベルトは堆積岩に銅を含んだ熱水が入り込んでできる「堆積鉱染型銅鉱床」の巨大なもの。これもまた「水成鉱物」なんですな。

しかし、こういういろんな鉱物がまじゃった岩石というのは、楽しいですね。「ばらちらし」。（おいｗ）　けっこう好きなんだなあ、こういう石。鉄火丼やイクラ丼とは違う味わいがある。（食うなよ？）
うん、今度「ばらちらし」岩石をまとめてみるかな。（ええ？）