趣味人(シュミット)様からコメントをいただいて、この意見はマイノリティを差別する意見だという指摘を受けました。その通りと反省しています。
削除したりはしませんが、こういう考え方が差別に繋がるんだと参考にしてください。
以上-----------付け加えました。
そんな時「実はおじさんも左利きなんだよ。でも左手用ハサミはつかったことないんだ。〇〇〇こうやって使うと、切りたいところがちゃんと切れるようになるよ。」と説明して普通(右手用)のハサミを使ってもらいます。
しかし「できない!」ときかない児童が増えてきたように思います。それで仕方なく一本だけ左手用ハサミを買いそろえました。
これが左手用ハサミ問題です。この児童はこれから成長していずれは大人になります。ず~と左手用ハサミが無ければハサミが使えなくなってしまいます。”工夫”するのが人の本分ですからちょっと私の話を聞いてください。
私も生まれつき左利きです。小さいときハサミの使い方には困ったことがありました。母は私の下着以外の着るものはほとんど作ってくれました。裁縫をしている姿がいつもありました。実はそういう母に育てられて私も裁縫が”好き”でした。学校で必要な雑巾、破れた靴下、服のほころびなども自分で針と糸、ハサミ、ゴム紐などで直していました。そのとき〝裁ちばさみ”を持つとき「おかしいな、持ちにくいな、親指の付け根が痛い」と思いながら使っていました。今思うと裁ちバサミはぜ~んぶ右手用だったんですね。
こんな風に握っていたんです。裁ちバサミは左手で握ることは想定されていないんです。右手オンリーです。親指の入るところ、他の指を揃えていれるところと手に合わせて作られています。
こんな感じです。それを左手で持つと親指には大きすぎるし、指を揃えては入らないという具合です。指の形に成形もされているので、切るときいろんなところが強い圧力で押し付けられ痛みます。
こんな経験をして工夫したんでしょうね。痛くないように握り方を考えたり、きれいに切るためにこれから紹介するような使い方を考えました。
それから工作用のハサミに出会いました。
最初の写真の裁ちばさみ以外は全部工作用ハサミです。指を入れて握るところは両方とも同じ形ですから問題はなくなりました。
もう一つの問題が発生したんです。
これです。〝刃線”の問題です。これから刃線について、また右手用と左手用ハサミの違いも含めて解説します。
ハサミは2つの刃が×の形に重なり合ってできています。その×が閉じることで紙や布を裁断します。写真は横に並べてありますが、右手用は右手で、左手用は左手で持つと〝上”にくるほうが〝静刃”、下にくるほうが〝動刃”です。ハサミは下の刃を動かして切るんですね。
右手用ですが持ったところが次の写真です。〝刃線”ってわかりますか。静刃・動刃の両方にあります。互いの刃が交差して紙などを切っていくところです。次の写真にピンク色の線で示しています。
右手用のハサミを右手と左手で持ったところです。
このように持ってみると工作用のハサミは刃の幅があるので静刃の刃線が切るとき問題となります。動刃は切るものの下に隠れてしまうので問題ありません。静刃の刃線は〝切るところ”に合わせると正しく切ることができるガイドのようなものです。
この問題は裁ちばさみではありませんでした。刃線が尖っていて包丁のようになっていましたから、どっちから見ても刃線が見えましたから、しかし工作用ハサミは刃に厚みがあって決まった方向からしか見えないので、見えるよう工夫しなければなりません。
この写真(右手用ハサミ)の場合、右手で持つとハサミが頭(目)の右側にあり静刃の刃線は見えますが、左手で持つと左側となり静刃の刃線は見えません。切るところが確認できないんです。
このように切るところの線に刃線を合わせることができません。こういう問題が左利きの人には起こります。
参考に、左手用ハサミを左手で使うとこうなります。
〝切るところの線”に静刃の〝刃線”を合わせることができますから、正確に切ることが可能です。
やっぱり左手用ハサミができて良かったですね~となります。さすがに人類は便利なものを作ってくれます。いいことだと思います。
さて、〝左手用ハサミ問題”です。私が問題だと思ったのは〝人間”のほうです。人間だって新しい進化をしてもいいんじゃないかということです。
問題点は〝視点”です。「右手用ハサミを左手でもったら左手は頭の左側にありハサミも左側となるので静刃の刃線が見えなかったですよね。」
「じゃ、ハサミを持つ手を45度右側に傾けたり、ハサミを持つ手を頭の右側に持っていくと静刃の刃線が見えるようになります。」
「すると、静刃の刃線と切るところの線を合わせることができて、正確に切ることができます。」
こういうことです。
「じゃ、ハサミを持つ手を45度右側に傾けたり、ハサミを持つ手を頭の右側に持っていくと静刃の刃線が見えるようになります。」
「すると、静刃の刃線と切るところの線を合わせることができて、正確に切ることができます。」
こういうことです。
幼いときは〝左手用”ハサミもありませんでしたし「困った困った!」ということもありませんでした。知らず知らずのうちにちょっとした工夫で乗り越えてきたんだな~ということに気づかされました。
ちょっと大きい話になりますが、ひとつ便利なものができてくると、ひとつ大事なものを失っていくこともあるんだなと思い至りました。
ハサミやノリを使うことで作って遊ぼう教室を楽しんでいますが、”作って”の大切さを改めて感じました。ハサミやノリの使い方を熟練してほしいな~。後継者が育ってくれないかな~!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
付け加えます。----------
いかがでしたか。私自身の深層心理というかこんなところにマイノリティへの差別が潜んでいるんだな~と反省しました。そのことを次のように考えました。
どうして間違った考えになってしまったのかなということです。裁ちばさみは指を入れるところが右手を想定した作りで間違いなく右手用ハサミですが、工作用ハサミは2つの指を入れるところに差異はないのでどちら用でもないのです。それを私が勝手に〔右手用〕と言ってしまったのが間違いの始まりです。左利きの私が何の意識もなく工作用ハサミを使っていたのもうなずけます。工作用ハサミは右利きの人はこういう風に使う、左利きの人はああいう風に使うという理解が正しいのだと思います。でも右利きの人のほうが容易ですから左利き用ハサミができたんですね。今は裁いばさみも左手用ができているそうです。
工作用ハサミを「右手用ハサミ」と言ってしまったところが《問題》の本質だったんです。そこには左利きのマイノリティを軽視して何にも考えていませんでした。自分のことでもあり差別とは違うと思いますが、深層に潜む差別の種かもしれないとチョッと身震いがしました。
以上、反省を含めて考えてみました。
お騒がせして申し訳ありませんでした。