中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

弥生賞(GⅡ)回顧

2011-03-06 20:56:36 | 回顧
12.8 - 11.3 - 12.2 - 12.8 - 12.6 - 12.4 - 12.2 - 11.8 - 11.2 - 11.7=2:01.0
(36.3-50.0-34.7)

 距離が不安視されたサダムパテックであったが、見事に克服してみせた。10㌔増は本番を意識しての仕上げもあってのもの。課題の発馬をクリアはできたものの、直後に両サイドと接触し、更には内へ切れ込んできたターゲットマシンに進路をカットされる不利があった。ここで馬にスイッチが入ってもおかしくなかったが、鞍上の岩田Jが手綱を抑えて懸命になだめる。ゴール版前で左手前に替えた時にスピードが乗ってポディションを押し上げたが、掛るほどではなかった。1角からは5番手の外めで折り合いに専念する。鞍上との呼吸はピッタリで、スムーズな誘導。向こう正面中盤では外から掛ったオールアズワンに被されても動じない。三分三厘でも手応え十分で慌てない。直線入口でスパートを開始させると、坂上で右ステッキが2発。ここで内へモタれて右手綱で矯正しながらの追いになったものの、首を水平に使った推進力ある走りで差し切った。まだ他馬に比べると出脚は鈍いが、その後に落ち着いて誘導ができれば距離はこなせることが分かった。しかし、本番の皐月賞は18頭のフルゲート。出脚が鈍くなると、後方からの競馬を強いられる可能性が高い。これでは紛れが起きてもおかしくない。

 レース巧者のプレイが2着に入り、皐月賞への権利を手にした。3番枠からポンと好発を決めるも、手綱を押して無理に行くことなく、馬任せで先団へ。1角では外のターゲットマシンと内のアッパーイーストに行かせて3番手で折り合いに専念させる。自身の1400㍍通過が1分26秒5という超スローで脚は存分に温存できた。3角から少しづつペースアップし、流れが速くなった4角で手綱が動く。直線を向き、鞍上の懸命なアクションに応え、ジリジリと伸びる。坂上で勝ち馬と馬体を併せる形で一旦は後方に下がりかけたが、最後まで諦めない走りで2着を確保した。本来は瞬発力勝負は苦手だが、超スローで脚を存分にタメられたし、急坂の中山もよかった。

 デボネアは本番が楽しみになる内容だった。4番枠から好発を決め、馬任せで中団のインに潜り込む。首を上手く使った迫力あるフォームは大物感を漂わせる。終始、インの経済コースを立ち回りロスのない誘導。三分三厘で前がゴチャつき、手綱は抑えたまま。4角で前のルーズベルトが外へ膨れてできた僅かな隙間を見逃さず、インに突っ込む。直線を向くと、前のアッパーイーストまでもが外へ膨れてインがぽっかりと開く。そこからスルスルと脚を伸ばしてきたが、僅かに劣った。初めて経験する瞬発力勝負の流れに対応できたのは大きな収穫だ。底力勝負を望むタイプだけに本番向き。権利を獲れたのは大きい。

 ショウナンマイティは一週前に破格の時計をマークし、直前の攻めを軽くしたが長距離輸送もあり10㌔減。テンションが高かった。発馬後に外へヨレて道中は無理することなく最後方に控える。課題の折り合いはクリアし、流れが極端に緩んだ向こう正面で馬群の直後に取り付く。3角で手綱を押してスパートを開始させるが、頭が上がりズブさを見せてスピードに乗り切れない。直線入口でも最後方だったが、坂上でエンジンが掛ると、全身をダイナミックに伸ばしたフットワークで一完歩毎にグイグイ伸びる。もう少し直線がなければ一気に差し切れていた。トモが甘く、発馬で行き脚がつかないし、三分三厘でズブい。現状では緩急のある流れより一貫した流れで直線が長いコースが向いている。本番の皐月賞はフルゲートだけに馬群を捌けるかがポイントになる。上がりが極端に掛る流れになれば一発はある。

 アッパーイーストは大きなフットワークで雰囲気を持つ。ここ2走は若さを出して結果を出し切れていなかったが、GⅡのここで能力の一旦を見せた。発馬後の行き脚は今ひとつだったが、スッと左手前に替えてからはスピードが乗り、馬任せで先団へ。1角から掛ったターゲットマシーンに競りかけられても折り合いはスムーズ。超スローで脚は十二分に温存できた。流れが速くなった3角で手綱が動いて一旦は後方に下がりかけたが、4角で盛り返し、直線では一旦先頭に立つ見せ場を作った。そこからもうひと押しがなく競り合いに敗れたが、見どころ十分だった。トビが大きいだけに、リズムよくテンに先行できるかがポイント。現状では緩急のある流れよりは一貫した流れ向き。広い府中のほうが向いている。トモに力が付けば出世できる。

 ギュスターヴクライは、10番枠から大きなフットワークで道中は中団馬群からの追走。馬とのリズムを大事にして慎重に運ぶ。流れが速くなった3角でズブさを見せて手綱が動く。少頭数だけにゴチャつくことなく外めで加速できたのは良かった。直線でエンジンが掛ると、一完歩毎にグイグイ伸びて際どい勝負まで持ち込んだ。まだフットワークがバラバラな印象を受けるし、成長する余地は十分ある。

 ウインバリアシオンは発馬で右にヨレてポディションを悪くしてしまった。その後は後方に控えて折り合いに専念。三分三厘で大外を通って進出するも、4角で内から来られた時に外へ膨れる。ここで鞍上は右手綱を引いてブレーキをする形に。スピードに乗り切れなかったし、直線もジリ脚だった。まだ、手前の替え方が上手ではない。前走のきさらぎ賞も4角を左手前で走って外へ膨れていた。中山の小回りは合わない。

 オールアズワンは発馬直後にサダムパテックと接触。その影響からかゴール版からガツンと掛ってしまう。1角からは極端に流れが落ち着いたこともあり、向こう正面で我慢できずに外めを通って4番手までポディションを上げる。4角までは応戦できたが、直線は馬群に沈んでしまった。ここまでは堅実に走ってきたが、気性の若さを露呈した。スローの流れだけに道中で掛ったことは致命的だった。

 ターゲットマシンはゲート入りを嫌がり、テンションが上がってしまった。デビュー3戦目で競馬に嫌気が差してきた。ガツンとハミを噛んで力んでしまった。精神面のアフターケアが重要。

オーシャンS(GⅢ)回顧

2011-03-06 20:54:12 | 回顧
12.0 - 10.6 - 11.0 - 11.5 - 11.2 - 11.5=1:07.8
(33.6-34.2)

今年緒戦を最高の形でスタートを切ったダッシャーゴーゴー。14㌔増の馬体は本番を見据えても好材料だった。レースではポンと好発を決める。中山スプリントにしては平均ペースの流れを馬任せで好位から追走。道中は抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。流れの緩んだ3角で外めからスパートを開始すると、4角で前を射程圏に入れる。前のレッドスパーダは実力馬だけに渋太かったが、坂を上がったところで左手前に替えてグンとひと伸びして押し切った。久々で58㌔を背負い、自ら勝ちに行って掴んだV。本番での見通しは明るい。

 久々で59㌔を背負ったキンシャサノキセキ。発馬直後から顎をグッと下げる独特のフォームで行き脚がつかず後方からの競馬になってしまう。3角まではインで鞍上が手綱を抑えて折り合いに専念する形。4角で馬群を嫌って外めへ持ち出し、直線も大外。坂下で左手前に替えると、一完歩毎にグイグイ加速。僅かに届かなかったが、落ち着いた流れを後方から差してきた。負けて強しの内容だった。

 3着のレッドスパーダは初のスプリント戦。発馬後はさすがに快速スプリント勢とは行き脚が違い、自身は気合いを付けて先団へ。2ハロン目でようやく流れに乗る。その後は2番手でぴったりと折り合いに専念。三分三厘でも手応え十分で直線へ。坂下で左手前に替えた時に少し内にモタれが、グンと伸びるも、ゴール前で少し苦しくなって頭が上がったところを差された。初のスプリント戦でテンに脚を使わされたことを考えればよく頑張っている。上位2頭とは斤量の恩恵があったのは確かだが、本番の阪神スプリントは中山スプリントほどテンが速くならないコース設定。これは心強い。

 セイコーライコウは3番枠から終始、好位で流れに乗れた。三分三厘では抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。だが、直線は勝ち馬とケイアイアストンが壁になり、進路がない。ここで右手綱を引いてブレーキをする形に。残り1ハロンから外めに持ち出し、一完歩毎にジワジワ伸びた。スムーズに加速できていれば2着はあった内容だった。

 ケイアイアストンは大外枠発走から少し気合いを入れるとすぐに行き脚がつく。少しづつ内の先行馬を見ながら内側に切れ込んでいくが、3角に差しかかったところでコーナーワークに戸惑い、減速する。その後は後ろから少し早めに来られる展開になったし、直線も外から勝ち馬に被されるプレッシャーの多い競馬だったが、大崩れはしなかった。叩いて絞れれば。

 ショウナンアルバはトモが弱いために発馬で行き脚がつかず。鞍上は手綱を押してポディションを上げて行くが、下り坂だしこれで馬にスイッチが入ってしまう。3角手前では頭を上げてモロに掛る。気性の悪さは相変わらず。終始、インの経済コースを通れた恩恵は大きく、一瞬の脚で差してきた。トモが弱いためにどうしても頭が高く重心の高い走り。使える脚は限られている。

 サンダルフォンは大きなフットワークで器用さに欠ける。もう少し上がりの掛るレースを得意とする。中山でもハイペースの外差しが決まる流れならやれる。

 エーシンホワイティは発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。その後は折り合いに専念する形で脚をタメる。4角でゴチャついて他馬と接触すると手応えが怪しくなり、狭いところを突破できずジリジリとしか伸びなかった。

 ジェイケイセラヴィは例によってポンと好発を決めるも、前走の敗戦を踏まえ、手綱を抑えて控える。終始、外々を通らされたにしても伸びなかった。馬が硬くなっているか。

チューリップ賞(GⅢ)回顧

2011-03-06 20:51:48 | 回顧
12.5 - 11.3 - 11.7 - 12.2 - 12.4 - 11.7 - 11.1 - 11.6=1:34.5
(35.5-24.6-34.4)

無敗の2歳女王レーヴディソールが今年緒戦を最高の形でスタートさせた。10㌔増も今後を考えれば好材料。課題の発馬を決めて道中は離れた中団馬群の少し後ろを追走。終始、馬任せで無理をさせない誘導。鞍上の手綱はピタリとも動かない。レーヴ自身も全身を柔らかく使った走りで気持ち良さそうに走っている。少頭数ということもあり、4角でスムーズに大外へ誘導する。直線でスッと左手前に替え、鞍上が少し手綱を押して気合いを付けると、大きなフットワークでグーンと加速。他馬とは次元の違う加速力。追えばどこまでも伸びて行きそうなスピード感だった。凄い脚力だ。一戦毎に強くなっている。本番でも間違いなく大外へ持ち出すことになるだろう。縦長のスローになった時に、差し届くか不安視する声もあるだろうが、この馬には関係ない。

 ライステラスは久々でテンションが高かった。ポンと好発を決めるも、内の先行馬の出方を見ながら無理せず控える。しかし、道中ではグッとハミを噛んで力んでスタミナを消耗。4角から直線にかけてスーッと楽な手応えで進出を開始させると、直線は一瞬の脚ですぐに先頭へ並びかける。そこから脚色が一緒になり、伸び切れず2着を確保するのに精一杯だった。叩いて落ち着きが出れば。一瞬の脚は本番へ繋がる。

 メデタシは道中、中団のインで脚を温存。流れの緩んだ3角で前との差を縮める。4角では先頭から4馬身圏内に。直線入口でゴチャつき、進路がなくモタつく。前脚の出が硬くて、完歩が小さいためにジリジリとしか伸びてないが、最後はそこそこの脚で差してきた。