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2022年は客観的な予想を心がけます。

中山牝馬S(GⅢ)展望

2011-03-10 23:37:08 | 見解
ブロードストリート
前走の京都牝馬S7着は、道中は発馬直後から手綱を押して行って中団に取り付く。流れが落ち着いた3角手前から馬群のなかで脚をタメる。同じ位置にいた勝ち馬が馬なりのまま直線を迎えたのに対し、同馬は激しく手綱が動き、直線で一気に離されてしまう。直線で手綱を引っ張るシーンがあったのは、狙っていた進路を手応えで上回るストリートスタイルに奪われたから。自身はジリジリとしか脚を使えなかった。マイルでの決め手の差が出てしまった。前々走の愛知杯2着は、5番枠から少し気合いを付けて中団のインを取りに行く。終始、抑え切れないくらいの行きっぷり。インの経済コースを上手く立ち回り、3角から少しずつ加速したが、4角手前で故障馬の煽りを喰らい、急に手応えが怪しくなる。4角から懸命に手綱をしごき、ポッカリと開いたインを突く。最後は勝ち馬との激しい叩き合いの末、僅かに屈した。4走前の府中牝馬S6着は、発馬でトモに重心が掛り、半馬身ほど行き脚がつかず。直後に鮫島Jが手綱を押したためにモロに掛り、道中は頭を上げての追走。終始、インの経済コースを立ち回れたのは良かったが、鞍上と喧嘩してリズムが悪かった。その分、直線を向いて追い出してからジリ脚だった。トモが甘いために追って頭が高い。それが最後のワンパンチ不足に繋がっているし、瞬発力勝負では分が悪い。少しでも上がりの掛る中山は向いているだろう。前走の内容からゆったり走られるコーナー4回の1800㍍も向いている。

ヒカルアマランサス
発馬直後は行き脚がつかず手綱を押しながらの追走。これはいつもどおり。レースの流れが落ち着いたことで馬群から離されずに先頭から6馬身圏内で追走する。ズブいタイプだけに4角の下り坂から手綱を押して少しずつ加速し、直線は馬場の良い大外へ。グングンと大きなフットワークで加速し、一気に先団へ。ラスト1ハロン地点で内からケイアイが膨れてきても怯まない。最後は右手前に替えてグイッともうひと伸び。勝ち馬には届かなかったが、マイルの直線の長いコースで持ち味を存分に発揮した。前々走の愛知杯3着は、発馬でトモに重心が掛り、行き脚がつかない。道中は無理せずに後方でじっくり構えるいつもの形。2角までは余裕十分の手応えだったが、3角手前から手綱が動き、ズブさを見せる。4角ではステッキが入っても、先頭からかなり離れた位置。小倉の短い直線を考えれば万事休したかと思われたが、最後は一完歩毎にグイグイ詰め寄ってきた。昨夏の小回り・札幌で行われたクイーンS8着では、小回りを意識してテンから出して行く積極的な競馬。だが、勝負どころでズブさを見せ、4角でゴチャついて伸びなかった。ズブくて必ず三分三厘で手綱が動くタイプ。小回りでゴチャつくのは良くないし、馬群には突っ込めない。京都外回りは下り坂を利して加速できるし、4角で馬群がバラけるために伸びてこられる。初の中山が向くとは思えない。加速するなら大外回しだろう。流れが速くなるのなら。

アプリコットフィズ
前走の京都牝馬S14着は、栗東滞在だった秋華賞でも下見どころから発汗が激しかっただけに、美浦からの長距離輸送で落ち着きがポイントだった。下見どころでは落ち着き十分に映ったのだが、レースでは逃げ馬不在でスローの流れ。押し出されるように先行し、前に壁を作れずにモロに掛ってしまった。鞍上が制御できなかった。前々走の秋華賞3着は、下見どころから発汗が目立ち、テンションが高かった。レースでは、アグネスワルツが引っ張る淀みない縦長の展開を、道中は好位のインを追走。少しでも気を許せばガツンと行ってしまいそうな気配。その意味では前半から淀みない流れになったことで折り合いは付けやすかったし、スピードの持続力を生かしたい同馬にとっては良かった。インの経済コースで脚をタメられたこと、三分三厘で仕掛けをワンテンポ遅らせたことで最後にひと脚を使うこともできた。道中で舌を出すなどレースへ行って集中力がないし、気性にも課題を残すが、スピードはかなりのもの。瞬発力勝負になりにくく、淀みない流れになりやすい中山1800㍍も良い。イレ込みやすいだけに、近距離輸送もいいだろう。

アグネスワルツ
前走の京都牝馬S10着は、フワッとした発馬から少しづつポディションを上げて行く競馬。他に引っ張る馬がおらず苦手な瞬発力勝負になってしまった。先行馬には辛い馬場になったのも誤算だった。デキも下降線を辿っていたか。前々走のターコイズS2着も発馬でワンテンポ、タイミングが合わず。二の脚でスーッとハナへ立ち、その後は息を入れてスローの逃げに持ち込む。たっぷりと脚をタメて直線を向く。坂上で馬群に飲み込まれそうになるが、そこで踏ん張り2着を確保した。前々走の秋華賞9着は、発馬でやはりトモに重心が掛りそれほど出は良くなかった。そこから少し気合いを付けてハナへ行く。その前のローズS7着で控えて惨敗していることもあって積極的な競馬。向こう正面に入っても、11秒9-11秒8と息を入れずにガンガン飛ばす。さすがに飛ばし過ぎて3角、4角で極端にペースを落とす。直線は見せ場なく馬群に沈んだ。あまりにもペース配分が極端すぎた。大きなフットワークから繰り出すスピード性能はかなりのもので、オークスは実に渋太かった。それを考えれば昨秋からは淡白な内容になっているし、ここ2走は行き脚が鈍くなっている。控えても切れる脚は使えないだけに、ガンガン行くしかない。前走が控えて惨敗しているだけに、ここは積極策か。小回り中山向きとはいえない。

セラフィックロンブ
前走の日経新春杯9着は、発馬直後から手綱をしごいてハナを主張する。この手綱のアクションで、同型のプロヴィナージュ、ビッグウィークがすんなりと控えたために2ハロン目からハナに立つ。終始、折り合いもスムーズでゆったりとした逃げ。向こう正面に差しかかったところで若干ペースが速くなったものの、その後は至極順調な道中。だが、4角の下り坂で早々と手応えが怪しくなると、直線は馬群に沈んでしまった。内側の馬場がかなり傷んでいたし、強敵相手では仕方なかったか。前々走の愛知杯1着は、テンから気合いを付けての先行策。1角からは3番手のインで脚をタメる。勝負どころでも手綱はがっちりと持ったまま。4角でスパートを開始させると、直線は2着馬との叩き合いを制した。安定した先行策で、スローでも対応できるし小回りも対応可能。ここは56㌔と先行馬が揃っただけに展開面で苦しいか。

プロヴィナージュ
エリザベス女王杯を挫石で取り消し、休み明けとなった前走。好発からすんなりと2番手でスローの流れに乗る。3角の上り坂でポディションを上げてきたシャドウゲイトに被される。その後は有力馬に早めに来られて馬群に沈んでしまった。終始、馬場の悪いところを通らされた影響もあったろう。前々走の京都大賞典3着は、ドリームフライトがガンガン飛ばす縦長のハイペースを道中は離れた3番手を追走。あくまでの自分のペースを貫き、ジッと我慢。自身も平均ペースの流れで追走し、道中は脚を使わされた。下り坂でもギリギリまで追い出しを我慢する。直線を向き、ジリジリと脚を伸ばし前のゴールデンメインを交わしたが、決め手に勝る上位2頭に差された。それでも、2400㍍で強敵相手に正攻法の競馬で善戦したのは高く評価できる。追ってジリ脚だけにワンパンチ不足だが、底力を備えた先行力が武器。ひと叩きして攻めの動きは迫力満点。明らかにデキも上向いている。ここは目標にしていたレース。鞍上も前走は、中山牝馬Sを意識したレース運びとコメントしていることから、正攻法の競馬が予想される。勝ちに行く分、いつも以上に末が甘くなるケースは考えられる。

オウケンサクラ
前走のマイルCS16着は、スプリント快速馬ジョーカプチーノが飛ばすハイペースの流れをスッと3番手から積極的な競馬。だが、マイルGIで先行馬総崩れの流れで古馬相手。4角の下り坂で早々と手が動き、直線は馬群に沈んでしまった。前々走の天皇賞・秋4着は、長距離輸送で太かった馬体が絞れた。道中はシルポートが作る淀みない流れを2番手から追走。道中は抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。トビが大きく中距離で気持ち良さそうに走り、存分に脚をタメられた。その分、直線で粘り強い脚で踏ん張れた。トモの蹴りが強く、行き脚は抜群。秋華賞、ローズSの敗因が今ひとつはっきりとしないが、気分良く走れた時の底力は相当ある。1ハロンの距離延長は間違いなくプラス材料だ。久々になるが、中間は坂路で入念に乗り込まれていし、最終追い切りは首を上手く使った力強い走りだった。いきなり万全の態勢だ。

ダイワジャンヌ
前走のAJCC5着は、道中はゆったりとした流れを中団の外目めを追走。終始、勝ち馬をマークする形。向こう正面で一気に流れが速くなり、3角ではペースの緩急に戸惑って手綱が動く。それでも、直線でジワジワと伸びて3着以下と差のない競馬ができた。別定で外々を通らされる形になったことを考えても、上々の内容だった。前々走の中山金杯6着は、スローの流れでスッと好位を取れた。道中の折り合いもスムーズで、ペースの速くなった三分三厘でも余裕十分の手応え。直線が楽しみになる手応えだったが、外からイケドラゴンに被され手綱を引っ張る。ようやく坂を上り切ったところで進路ができて急追したが、届かなかった。最後まで伸びているだけに本当に勿体なかった。ここ2走を見る限り、6歳にして本格化した。攻め馬でも、前脚をピンと張り出し、全身を柔らかく使ったフットワークで好調さが伝わってくる。ここは有力どころとハンデ差が2㌔ある。かなり恵まれた。一瞬の脚を生かせれば。

リビアーモ
前走の京都牝馬S5着は、発馬から行き脚が悪く後方からの競馬。道中も決していい手応えではなかった。スローで馬群が固まり、三分三厘から直線にかけては大外を通らされる。馬場の良いところを通れたのは良かったが、ペースを考えれば位置取りも後ろ過ぎた。直線は一瞬の脚は見せたが、時すでに遅し。自分でレースを作れない弱みが出た。前脚の出が硬く、どうしても発馬で行き脚がつかない。ピッチ走法の割りにズブさもある。そんなに長く脚は使えないが、ズブい
ため広いコース向きの印象がある。ここは流れは向きそうだが。コーナー4回の競馬も久々で。

ディアアレトゥーサ
かなりの底力を持っている。昨秋の秋華賞6着では、縦長の淀みない流れを三分三厘で大外を捲るかなり無理な競馬。前走の福島記念2着でも、正攻法の勝ちに行く競馬。中身は濃い。紫苑S1着では、ハイペースの流れを先行し、直線で外から被されながら底力で差し返した。久々で太め残りが心配だが、通用する力はある。鞍上の内田が焦らずに乗れば。