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2022年は客観的な予想を心がけます。

阪神大賞典(GⅡ)回顧 「東北関東大震災被災地支援競馬」

2011-03-20 19:01:46 | 回顧
12.8 - 11.4 - 11.9 - 12.2 - 12.7 - 12.8 - 12.8 - 13.6 - 12.5 - 11.9 - 12.3 - 11.8 - 11.8 - 11.4 - 12.5=3:04.4

あらゆる距離を堅実に走ってきたナムラクレセントが6歳にして待望の重賞初Vを飾った。下見どころでは落ち着き十分で懸念された煩さを見せなかった。3番枠から少し気合いを付けて2番手を取りに行く。道中で少し行きたがる仕草は見せていたが、許容範囲で何とか我慢する。頭の高い走法だが、大きなフットワークでの追走。流れの緩んだ正面スタンド前から2角までも折り合いが付いた。向こう正面で逃げ馬がペースアップして引き離しに行くが、深追いすることなく我慢。3角でスパートを開始させると、4角では逃げ馬から1馬身後方まで迫る。しかし、手応えは決していいものではないし、外2頭のほうが勢いがある。直線を向いて飲み込まれるかと思ったが、鞍上の左ステッキが入るとグングン加速。力強いフットワークで後続を突き放してしまった。自ら勝ちに行く実に強い競馬だった。気性難でなかなか結果を残せなかったが、元々が菊花賞3着と天皇賞4着の実績を持つステイヤー。気性が安定してきたことで、長丁場で結果を残せた。小回りの阪神は走りづらそうだったので京都外回りに替わるのは歓迎だろう。本番が楽しみだ。

 2着には勢いに乗るコスモメドウが入った。この中間は茨城県の美浦トレーニングセンターで被災し、余震が続く中で不安な日々を送った。調教も順調さを欠いた面があったろう。レースでは、2番枠から少しずつ気合いを付けて行って前々のポディションを取りに行く。その分、勢いのついた最初の3角で若干行きたがったが、その後は3番手でしっかりと折り合う。終始、前のナムラクレセントをマークする形。3角から手綱をしごいて早めにスパートを開始させる。だが、4角でステッキが入るなど思ったほど手応えが良くない。直線で勝ち馬に並びかけるところまで行ったが、そこから苦しくなって内へモタれて突き放されてしまった。最後はジリジリと伸びて2着が精一杯だった。力負け。年明けで既に3000㍍以上を3戦消化。本番では再度の長距離輸送も控えている。更なる上積みを望むのは酷。

 巨漢馬モンテクリスエスは発馬後から無理することなく、馬のリズムを大切にして最後方に控える。道中の折り合いはスムーズで、インで脚をタメる。3角で隣にいたオウケンブルースリが早めにスパートするも、慌てず我慢。ワンテンポ遅れて仕掛けを開始させる。4角でハミを掛け直されて決して手応えは良くなかったし、直線も坂下まではまだ中団。そこから左手前に替え、力強いフットワークでグイグイ加速。最後は2着馬と際どいところまで追い込んだ。道中で脚を使うと伸びないタイプで、後方待機策が嵌った。こういうタイプだけに仕掛けが早いと最後の脚が鈍ってしまうし、仕掛けどころが難しく他力本願。本番での展開の助けが必要だ。腕っぷしの強い川田Jは合っている。

 コスモラピュタは公約どおりに1番枠から果敢にハナへ立つ。最初の1角までは少し脚を使わされたが、スタンド前から2角にかけて息を入れて脚をタメる。向こう正面で一気に12秒5-11秒9とペースアップし、後続を突き放して持久力勝負に持ち込む。狙い通りに3角までは後続との差が広がった。だが、阪神の内回りだけに予想外に後続が早めに来てしまった。4角では1馬身後方まで迫られた。それでも、手応えが怪しくなりながらもそこからひと脚使い、懸命に抵抗。最後まで際どい勝負に持ち込んだ。スタミナ豊富なステイヤーだ。本番は京都外回り。レースはしやすい。

 メイショウドンタクはブリンカーを着用したり外したりと陣営の懸命な努力が窺えた。外した今回は中間の攻めの動きが実に軽快で、一度トップスピードに入れば長く脚を使えることを印象付けた。レースではテンから無理することなく馬のリズムを大切にする競馬を心がけた。その甲斐あってピタリと折り合い、気持ち良さそうに追走していた。ここ数走にはなかったもの。直線もジワジワと脚を使って伸びてきた。ただし、決して切れる脚はないので、スタミナの持続力を生かしたいタイプ。本来なら早め早めの競馬をしたかった。そうすると、リズムを崩して馬が気分を損ねてしまう危険性を招いてしまう。難しい。攻めの動きと今日の内容から真のステイヤーであることは明白。あとはいかに気分を損ねず早めにスパートできるか。惑星だ。

オウケンブルースリはスランプを脱しきれない。攻めでは格下に煽られ、本調子にはなかった。レースでは例によって発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。それも道中から少し気合いを付けながらの追走。3角から手綱をしごいて懸命にポディションを上げて行くも、フワッと頭が高くなって推進力に欠ける。直線もステッキが入っても反応が鈍く、ジリ脚だった。発馬で行き脚がつかず、追って頭が高くなるあたり、トモが弱くなっている可能性が高い。元々体質の弱いタイプで、腰に疲れが溜まりやすい。そのあたりがレースで影響している。

 ゲシュタルトは攻めで四肢を目一杯伸ばした力強いストライドでようやく昨春のいい頃のデキに戻った。レースでは内の先行馬の出方を見ながら馬任せで前々へ。前走で3400㍍を使った効果もあり、道中の折り合いはスムーズ。ペースの上がった向こう正面でも深追いすることなく我慢。前とは随分離れたが、3角でスパートを開始させると大きなフットワークで先団に襲いかかる。4角ではスピードに乗って直線入り口では一気に差し切るかの勢い。だが、直線で脚が止まり、頭が上がって苦しくなった。この内容を見る限り3000㍍は長い。2200㍍前後で持久力を生かす競馬が合っている。