中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

高松宮記念(GI)徹底研究!

2011-03-23 23:41:27 | 見解
エーシンフォワード
昨秋のマイルCSで悲願のGI初制覇。ジョーカプチーノが飛ばす一貫した速い流れを道中は中団のイン追走。終始、経済コースを立ち回る。3,4角でもスムーズに馬群を捌いて直線もインを突く。鞍上の懸命なアクションに応えて一瞬の脚力で一気に先頭へ躍り出る。早めに抜け出したことで最後は苦しくなったが、そのまま押し切った。1分31秒8のレコードV。とてつもない時計だ。昨年のこのレースは3着。16番枠から好発を決めるも、大外のため仕方なく中団まで控える。3角から外めを通って少しずつポディションを上げて行くも、4角では馬群が横長のため、加速することができず、大外へ持ち出すことに。かなりロスの多い競馬だったし、直線も最後まで手前を替えずに逆手前のまま。それでも、一完歩毎にグイグイ伸びて際どいどころまで詰めてきた。4角のロスを考えれば1番強い競馬だった。マイルGIを制しているが、武器は抜群に回転の速いフットワークから繰り出すスピード力と一瞬の脚だ。これを生かすにはスプリント戦でこそ。昨年の安田記念では1200㍍通過が1分7秒6で駆けている。スプリントでもハナを切れるスピード力を持っているし、本質的にマイルは長い。久々でも底力は怖い。

ジョーカプチーノ
前走のシルクロードS1着は、発馬でトモに重心が掛り、行き脚がつかずに後方からの競馬。1番人気を背負っていただけに押して先手を奪う手もあったが、鞍上は冷静だった。スプリント戦としては緩い流れを我慢の道中。引っ張り切りの手応えで追走する。4角で外めを通って加速すると、直線で右ステッキが入ってグンと加速。一完歩毎にグイグイ加速して差し切ってしまった。恐れ入った。前々走のラピスラズリS1着は、手綱を押してハナを主張しに行くも、外から快速スプリント馬サープライスシンガーが競りかけてきた。2ハロン目から10秒3-10秒9は中山スプリントを考慮しても速い。ようやく3角から単独先頭を奪うと、直線で二の脚を使って後続を突き放す。最後は2着馬に外から迫られたが、手綱を抑えて余裕のフィニッシュ。着差以上の強さだった。NHKマイルCの覇者ではあるが、行きたがる気性のため、どうしてもマイルでは終いが甘くなる。その点、スプリント戦では折り合いに不安がなく、スピード性能を如何なく発揮できるし、前走の様にそれを終いの脚に還元することもできる。本来なら先手を奪ってスピード力を生かしたい。あとは短期放牧明けだけに太め残りだけには注意したい。

ダッシャーゴーゴー
前走のオーシャンS1着は、14㌔増の馬体は今回を見据えても好材料だった。レースではポンと好発を決める。中山スプリントにしては平均ペースの流れを馬任せで好位から追走。道中は抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。流れの緩んだ3角で外めからスパートを開始すると、4角で前を射程圏に入れる。前のレッドスパーダは実力馬だけに渋太かったが、坂を上がったところで左手前に替えてグンとひと伸びして押し切った。久々で58㌔を背負い、自ら勝ちに行って掴んだV。休養前の京阪杯10着は、発馬を決めて内の各馬の出方を見ている間に位置取りが悪くなり、3角では後方から4番手まで下がってしまう。結果して4角で馬群の大外を回る大きなロスがあり、直線は伸び切れなかった。3走前のスプリンターズS4着は、発馬で行き脚がつかず道中は無理することなく後方のインに控える。2番枠で経済コースを立ち回れた恩恵はかなり大きく、コーナーワークで三分三厘では6番手までポディションを上げる。直線も逃げ馬の横にできたインに突っ込み、坂上でグンとひと脚使って2着入線した。完歩の小さいピッチ走法で、最後の一瞬の脚を武器とする。それほどテンの脚は速くないので、基本的には方法からの競馬になるだろう(前走は枠とテンの流れが緩んだために先行できた)。阪神スプリント戦で外枠だとロスの多い競馬になる可能性が高く、真ん中より内枠を引きたいところだ。

キンシャサノキセキ
前走のオーシャンS2着は、発馬直後から顎をグッと下げる独特のフォームで行き脚がつかず後方からの競馬になってしまう。3角まではインで鞍上が手綱を抑えて折り合いに専念する形。4角で馬群を嫌って外めへ持ち出し、直線も大外。坂下で左手前に替えると、一完歩毎にグイグイ加速。僅かに届かなかったが、落ち着いた流れを後方から差してきた。休み明けで59㌔を背負ったことを考えれば、負けて強しの内容だった。前々走の阪神C1着は、まずまずの発馬を決め、馬任せで出して行く。しかし、顎をグッと下げた独特のフォームで鞍上が手綱を持って行かれてしまう。三分三厘では前に壁ができて何とか我慢することができたが、少しでも気を許せばガツンと行ってしまう気配。逆に言えば他馬の手綱が激しく動いた4角で引っ張り切りの手応えなのはすごい脚力。直線でスペースができると追い出しを開始させ、首を水平に使った走りで叩き合いを制した。昨秋のスプリンターズS2着(3着繰り上がり)は、出負けして道中は掛りながら大外を回され、最後も大外ブン回しの厳しい競馬で小差の競馬。実績、能力はここではNo.1だ。ただし、チーク着用で以前よりも首の位置が下がっているし、前走を見る限りは鞍上と息が合っていない。発馬で行き脚がつかない可能性が高く、前走はスムーズに外めに持ち出せたが(手応えに余裕があるから進路を選べたのもある)、ゴチャついて抜け出すのに苦労する可能性はあるし、大外からの競馬ではスムーズに前々で運ぶ組とは分が悪い。

サンカルロ
前走の阪急杯1着は、テンから前2頭がガンガンと競り合うハイペースの流れ。それを道中は気合いを付けながら中団からの追走。ある程度出して行ったのは、開幕週の馬場状態と暮れの阪神Cで脚を余した反省からだろう。4角で外めを通ってスパートすると、直線で馬なりのまま一気に先団に取り付き、残り1ハロン地点で早くも先頭に。最後はさずがに頭が高くなって苦しくなったが、難なく押し切った。強い競馬だった。落ち着いた流れを道中は後方のイン追走。4角まではたっぷり脚をタメ、直線は馬群になかに突っ込む。だが、前がびっしりと壁となり何度も手綱を引っ張るシーンが。スピードに乗り切れなかった。ようやく坂上で進路を見出して末脚を伸ばすも、時既に遅し。完全に脚を余してしまった。4走前のスプリンターズS3着は、発馬で行き脚がつかず手綱を押して後方2番手に取り付く。その分、インの経済コースをぴったりと追走してロスのない誘導。4角でも内一頭分が綺麗に空き、そこへ突っ込む。だが、直線の坂下で急にダッシャーゴーゴーに進路をカットされ、手綱を引っ張る大きな不利が。そこから立て直して良い脚を使っただけに、スムーズなら勝ち負けになっていたろう。

レッドスパーダ
初のスプリント戦。発馬後はさすがに快速スプリント勢とは行き脚が違い、自身は気合いを付けて先団へ。2ハロン目でようやく流れに乗る。その後は2番手でぴったりと折り合いに専念。三分三厘でも手応え十分で直線へ。坂下で左手前に替えた時に少し内にモタれが、グンと伸びるも、ゴール前で少し苦しくなって頭が上がったところを差された。上位馬とは斤量の恩恵があったとはいえ、初のスプリント戦でテンに脚を使わされたことを考えればよく頑張っている。上位2頭とは斤量の恩恵があったのは確かだが、本番の阪神スプリントは中山スプリントほどテンが速くならないコース設定。これは心強い。前々走の阪神C2着は、ポンと好発を決めて馬任せでハナを奪う。テンはそれほど速くなくマイペースで行けたが、三分三厘では外からエイシンタイガーら後続に早めに競られて苦しい競馬。それでも、4角では持ったままの手応え。直線で前脚を目一杯に伸ばしたストライドで突き抜け、最後は勝ち馬との競り合いで僅かに屈した。10か月ぶりの競馬を考えれば文句なしの内容だ。綺麗なストライドで本来ならもう少し距離が合ったほうがいいのは間違いない。しかし、前走で中山スプリントを経験して距離への順応が見込めるし、阪神スプリントはそこまでテンは速くならない。テンの脚を温存できれば直線で突き放す芸当も夢ではない。

ワンカラット
前走の阪急杯5着は26㌔増。余裕があったのは間違いない。レースでは太め残りの影響かテンは少し気合いを付けながらの追走。いつもは掛る3,4角でも折り合いはスムーズだった。直線を向き、追い出しを開始すると、前が壁になって手綱を引っ張る大きな不利が。加速し始めたばかりだったので痛かった。その分、直線は追ってジリ脚だった。前々走のスプリンターズS5着は、好発を決めてスッと馬任せでスッと好位へ。馬群のなかに入れ、前に壁を作るが抑え切れないくらいの行きっぷり。気を許せばガツンと行ってしまいそうな気配。タメるだけタメて4角でスパートするも、道中の手応えほど反応は良くない。直線でもジリジリとしか伸びなかった。勝ち時計が速過ぎた。前々走のキーンランドC1着は、好発を決めて馬任せで先団へ。道中は前に壁を作ることができず、少しずつポディションを上げて行く形。4角手前からは持って行かれて外めから先頭に立つ形。チグハグな競馬となり、かなり脚を使ってしまったが、直線でもうひと脚使い押し切った。追って頭が高く、一瞬しか脚を使えない。速い時計決着も不得手だ。前走は太め残りの影響で折り合えたが、馬体が絞れると逆に行きっぷりが良くなって折り合いを欠く危険性がある。前走からの上積みは大きいだろうが、GIではワンパンチ不足気味。

サンダルフォン
大きなフットワークで、大外から上がりの掛るレースを差す競馬を得意とする。阪神スプリントは元々が外差しの決まりづらいコース形態で、GI。よほど上がりの掛る競馬にならないと。

スプリングソング
前走の阪急杯4着は、テンから鞍上が手綱を押して前々へ押して行くも、ハミを取らず手応えが悪い。テンにかなりの脚を使わされてしまった。流れが速かったとはいえ、気性の問題だろう。ようやく3角から行き脚がついて脚をタメることができたが、テンのロスが響いて最後はフワッとして伸びを欠いてしまった。前々走のシルクロードS7着は、スッと3番枠から3番手のインを取る。その週はBコース替わりでインはかなり荒れた馬場。終始、そこを通らされ流れが落ち着いたことで馬込みに包まれた。直線では前が壁になったものの、追って案外だった。3走前のシルクロードS1着は、手綱を押して3番手の外を取りに行く。京都スプリント戦だけにテンから激しい争いにはならず、流れに乗れた。直線を向き、一旦は外からケイアイに交わされるなど追ってジリ脚だったが、ゴール前で粘り腰を発揮して叩き合いを制した。

ショウナンアルバ
トモが弱いために発馬で行き脚がつかず。鞍上は手綱を押してポディションを上げて行くが、下り坂だしこれで馬にスイッチが入ってしまう。3角手前では頭を上げてモロに掛る。気性の悪さは相変わらず。終始、インの経済コースを通れた恩恵は大きく、一瞬の脚で差してきた。トモが弱いためにどうしても頭が高く重心の高い走り。使える脚は限られている。GIスプリントの流れで一瞬の脚を生かせれば。

ビービーガルダン
前走の阪急杯8着は、本来なら先行したかったが、テンから手綱を押してハミを取るように促しても、全く取らず。中団をキープするのがやっとだった。元々が揉まれ弱いだけに直線は馬群に沈んでしまった。前々走の阪神C11着は、中間の動きが今ひとつで本調子ではなかった。レースでは好発を決めて手綱を押して先団へ。しかし、外からレッドスパーダに来られると手綱を抑えてしまい、馬もそれに嫌気がさしてしまい、ズルズルと後退してしまう。テンから流れが落ち着いていただけに、流れに逆らう騎乗。この馬にしてはテンもゆったりとした追走だったし、4角ではまだ中団。直線も狙っていた進路をアーバニティに閉められ、馬込みに包まれて戦意を喪失してしまった。揉まれ弱いだけに余計に応えた。前々走のスプリンターズS10着も、テンに手綱を押して一時は2番手をキープするも、外からドッと来られると手綱を引っ張ってズルズル後退してしまう。その結果、三分三里でびっしりと馬込みに包まれ、4角では馬が首を振って嫌がってしまった。はっきりと言って、鞍上と全く呼吸が合っていなかった。今春の高松宮記念2着では、大外枠から揉まれずにスッと3番手の外めに取り付き、直線も馬場の良い大外から末を伸ばした。ここ数走を見る限り、テンに行けなくなっている。1ハロンの距離短縮は今の気性では歓迎できないし、揉まれるとさっぱりのタイプ。大外枠を引いて揉まれなければ。