中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

中山牝馬S(GⅢ)展望

2011-03-10 23:37:08 | 見解
ブロードストリート
前走の京都牝馬S7着は、道中は発馬直後から手綱を押して行って中団に取り付く。流れが落ち着いた3角手前から馬群のなかで脚をタメる。同じ位置にいた勝ち馬が馬なりのまま直線を迎えたのに対し、同馬は激しく手綱が動き、直線で一気に離されてしまう。直線で手綱を引っ張るシーンがあったのは、狙っていた進路を手応えで上回るストリートスタイルに奪われたから。自身はジリジリとしか脚を使えなかった。マイルでの決め手の差が出てしまった。前々走の愛知杯2着は、5番枠から少し気合いを付けて中団のインを取りに行く。終始、抑え切れないくらいの行きっぷり。インの経済コースを上手く立ち回り、3角から少しずつ加速したが、4角手前で故障馬の煽りを喰らい、急に手応えが怪しくなる。4角から懸命に手綱をしごき、ポッカリと開いたインを突く。最後は勝ち馬との激しい叩き合いの末、僅かに屈した。4走前の府中牝馬S6着は、発馬でトモに重心が掛り、半馬身ほど行き脚がつかず。直後に鮫島Jが手綱を押したためにモロに掛り、道中は頭を上げての追走。終始、インの経済コースを立ち回れたのは良かったが、鞍上と喧嘩してリズムが悪かった。その分、直線を向いて追い出してからジリ脚だった。トモが甘いために追って頭が高い。それが最後のワンパンチ不足に繋がっているし、瞬発力勝負では分が悪い。少しでも上がりの掛る中山は向いているだろう。前走の内容からゆったり走られるコーナー4回の1800㍍も向いている。

ヒカルアマランサス
発馬直後は行き脚がつかず手綱を押しながらの追走。これはいつもどおり。レースの流れが落ち着いたことで馬群から離されずに先頭から6馬身圏内で追走する。ズブいタイプだけに4角の下り坂から手綱を押して少しずつ加速し、直線は馬場の良い大外へ。グングンと大きなフットワークで加速し、一気に先団へ。ラスト1ハロン地点で内からケイアイが膨れてきても怯まない。最後は右手前に替えてグイッともうひと伸び。勝ち馬には届かなかったが、マイルの直線の長いコースで持ち味を存分に発揮した。前々走の愛知杯3着は、発馬でトモに重心が掛り、行き脚がつかない。道中は無理せずに後方でじっくり構えるいつもの形。2角までは余裕十分の手応えだったが、3角手前から手綱が動き、ズブさを見せる。4角ではステッキが入っても、先頭からかなり離れた位置。小倉の短い直線を考えれば万事休したかと思われたが、最後は一完歩毎にグイグイ詰め寄ってきた。昨夏の小回り・札幌で行われたクイーンS8着では、小回りを意識してテンから出して行く積極的な競馬。だが、勝負どころでズブさを見せ、4角でゴチャついて伸びなかった。ズブくて必ず三分三厘で手綱が動くタイプ。小回りでゴチャつくのは良くないし、馬群には突っ込めない。京都外回りは下り坂を利して加速できるし、4角で馬群がバラけるために伸びてこられる。初の中山が向くとは思えない。加速するなら大外回しだろう。流れが速くなるのなら。

アプリコットフィズ
前走の京都牝馬S14着は、栗東滞在だった秋華賞でも下見どころから発汗が激しかっただけに、美浦からの長距離輸送で落ち着きがポイントだった。下見どころでは落ち着き十分に映ったのだが、レースでは逃げ馬不在でスローの流れ。押し出されるように先行し、前に壁を作れずにモロに掛ってしまった。鞍上が制御できなかった。前々走の秋華賞3着は、下見どころから発汗が目立ち、テンションが高かった。レースでは、アグネスワルツが引っ張る淀みない縦長の展開を、道中は好位のインを追走。少しでも気を許せばガツンと行ってしまいそうな気配。その意味では前半から淀みない流れになったことで折り合いは付けやすかったし、スピードの持続力を生かしたい同馬にとっては良かった。インの経済コースで脚をタメられたこと、三分三厘で仕掛けをワンテンポ遅らせたことで最後にひと脚を使うこともできた。道中で舌を出すなどレースへ行って集中力がないし、気性にも課題を残すが、スピードはかなりのもの。瞬発力勝負になりにくく、淀みない流れになりやすい中山1800㍍も良い。イレ込みやすいだけに、近距離輸送もいいだろう。

アグネスワルツ
前走の京都牝馬S10着は、フワッとした発馬から少しづつポディションを上げて行く競馬。他に引っ張る馬がおらず苦手な瞬発力勝負になってしまった。先行馬には辛い馬場になったのも誤算だった。デキも下降線を辿っていたか。前々走のターコイズS2着も発馬でワンテンポ、タイミングが合わず。二の脚でスーッとハナへ立ち、その後は息を入れてスローの逃げに持ち込む。たっぷりと脚をタメて直線を向く。坂上で馬群に飲み込まれそうになるが、そこで踏ん張り2着を確保した。前々走の秋華賞9着は、発馬でやはりトモに重心が掛りそれほど出は良くなかった。そこから少し気合いを付けてハナへ行く。その前のローズS7着で控えて惨敗していることもあって積極的な競馬。向こう正面に入っても、11秒9-11秒8と息を入れずにガンガン飛ばす。さすがに飛ばし過ぎて3角、4角で極端にペースを落とす。直線は見せ場なく馬群に沈んだ。あまりにもペース配分が極端すぎた。大きなフットワークから繰り出すスピード性能はかなりのもので、オークスは実に渋太かった。それを考えれば昨秋からは淡白な内容になっているし、ここ2走は行き脚が鈍くなっている。控えても切れる脚は使えないだけに、ガンガン行くしかない。前走が控えて惨敗しているだけに、ここは積極策か。小回り中山向きとはいえない。

セラフィックロンブ
前走の日経新春杯9着は、発馬直後から手綱をしごいてハナを主張する。この手綱のアクションで、同型のプロヴィナージュ、ビッグウィークがすんなりと控えたために2ハロン目からハナに立つ。終始、折り合いもスムーズでゆったりとした逃げ。向こう正面に差しかかったところで若干ペースが速くなったものの、その後は至極順調な道中。だが、4角の下り坂で早々と手応えが怪しくなると、直線は馬群に沈んでしまった。内側の馬場がかなり傷んでいたし、強敵相手では仕方なかったか。前々走の愛知杯1着は、テンから気合いを付けての先行策。1角からは3番手のインで脚をタメる。勝負どころでも手綱はがっちりと持ったまま。4角でスパートを開始させると、直線は2着馬との叩き合いを制した。安定した先行策で、スローでも対応できるし小回りも対応可能。ここは56㌔と先行馬が揃っただけに展開面で苦しいか。

プロヴィナージュ
エリザベス女王杯を挫石で取り消し、休み明けとなった前走。好発からすんなりと2番手でスローの流れに乗る。3角の上り坂でポディションを上げてきたシャドウゲイトに被される。その後は有力馬に早めに来られて馬群に沈んでしまった。終始、馬場の悪いところを通らされた影響もあったろう。前々走の京都大賞典3着は、ドリームフライトがガンガン飛ばす縦長のハイペースを道中は離れた3番手を追走。あくまでの自分のペースを貫き、ジッと我慢。自身も平均ペースの流れで追走し、道中は脚を使わされた。下り坂でもギリギリまで追い出しを我慢する。直線を向き、ジリジリと脚を伸ばし前のゴールデンメインを交わしたが、決め手に勝る上位2頭に差された。それでも、2400㍍で強敵相手に正攻法の競馬で善戦したのは高く評価できる。追ってジリ脚だけにワンパンチ不足だが、底力を備えた先行力が武器。ひと叩きして攻めの動きは迫力満点。明らかにデキも上向いている。ここは目標にしていたレース。鞍上も前走は、中山牝馬Sを意識したレース運びとコメントしていることから、正攻法の競馬が予想される。勝ちに行く分、いつも以上に末が甘くなるケースは考えられる。

オウケンサクラ
前走のマイルCS16着は、スプリント快速馬ジョーカプチーノが飛ばすハイペースの流れをスッと3番手から積極的な競馬。だが、マイルGIで先行馬総崩れの流れで古馬相手。4角の下り坂で早々と手が動き、直線は馬群に沈んでしまった。前々走の天皇賞・秋4着は、長距離輸送で太かった馬体が絞れた。道中はシルポートが作る淀みない流れを2番手から追走。道中は抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。トビが大きく中距離で気持ち良さそうに走り、存分に脚をタメられた。その分、直線で粘り強い脚で踏ん張れた。トモの蹴りが強く、行き脚は抜群。秋華賞、ローズSの敗因が今ひとつはっきりとしないが、気分良く走れた時の底力は相当ある。1ハロンの距離延長は間違いなくプラス材料だ。久々になるが、中間は坂路で入念に乗り込まれていし、最終追い切りは首を上手く使った力強い走りだった。いきなり万全の態勢だ。

ダイワジャンヌ
前走のAJCC5着は、道中はゆったりとした流れを中団の外目めを追走。終始、勝ち馬をマークする形。向こう正面で一気に流れが速くなり、3角ではペースの緩急に戸惑って手綱が動く。それでも、直線でジワジワと伸びて3着以下と差のない競馬ができた。別定で外々を通らされる形になったことを考えても、上々の内容だった。前々走の中山金杯6着は、スローの流れでスッと好位を取れた。道中の折り合いもスムーズで、ペースの速くなった三分三厘でも余裕十分の手応え。直線が楽しみになる手応えだったが、外からイケドラゴンに被され手綱を引っ張る。ようやく坂を上り切ったところで進路ができて急追したが、届かなかった。最後まで伸びているだけに本当に勿体なかった。ここ2走を見る限り、6歳にして本格化した。攻め馬でも、前脚をピンと張り出し、全身を柔らかく使ったフットワークで好調さが伝わってくる。ここは有力どころとハンデ差が2㌔ある。かなり恵まれた。一瞬の脚を生かせれば。

リビアーモ
前走の京都牝馬S5着は、発馬から行き脚が悪く後方からの競馬。道中も決していい手応えではなかった。スローで馬群が固まり、三分三厘から直線にかけては大外を通らされる。馬場の良いところを通れたのは良かったが、ペースを考えれば位置取りも後ろ過ぎた。直線は一瞬の脚は見せたが、時すでに遅し。自分でレースを作れない弱みが出た。前脚の出が硬く、どうしても発馬で行き脚がつかない。ピッチ走法の割りにズブさもある。そんなに長く脚は使えないが、ズブい
ため広いコース向きの印象がある。ここは流れは向きそうだが。コーナー4回の競馬も久々で。

ディアアレトゥーサ
かなりの底力を持っている。昨秋の秋華賞6着では、縦長の淀みない流れを三分三厘で大外を捲るかなり無理な競馬。前走の福島記念2着でも、正攻法の勝ちに行く競馬。中身は濃い。紫苑S1着では、ハイペースの流れを先行し、直線で外から被されながら底力で差し返した。久々で太め残りが心配だが、通用する力はある。鞍上の内田が焦らずに乗れば。

私的歴代名勝負①

2011-03-08 21:06:48 | 私的歴代名勝負
第30回高松宮記念(GI)芝・1200㍍ 勝ち馬キングヘイロー 2000.3.26

父親と初めて見に行ったGIレースがこのレースでした。

初めてみる中京競馬場の大きさと綺麗な馬場に感動したのを今でも覚えています。

生演奏のGIファンファーレは胸が熱くなって、やばかったです(笑)

あのキングヘイローの大外強襲の脚は迫力満点で、一瞬の出来事でした。

今年で勇退された坂口先生の涙も印象深かったです。

当時(中学2年時)は、スペシャルウィークの走りに魅せられて競馬に熱中し始めた時期。

毎日、中日スポーツの競馬欄をチェックし、週末のレースが待ち遠しい日々を送っていました。

何歳になっても、あの頃の純粋に競馬を楽しんでいた気持ちを大切にしたいものです。




今週の注目馬

2011-03-07 21:49:34 | Weblog
日曜日・中山10R 東風ステークス

プリンセスメモリー
前走の京都牝馬S15着の四位騎手の騎乗にはがっかりさせられた。大外枠発走からなかなか馬群に取り付くことができず、ただ一頭大外を通りながらジワリと内めへ切れ込んでいく。他馬が近寄ると外へ逃げて嫌がる素振りを見せていたし、鞍上が言うように前に壁を作れずに3角では掛り気味だったのは確か。4角でブロードストリートと接触して怯んだにせよ、まだ手応えは十分にあったはずだ。それなのに直線は手綱を少ししごいただけであとは流してフィニッシュ。全く追う素振りを見せなかった。馬券を買っているファンからすれば到底納得できる騎乗ではなかった。ターコイズS4着は中山マイルには不利な大外枠。道中は発馬後の一完歩が遅いために例によって最後方から。2角で大外からジンワリの内へ切れ込む。そこからはインで脚をタメる。三分三厘でもジッと我慢し、鞍上の手綱はピタリとも動かない。直線入口でようやく手綱が緩められると、坂上から凄まじい勢いで馬群の間を縫うように猛追。最後は届かなかったものの、中山で脅威の上がり3ハロン32秒8。超スローの流れを考えればもう少し早めに動くべきだったし、大外枠でロスは相当あった。前々走の秋華賞10着は、オークス以来の実践で16㌔増。小柄なタイプにとっては好材料だった。18番枠発走から発馬後は外へ逃げるような形となり1角までにロスがあった。その後は最後方で折り合いに専念し、脚をタメる。4角でも手応えは良かったものの、少し置かれ気味になる。直線で一瞬の脚を使って見せ場は作ったものの、最後は止まってしまった。ピッチの利いた回転の速いフットワークから繰り出す切れ味は相当なもの。それを生かすにはマイルが最適だ。




弥生賞(GⅡ)回顧

2011-03-06 20:56:36 | 回顧
12.8 - 11.3 - 12.2 - 12.8 - 12.6 - 12.4 - 12.2 - 11.8 - 11.2 - 11.7=2:01.0
(36.3-50.0-34.7)

 距離が不安視されたサダムパテックであったが、見事に克服してみせた。10㌔増は本番を意識しての仕上げもあってのもの。課題の発馬をクリアはできたものの、直後に両サイドと接触し、更には内へ切れ込んできたターゲットマシンに進路をカットされる不利があった。ここで馬にスイッチが入ってもおかしくなかったが、鞍上の岩田Jが手綱を抑えて懸命になだめる。ゴール版前で左手前に替えた時にスピードが乗ってポディションを押し上げたが、掛るほどではなかった。1角からは5番手の外めで折り合いに専念する。鞍上との呼吸はピッタリで、スムーズな誘導。向こう正面中盤では外から掛ったオールアズワンに被されても動じない。三分三厘でも手応え十分で慌てない。直線入口でスパートを開始させると、坂上で右ステッキが2発。ここで内へモタれて右手綱で矯正しながらの追いになったものの、首を水平に使った推進力ある走りで差し切った。まだ他馬に比べると出脚は鈍いが、その後に落ち着いて誘導ができれば距離はこなせることが分かった。しかし、本番の皐月賞は18頭のフルゲート。出脚が鈍くなると、後方からの競馬を強いられる可能性が高い。これでは紛れが起きてもおかしくない。

 レース巧者のプレイが2着に入り、皐月賞への権利を手にした。3番枠からポンと好発を決めるも、手綱を押して無理に行くことなく、馬任せで先団へ。1角では外のターゲットマシンと内のアッパーイーストに行かせて3番手で折り合いに専念させる。自身の1400㍍通過が1分26秒5という超スローで脚は存分に温存できた。3角から少しづつペースアップし、流れが速くなった4角で手綱が動く。直線を向き、鞍上の懸命なアクションに応え、ジリジリと伸びる。坂上で勝ち馬と馬体を併せる形で一旦は後方に下がりかけたが、最後まで諦めない走りで2着を確保した。本来は瞬発力勝負は苦手だが、超スローで脚を存分にタメられたし、急坂の中山もよかった。

 デボネアは本番が楽しみになる内容だった。4番枠から好発を決め、馬任せで中団のインに潜り込む。首を上手く使った迫力あるフォームは大物感を漂わせる。終始、インの経済コースを立ち回りロスのない誘導。三分三厘で前がゴチャつき、手綱は抑えたまま。4角で前のルーズベルトが外へ膨れてできた僅かな隙間を見逃さず、インに突っ込む。直線を向くと、前のアッパーイーストまでもが外へ膨れてインがぽっかりと開く。そこからスルスルと脚を伸ばしてきたが、僅かに劣った。初めて経験する瞬発力勝負の流れに対応できたのは大きな収穫だ。底力勝負を望むタイプだけに本番向き。権利を獲れたのは大きい。

 ショウナンマイティは一週前に破格の時計をマークし、直前の攻めを軽くしたが長距離輸送もあり10㌔減。テンションが高かった。発馬後に外へヨレて道中は無理することなく最後方に控える。課題の折り合いはクリアし、流れが極端に緩んだ向こう正面で馬群の直後に取り付く。3角で手綱を押してスパートを開始させるが、頭が上がりズブさを見せてスピードに乗り切れない。直線入口でも最後方だったが、坂上でエンジンが掛ると、全身をダイナミックに伸ばしたフットワークで一完歩毎にグイグイ伸びる。もう少し直線がなければ一気に差し切れていた。トモが甘く、発馬で行き脚がつかないし、三分三厘でズブい。現状では緩急のある流れより一貫した流れで直線が長いコースが向いている。本番の皐月賞はフルゲートだけに馬群を捌けるかがポイントになる。上がりが極端に掛る流れになれば一発はある。

 アッパーイーストは大きなフットワークで雰囲気を持つ。ここ2走は若さを出して結果を出し切れていなかったが、GⅡのここで能力の一旦を見せた。発馬後の行き脚は今ひとつだったが、スッと左手前に替えてからはスピードが乗り、馬任せで先団へ。1角から掛ったターゲットマシーンに競りかけられても折り合いはスムーズ。超スローで脚は十二分に温存できた。流れが速くなった3角で手綱が動いて一旦は後方に下がりかけたが、4角で盛り返し、直線では一旦先頭に立つ見せ場を作った。そこからもうひと押しがなく競り合いに敗れたが、見どころ十分だった。トビが大きいだけに、リズムよくテンに先行できるかがポイント。現状では緩急のある流れよりは一貫した流れ向き。広い府中のほうが向いている。トモに力が付けば出世できる。

 ギュスターヴクライは、10番枠から大きなフットワークで道中は中団馬群からの追走。馬とのリズムを大事にして慎重に運ぶ。流れが速くなった3角でズブさを見せて手綱が動く。少頭数だけにゴチャつくことなく外めで加速できたのは良かった。直線でエンジンが掛ると、一完歩毎にグイグイ伸びて際どい勝負まで持ち込んだ。まだフットワークがバラバラな印象を受けるし、成長する余地は十分ある。

 ウインバリアシオンは発馬で右にヨレてポディションを悪くしてしまった。その後は後方に控えて折り合いに専念。三分三厘で大外を通って進出するも、4角で内から来られた時に外へ膨れる。ここで鞍上は右手綱を引いてブレーキをする形に。スピードに乗り切れなかったし、直線もジリ脚だった。まだ、手前の替え方が上手ではない。前走のきさらぎ賞も4角を左手前で走って外へ膨れていた。中山の小回りは合わない。

 オールアズワンは発馬直後にサダムパテックと接触。その影響からかゴール版からガツンと掛ってしまう。1角からは極端に流れが落ち着いたこともあり、向こう正面で我慢できずに外めを通って4番手までポディションを上げる。4角までは応戦できたが、直線は馬群に沈んでしまった。ここまでは堅実に走ってきたが、気性の若さを露呈した。スローの流れだけに道中で掛ったことは致命的だった。

 ターゲットマシンはゲート入りを嫌がり、テンションが上がってしまった。デビュー3戦目で競馬に嫌気が差してきた。ガツンとハミを噛んで力んでしまった。精神面のアフターケアが重要。

オーシャンS(GⅢ)回顧

2011-03-06 20:54:12 | 回顧
12.0 - 10.6 - 11.0 - 11.5 - 11.2 - 11.5=1:07.8
(33.6-34.2)

今年緒戦を最高の形でスタートを切ったダッシャーゴーゴー。14㌔増の馬体は本番を見据えても好材料だった。レースではポンと好発を決める。中山スプリントにしては平均ペースの流れを馬任せで好位から追走。道中は抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。流れの緩んだ3角で外めからスパートを開始すると、4角で前を射程圏に入れる。前のレッドスパーダは実力馬だけに渋太かったが、坂を上がったところで左手前に替えてグンとひと伸びして押し切った。久々で58㌔を背負い、自ら勝ちに行って掴んだV。本番での見通しは明るい。

 久々で59㌔を背負ったキンシャサノキセキ。発馬直後から顎をグッと下げる独特のフォームで行き脚がつかず後方からの競馬になってしまう。3角まではインで鞍上が手綱を抑えて折り合いに専念する形。4角で馬群を嫌って外めへ持ち出し、直線も大外。坂下で左手前に替えると、一完歩毎にグイグイ加速。僅かに届かなかったが、落ち着いた流れを後方から差してきた。負けて強しの内容だった。

 3着のレッドスパーダは初のスプリント戦。発馬後はさすがに快速スプリント勢とは行き脚が違い、自身は気合いを付けて先団へ。2ハロン目でようやく流れに乗る。その後は2番手でぴったりと折り合いに専念。三分三厘でも手応え十分で直線へ。坂下で左手前に替えた時に少し内にモタれが、グンと伸びるも、ゴール前で少し苦しくなって頭が上がったところを差された。初のスプリント戦でテンに脚を使わされたことを考えればよく頑張っている。上位2頭とは斤量の恩恵があったのは確かだが、本番の阪神スプリントは中山スプリントほどテンが速くならないコース設定。これは心強い。

 セイコーライコウは3番枠から終始、好位で流れに乗れた。三分三厘では抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。だが、直線は勝ち馬とケイアイアストンが壁になり、進路がない。ここで右手綱を引いてブレーキをする形に。残り1ハロンから外めに持ち出し、一完歩毎にジワジワ伸びた。スムーズに加速できていれば2着はあった内容だった。

 ケイアイアストンは大外枠発走から少し気合いを入れるとすぐに行き脚がつく。少しづつ内の先行馬を見ながら内側に切れ込んでいくが、3角に差しかかったところでコーナーワークに戸惑い、減速する。その後は後ろから少し早めに来られる展開になったし、直線も外から勝ち馬に被されるプレッシャーの多い競馬だったが、大崩れはしなかった。叩いて絞れれば。

 ショウナンアルバはトモが弱いために発馬で行き脚がつかず。鞍上は手綱を押してポディションを上げて行くが、下り坂だしこれで馬にスイッチが入ってしまう。3角手前では頭を上げてモロに掛る。気性の悪さは相変わらず。終始、インの経済コースを通れた恩恵は大きく、一瞬の脚で差してきた。トモが弱いためにどうしても頭が高く重心の高い走り。使える脚は限られている。

 サンダルフォンは大きなフットワークで器用さに欠ける。もう少し上がりの掛るレースを得意とする。中山でもハイペースの外差しが決まる流れならやれる。

 エーシンホワイティは発馬で行き脚がつかず後方からの競馬。その後は折り合いに専念する形で脚をタメる。4角でゴチャついて他馬と接触すると手応えが怪しくなり、狭いところを突破できずジリジリとしか伸びなかった。

 ジェイケイセラヴィは例によってポンと好発を決めるも、前走の敗戦を踏まえ、手綱を抑えて控える。終始、外々を通らされたにしても伸びなかった。馬が硬くなっているか。

チューリップ賞(GⅢ)回顧

2011-03-06 20:51:48 | 回顧
12.5 - 11.3 - 11.7 - 12.2 - 12.4 - 11.7 - 11.1 - 11.6=1:34.5
(35.5-24.6-34.4)

無敗の2歳女王レーヴディソールが今年緒戦を最高の形でスタートさせた。10㌔増も今後を考えれば好材料。課題の発馬を決めて道中は離れた中団馬群の少し後ろを追走。終始、馬任せで無理をさせない誘導。鞍上の手綱はピタリとも動かない。レーヴ自身も全身を柔らかく使った走りで気持ち良さそうに走っている。少頭数ということもあり、4角でスムーズに大外へ誘導する。直線でスッと左手前に替え、鞍上が少し手綱を押して気合いを付けると、大きなフットワークでグーンと加速。他馬とは次元の違う加速力。追えばどこまでも伸びて行きそうなスピード感だった。凄い脚力だ。一戦毎に強くなっている。本番でも間違いなく大外へ持ち出すことになるだろう。縦長のスローになった時に、差し届くか不安視する声もあるだろうが、この馬には関係ない。

 ライステラスは久々でテンションが高かった。ポンと好発を決めるも、内の先行馬の出方を見ながら無理せず控える。しかし、道中ではグッとハミを噛んで力んでスタミナを消耗。4角から直線にかけてスーッと楽な手応えで進出を開始させると、直線は一瞬の脚ですぐに先頭へ並びかける。そこから脚色が一緒になり、伸び切れず2着を確保するのに精一杯だった。叩いて落ち着きが出れば。一瞬の脚は本番へ繋がる。

 メデタシは道中、中団のインで脚を温存。流れの緩んだ3角で前との差を縮める。4角では先頭から4馬身圏内に。直線入口でゴチャつき、進路がなくモタつく。前脚の出が硬くて、完歩が小さいためにジリジリとしか伸びてないが、最後はそこそこの脚で差してきた。

再掲載!!

2011-03-05 19:41:08 | Weblog
今週の予想はお休みです申し訳ございません…

復習の意味で過去の記事を再掲載します。


【調教編】
 私が数あるファクターのなかで重要視しているのが調教である。一般紙面に掲載されているタイムだけでなく、動きや攻め量にも注目している。
 (2007年)の第52回有馬記念(GI)を制したマツリダゴッホも調教では唸るような動きを披露し、天皇賞時とは動きが一変していた。専門紙や一般紙のトラックマンの解説を参考にするのもいいが、そこは大事な自分のお金を投資しているだけに、自分の眼で確かめたいところ。そこでいくつかのポイントを。

【横ではなく縦の比較を】
調教を見る場合、よく出走馬のなかから動きの良かった馬をピックアップする横の比較をしがち。だが、それぞれに個性があり、各馬の特徴を把握し縦の比較を重視すべきである。
 昨秋(2007年)の天皇賞・秋で2着に差し波乱を演出したアグネスアーク。同馬はいつもCWコースで追い切られるが、頭が高く、逆手前のままで下がハミを越し、いわゆる〝攻め駆けしない〟タイプ。天皇賞時の調教だけ見たら、とても狙えるタイプではない。しかし、その前の毎日王冠2着も同様の動きだったことを考えれば、決してマイナス材料にはならないのだ。お世辞にも良い動きとはいえない中にも、前脚の捌きがシャープで、左手前の走りが力強かったなど、評価できるところもあった。好走時の動きと比較することも重要。
 同じく昨秋の天皇賞を制したメイショウサムソン。その後のジャパンCでは3着、有馬記念では8着惨敗に終わっている。敗因の大きなウェートは疲れにある。この秋3走の調教で一番良く見せたのが、天皇賞・秋1着時の10月17日に行われたDW1週前追い切り。併走馬を直線で瞬時に抜き去り、重心が低く、シャープな脚捌きで非の打ち所がなかった。私は有馬記念の調教にも◎を付けたが、今思えば同じ併走馬を抜き去るのに手間取っていたし、好調時に比べて重心が高く何かモタモタしていた。それを見抜けなかったのは痛恨の極み。時計的に大きな違いはないが、動きは違う。これは実際に調教映像を見なければ分からない。

【調教内容の変更には注意を】
 いつもは半マイルの坂路で追い切られていた馬が、いきなり6~5Fのコース追いに替えてきた時には注意が必要。それには太め残り解消や急ピッチな仕上げなど、何かしらの理由がある。
 昨秋の秋華賞でウオッカに先着したレインダンス。その後にエリザベス女王杯の出走を予定していたが、熱発で回避。仕切り直して暮れの鳴尾記念に出走してきた。同馬の調教は、坂路で半マイル52秒後半~53秒台前半で、終い1Fを12秒台後半というのが定番。しかし、鳴尾記念時の調教は2週続けてCWで6ハロンから79秒台を計時。思わず買いたくなるほど、惚れ惚れとする動きだったが、結果は7着惨敗。敗因はイラつきからくる〝道中の力み〟だった。陣営としては、一頓挫あって急ピッチに仕上げるためにもコース追いに変更したのだろうが、長めからビッシリやられたためにレース当日にイレ込んでしまった。攻め強化が決して良い方向に向かうとは限らない。動きだけでなく、調教内容も把握しなければならない一例だ。

【ハミ掛かりをチェック】
 昨秋の秋華賞で人気を集めながら4着に敗れたベッラレイア。最終追い切りでは顎をグッと下げ、ハミを取って集中力に研ぎ澄まされた動きを披露した。絶好の動きで私も本命を打ったのだが、肝心のレースでは発馬直後からハミを噛んで力んでしまい、道中に動くに動けず、最後方待機から直線勝負に賭けるしかなくなってしまったのだ。結果、スローペースの展開に嵌り、差し届かなかった。坂路での最終追いでも、ハミをグッと噛んでいた。デキの良さが裏目に出た形。

【攻め強化はプラス】
 競走馬は短期間で急激に力を付ける。成長期と調教のバランスがマッチしたり、リフレッシュして力を付けたり、痛いところがなくなって攻めが強化できたりと、いろいろ要因が考えられる。その中でも、攻め強化は見逃せない好材料。
 昨夏のスプリント戦線で活躍したアグネスラズベリ。以前は体質が弱く、脚抜きが良く負担の少ないダートコースでしか追い切れなかった。ところが、体質が強化され、力を要するDWコースで一杯に追われるようになってからグングン力を付け、CBC賞2着、函館SS1着、キーンランドC1着と活躍した。負荷の大きいウッドコースで調教できたことで、トモに力が付いた。コース替わりがマイナスに左右することもあれば、プラスに働くこともある。

このように調教ひとつ取っても、かなり奥が深いのが分かる。勿論、攻め強化は大きなプラス材料なのだが、急なコース変更やハミ掛かりをチェックすることで、レースで走る姿がある程度想像できる。各馬の特徴を把握するためにも、調教を見続けて行きたい。

3月3日(木)21時より…

2011-03-02 21:01:03 | Weblog
競馬の師匠であり、 「元競馬研究」本紙記者である最強の男・大谷内泰久さん が3月3日(木)21時より、下記動画サイトにて生放送で重賞予想を行うことになりました!!

ユーストリーム

ニコニコ動画

いずれも視聴は無料で、ユーストリームは登録も不要です!!

大谷内さんのことは、高校時代に最強の男の競馬サイトで知り、当時は無料の重賞予想、レース回顧が更新されていました。それを自身の見解と照合し、勉強していました。これだけ競馬を好きになれたのも大谷内さんのお陰です。「展開の重要性」「調教の見方」「着順に惑わされるのではなく、内容を大切にする」ことを学んだのも大谷内さんからでした。

著書・最強の男の100万馬券は大谷内さんの競馬理論を学べる最高の教科書です。レースをきちんと見て、一頭一頭細かく特徴を把握する重要性を説いています。

また、無料で過去の予想を閲覧することもできます。

あの有名なkeiba@nifty内で毎週月曜日に無料レース回顧も行っています。

競馬をこれから始めようとする方は、Q&Aがお勧めです!

そして、大谷内泰久の最強3連単予想では、大谷内泰久さんのレース予想がご覧頂けます。