広島鉄道模型友の会 公式ブログ

ここでは、活動の様子や会員の作品を紹介します

競作作品の紹介

2017年08月26日 | 会員の作品
競作作品の紹介です。

キャプションについては、本人が作成したものを元に、一部修正を加えております。

第1位
JR西日本キヤ143タイプ 製作者:H山さん



《あらすじ》

『はて、何を作ろうか?』と、悩んでいたところに、山口県から"""某試運転"""の画像が送られてきまして車種が決定しました。
少ない資料をかき集めてCADで図面を描き、某メーカーさんでレーザーカットしていただきました。
恐ろしいほど参考になる寸法がありませんでしたので“勘”を多用しております。また、個体差が見られますが特定するほどの資料がないためタイプ扱いとしています。

《工夫点》

☆ボディ
基本アート紙ですので、ある程度表面がきれいなのですが、少々焼き切った部分の粗がありましたのでサフで整えてあります。
サフ1000→溶剤多め→サフ1600→溶剤多めと4段階、表面でサフを溶かすようにして表面処理を行いました。



☆台車
貧弱な台車は写真を見たところ、TRー62の枕バネがなくなったもののように見えたので、TOMIXの分売を買って色々取っ払って作りました。
密度が低かったのでセラジェット(?)のパイピング等で密度を高めています。



☆感想
レーザーカットされたものが届いたのが8月の頭、大学の試験が8/8までありましたので実質手を動かしたのは10日ほどです。
CADを使ったので楽ちんなように聞こえますが、手元に届いたのは素人が作ったペーパーキット・・・頭を抱えながらの製作となりました。ものは試しと前面の大きな箱は3Dプリンタ出力品に挑戦してみましたが積層痕がかなり目立つので処理にかなり時間を取られました。
初めての事が多く、思った以上に大変な製作でした。

第2位
日本国有鉄道 C63型蒸気機関車 製作者:呉生まれさん



車種に悩んだ末、営業に使われなかった機関車として選びました。(製造もされませんでしたけど・・・) カテゴリー違いでしょうがご容赦を

☆ベース

・C63製作を途中で断念したようなボイラー・キャブ・一段ランボード・デッキ
・宮沢2900台枠
・C58動輪・ロッド類
・メーカー不明のC61(?)用船底テンダ
・C63用デフレクタ・従台車・テンダ台車

ジャンクで入手したこれらを素材に、ほぼ造り替えました。

☆上回り
先ずは余分な半田の除去、ボイラ周りの凹み・歪みの修正、デッキ・ランボードのねじれ修正、ランボード端面を45度に削って薄くし、0.8アングルを貼って二段化、山形部を取り外して切継ぎ給水ポンプ・圧縮機を取付。エアタンクは、宮沢D50用給水加熱器をドリルレース整形・バンド巻き。
給水加熱器は煙突前の大穴を塞ぎ取付。それぞれの部品にはそれなりのパイピングで接続。
デフは曲がりを整えC63に見えるよう取付。

☆下回り
動輪軸距が異なるため台枠の中央車軸分のみ使用、前後軸は塞いで空け直し、傾けたガラス板上を転がるように軸穴幅を微調整(第3軸を線バネ支持)。

・ロッド関係
サイドロッドはC58用を切継可動化、クロスヘッド交換、バルブギアの各所でピン付け替え。

・シリンダブロック
C55用のバルブロッド前後蓋をC58用に交換、絶縁側レジン尻棒。

・従台車
バラして気に入らないところを修正。

・先台車
ジャンク箱から適当なものを探して取付。

・ブレーキテコ
プラ板整形で適当に。

・ギア
宮沢、モーター:F.H.1717。軸距を変更したこともあって走行調整に苦闘(クロスヘッド破損×2回など)

・テンダ
側面の形が異なるため削ってC63っぽく整形、縁取り:帯金貼付。

・上板・前妻面・石炭囲い・取出し口
D51戦時型改装機を参考に作製。配管・配線もそれらしく取付。

・ナンバー
C6234の2を除いて切継ぎ、「C634」とした。下手くそな仕上がりで機関車が気の毒。


第2位
国鉄491系交直流試験電車 製作者:セノハチさん



誰も持ってない車両が欲しい・・・という事でこの形式に決めました。
屋根上と床下は資料が無さ過ぎて想像の産物です、それでも数枚の貴重な写真を見る事が出来たので近い所までは追求できたと思います。。
車体はペーパーでドローソフトで設計して、いさみやの紙にMDプリンターに印刷したものを切り出しました。
屋根上機器は使用できる市販パーツが少ないのでほとんどの機器は自作しました、屋根上配管も含めてコレが一番苦労した点です。
床下は真鍮板で、床下機器は自作と市販パーツの折半です。
動力はエンドウのMPギアシステムで快調な走りを期待しましたが、競作本番でスムーズに走らないと言う失態を犯しました。
塗装はほとんどガイアノーツの塗料を使用してます、屋根上配管も丁寧にマスキングしたので苦労しました。
反省点としてはクハ490の前面窓のHゴムが一回り大きかった事、車体だけ早々に塗ってしまったのでタッチアップだらけになったことです。



第4位
クモヤ90054とクモヤ90105 製作者:F原さん


クモヤ90054

この車両は、モハ72232改造で、広島地区新性能化により品川区より転入。
KSのキットを組立て、正面サボ受(小)は、トレジャータウンのパーツを用いました。
足回りはエンドウ製DT-13に、LN12とMPギアを用いました。

車体色はマッハのぶどう2号で、ライトの点灯・消灯スイッチを付ける予定でしたが時間切れとなりました。転入当時の姿なので、ATS表記はBとSがついています。


クモヤ90105

モハ72684を昭和54年6月15日に幡生工場で改造。
クモヤ1両では寂しいので、ペーパー車体で製作しました。いさみやの方眼紙を使用し、ユニットサッシはサーフェーサーの厚みで表現、窓ガラスは153系製作時に使用したモデル倶楽部のパーツを使用しました。この車両では、屋根上配管工作が存分に楽しめました(笑)
床下機器は、電気側は日光製、空気側はKSやカツミの485用等を用いましたが、コンプレッサーが実車では何処にも見当たらないので悩んでおりましたが、車内にある事で一件落着…
足回りはエンドウ製のDT-20に、LN12とMPギアーを用いました。カプラーはTomixのTNカプラーを用いています。
塗装は、クモヤ90054と同じです。


今では考えられませんが、その昔、夏になる前にあったニュースが『今年の国鉄・私鉄の冷房化率』
広島地区では、115系2000番台登場で一気に冷房化率が上がりましたが、その後は115系0番台後期車をチビチビ冷房改造して冷房化率を上げてきました。
クモヤ90に挟まれた115系モハユニットは、その頃を再現してみました。モデルのモハ114-118+モハ115‐132は、昭和54年12月21日に広島工場で冷房改造されたことになっていますが、実際は日立製作所笠戸工場に外注されていました。
冷房改造を行っていた冬季は、レール交換が多く年休が取れず、満足な記録も出来ませんでしたが、模型化により手元に残す事が出来ました!



第5位
国鉄マヌ34 製作者:K野さん



ワールド工芸製のキットを組んだもので、手元にあるEF13とペアを組ませるために製作しました。


第6位
国鉄EF90試作電気機関車 製作者:西のワムハチさん



種車:Tomix製EF66(ヒサシ付き)

《加工》

・車体は塗装剥離後、パーティングライン除去。フック・吊り環類を金属化

・正面ヒサシを切り落とし整形

・側面点検蓋を埋める
(落成後間もない実車写真を見ると蓋の縁は目立たないので、敢えて本来の位置に表現せず)

・主抵抗器排熱口は枠を削って2分割っぽく加工

・運転室窓ガラスは端の桟を削り移設前の位置にプラ板を接着
 中央は幅を広げ、引き窓は2分割表現とした

・スカートの誘導員ステップは鋼板製なのでスリットを埋めて平滑化

・尾灯掛けは、製品の位置より外側に移設し新製時の姿とした

・パンタは、製品のPS17の上半分をPS16とすり替えて旧型タイプとした。折りたたみ時の固定はネジに変更

・連結器は、天賞堂製の高速化車用連結器加工して使用

・正面飾り帯裏側にネオジム磁石を設け、クイックヘッドマークに対応

《塗装》

・GMねずみ1号で全体塗装後、ガイアのクリーム1号を塗装。マスキング後に、ガイアの青15号を塗装。屋根上は落成時の写真から青色と判断し、手摺や吊り環の濃淡から青一色とした。

・ガラスパーツをコンパウンドで磨いた後、運転室窓と引き窓の桟、連結器上のステップの縁はステンレスのギラつきを再現するために、クロームストライプのデカールを貼り付け、光沢クリアーでパーツごとコートした

・正面飾り帯は全体を黒塗装、中央スリット3本のみマスキングして銀色塗装

・表記類はデカールに貼り付け、最後のガイアカラーの光沢クリアーで全体コート



第7位
JR東日本レール探傷車MFV3 製作者:N井さん



・プラ板によるフルスクラッチですが、強度不足の為に軽量に仕上げています

・動力は吊り掛け式モーターを2個使用しています

・製作期間は3週間です



鉄道ジャーナレ『網双電鉄特集』

2016年09月07日 | 会員の作品
「網双電鉄 E601・ワフ501」の紹介

・はじめに
トラムウェイの新製品予告を眺めていたところ、ED11・ED14をアメリカ型GEボックスキャブ電機とし、輸出用商品の一部をキットにして発売するとの案内が…
そして、ゼブラ塗装のGE11を見ているうちに

『西武鉄道に同型が居るのだし、私鉄仕様にしたらそれらしい車両が出来るかもしれないなぁ』

などと妄想してしまったが運の尽き、めでたくご予約となりました!

さらに…

『貨物輸送を行っているのなら緩急車も要るよね、そうだ西武鉄道のワフを真似た車両もでっち上げよう!』

という“完全な勢い”でこの車両たちは誕生したのでした。

所属は架空の鉄道会社ですので、社名をあれこれ考えた結果“妄想”をもじって“網双”という漢字をあて、ここに『網双電鉄』という社名が誕生しました。
「妄想」電鉄という事で、この鉄道会社のある地域、規模や所有車両などの設定は明確には決めず(と、言いつつも西武鉄道の影響は受けていますが…)、基本的には見る人に任せてしまおうというスタイルです。

『網双電鉄E601』



元は、東源峡谷鉄道(桃源郷のもじり)が輸入したゼネラル・エレクトリック社製の電気機関車である。同社の鉄道事業撤退により網双電鉄へ譲渡され、以降貨物列車牽引を中心に使用されている。
前所有者の事情に合わせた改造が行われた為、汽笛の位置や避雷器が屋根上に存在するなど、外観が新製時とは多少異なる。E601の次回検査期限は昭和59年3月となっているが、同年2月の国鉄ダイヤ改正は貨物列車のヤード集結型輸送が全廃され、貨物営業を廃止した私鉄もあった。



果たして、この車両は生き残れたのだろうか?


模型について。

トラムウェイ製GEボックスキャブ電機(黒塗装、警戒色)キットを加工、組み立てたものです。結論から言いますと、仮組みをするよりも、まずは一旦最後まで組み立ててしまってから加工に入った方がこのキットのクセを把握でき、後で困惑せずに済んだと思いました。



加工箇所は、パンタグラフ、ホイッスル、ワイパーをKATO製へ変更、他はエコーモデルの避雷器、標識灯、エンド銘板、パンタ碍子台を使用してディティール追加した程度です。カプラーはケーディ158番に交換しています。



塗装はガイア:EXホワイト(白帯)→ミスターカラー:暗緑色中島系(車体)→グリーンマックス:ねずみ色1号(屋根)の順で行いました。屋根、下回りには調色した錆色を吹いています。汚れ具合は現役の姿とするべく、屋根上は少々強めに吹きました。黄色い手摺はPOM製ですので、ミッチャクロン→タミヤ:キャメルイエローをスプレー。車体表記は全てMDプリンタで作成しています。

『網双電鉄ワフ501』


 
これまで、網双電鉄では木造ワフが使われてきたが、車両の老朽化が進んだため代替車両を用意する必要性が出てきた。そこで国鉄からワフ22000形数両を譲り受け、小改造のうえで社線内専用車として使用を開始し、木造ワフ全車を置き換えるに至った。

ところがその数年後、拠点間直行型の専用列車が新設されると今度は国鉄と直通可能な緩急車が新たに必要となった。今更自社のワフを復元改造しようにも数に余裕が無く、やむなく国鉄直通貨車を新製する羽目になってしまった。さらに国鉄から非営業車の直通は認められなかった事情から、新製にあたってはS武鉄道が所有、運用するワフ101形を参考にした。
車体長と軸距は今後の車両運用の便宜を図り、国鉄最新鋭の車掌車であるヨ8000形に揃えた。荷重が1トンであるため、ワフと名乗りつつも実態はヨである。



模型について。

エンドウのワフ29500キットを改造しました。設定や加工に関しては吉岡心平氏のブログに、西武のワフに関する記事があるので参考にしています。車体長と軸距をヨ8000に合わせる為、車体は8mm短縮(ちょうど窓一つ分)し、軸距はデッキ側の車輪取り付け位置を外側へ5mmずらしています。
この他にデッキの柱を撤去、貨物ドアはのっぺらに、窓は一段凹んだ部分を削って0.5mmプラ角棒を貼り付けサッシ表現とし、屋根上はベンチレーターひとつにすると、どことなく西武のワフに見えてきます。
テールライトの赤い円板はプラ板をポンチで抜きました。塗装はE601と同じくミスターカラー:暗緑色中島系。車体表記は全てMDプリンタで作成しました。


競作作品の紹介

2016年08月29日 | 会員の作品
今年参加した競作の作品を紹介します。
なお、キャプションは制作した本人の原稿を元に若干の加筆修正を行っております。


第1位
かもめ・みどり 12連 製作者:ダルマ35号さん



1:プロトタイプ
自身が小学6年の夏に乗車した1985年頃の「かもめ」+「みどり」編成。
但し、485系本来の美しい姿を再現する為(手抜きの為?)パンタ撤去前、サロの車販準備室設置前の姿としました。

2:加工ポイント
TOMIX製完成品を加工。屋根・車体の塗装を剥離した後、窓周りの整形(成型の乱れを紙やすりで処理)、パーティングライン等の処理、屋根上の別パーツ類(クーラー、ベンチレーター、ガイシ等機器類)の整形を実施。

屋根上配管の別パーツ(各種線材利用)化。車体の手掛け類の別パーツ化(Ø0.25mm燐青銅線使用)。



クハ481‐300運転台窓ガラスパーツを最新ロット製品のガラスパーツに置き換え(要車体加工)。
クハ481-100→クハ481-0化改造(ヒゲ下の空気取り入れ口変更、床下機器は未施工)。



車体再塗装実施。(GMクリーム4号、赤2号使用)
 
3:苦労した点
 
とにかく12両という数に参りました。両数が多い事によりひとつひとつの作業時間が予想をはるかに超える事態となり、予定通りの進行が出来ませんでした。


第2位
門トス スロ81お座敷 製作者:F原氏




門トスの12系お座敷『海・山』編成が登場する前に活躍していたスロ62改のお座敷列車で、仕事中に臨時列車としてよく見かけたものでした。
Tomixがスロ62やスロ81を最初に発売した時に、これを作ろうとしてお座敷の室内パーツだけを購入し、手を付けぬままいつしか年月だけが流れてしまいました…

2年ほど前にTomixが10系寝台をリニューアル生産した際に、オシ17を新規生産して、これを4両セットの中に入れて発売したので、これがよく売れました。しかし、買った人の多くが『スロは要らない…』と…
そこで、今度こそ門トスのスロ81を作ろうと考え、単品の寝台車とスロを交換し、更にスロフ62を追加して、今回の競作参加となりました。

改造箇所は、各車のトイレ窓の窓埋め、スロの妻面に何故かモールドしてあった手ブレーキハンドルの出っ張りを削る事でした。しかし、いざ妻面を削ってしまうと残ったディテールが気に入らなくなり、結局全て削ってしまい、新たに必要なパーツを取付けました。
スロフの貫通路は、幌を折りたたんだ状態としたかったので、一旦貫通路を車体と同じ材質のABS板で埋めて、再度開け直してからエコー製の貫通幌を取付けました。また、下回りは車軸発電機の増設と、台車のトイレ流し管を増設しています。

室内は、シナ座と定員が異なるので配置も違うのですが、パーツをそのまま塗装し、仕切部分にエコーの襖を貼りました。
窓埋めしたところは、サーフェイサーを吹き下地を整え、ミッチャクロン→室内クリーム→マッハ淡緑→青15号の順に塗装を行いました。そして、Excelでサボと窓の障子を作成し、それぞれ貼り付けています。
妻板の転落防止柵には、エコー製の『窓用手摺セット』にそれらしい形状のものがあったので、これを取付けました。このパーツを見つけた事が、今回の製作動機になったのかもしれません…

客車も完成したことですし、牽引する広島区のゴハチを作らねば…


第3位
国鉄長野局和式客車『白樺』 製作者:セノハチさん



KATOの12系客車の改造です、特にコレと言った特別な事はしてません。

実物がよくわからないので、写真や雑誌の作品を参考に各車窓埋めをしオロはドアを埋めました。標挿しを残したまま削ったので、綺麗に仕上げが出来なかったのは反省点です。

テールマークは寸法が違いますが、KATO製24系の物をはめ込んでます。但し、白樺の絵入りマークは準備できずに白表ですが・・・

一部固定窓になってい るので、サッシを削ってコンパウンドで磨きました。中々綺麗に行かずに満足できる仕上がりではありません。

塗装は黄緑及びアイボリーともGM塗料を使用しましたが、帯を消さずに塗ると剥げてしまいタッチアップで誤魔化してます。屋根と床下はガイアの塗料を使用してます、車輪も踏面はマスキングしてしっかり塗装しました。

車側表示灯はエコーのパーツをどうしても使ってみたく加工して取り付けました。
表記はいつもの自作です、車番は実物では切り文字ですが黒にしてます。



小さいグリーン車マークはボナのインレタ、方向幕はレボリューションファクトリーのシールです。
連結器はすべてIMONの密着自連に交換 してます、無加工で取り付けられるのはさすがですね。ただあの成型色は好みではないので黒で塗装しました。

綺麗な仕上げ、美しい塗装を目指したのですが上手くいかないものですね。


第4位
国鉄EF65 F 製作者:西のワムハチさん



KATO製EF65特急色を、ボナファイデのパーツを用いて加工、再塗装を行ないF型にしました。

ボディは分解後、塗装剥離ののちパーティングライン除去。手すり・フック類や屋上配管、ワイパーを洋白線や市販パーツで金属化。再塗装にあたって、青色とクリーム色はガイア製を無調整で使用。運転台にはタイミング良く発売されたトレジャータウン製のスピーカーを植えてみました。

下回りは台車に車軸発電機や接地装置をプラ棒・洋白線を用いて追加しています。スカートはボナファイデのパーツセットを用いてF型特有の賑やかな連結器まわりを再現しました。ただし、エアホースは重連運用の無くなった後の状態としています。


第5位
旧型客車3連 製作者:てつまろさん



30年ほど前、小学生の夏休みは九州の祖父母の家で過ごすのがお決まりだった。少し古い時刻表がおいてあり、鹿児島泉や日豊線、長崎線にあった長距離の客車ローカルに「乗ってみたい!」と想いをはせた。結局乗れたのは家族旅行で行った湯布院からの帰り、別府→小倉の客車列車1回だけだった…
今回の競作のお題が「プラ車両」なので、少しずつ増備していたKATOやトラムウェイの製品を九州仕様にドレスアップすることにした。当初の計画ではナカセイの10系プラキットを含めての6輌でしたが、諸般の事情で半分の3輌に。限定ナンバーで製作しましたが、インレタを調達できずにすっぴんです。

オハフ45 8(鹿ヤコ)
KATOのスハフ42青を改造。改造箇所は…

1:客ドアの交換(鋼板製→木製):工房ひろのパーツを使用。
2:雨樋の交換:鋼板屋根なので、キャンバス止めを削り、縦樋をφ0.03inchのプラ丸棒、雨 樋を0.4X0.75mmのプラ帯板に交換しました。
3:手すりの交換と、テールライト周りも加工しています。テールライトはケーシングにNゲー ジの銀河パーツの03系用ヘッドライトを使用し、レンズは外周を削ってオリジナルを再利用 しました。窓枠は窓パーツと一体なので、車体色を面相筆で筆塗りしました。

塗装直前に号車札挿しと種別札挿しの位置が違う(車掌室側の札挿しが車端ではなく、客ドア脇にある)ことが判り、あわててエコーのパーツに交換しましたが綺麗に接着できず、これは今後の課題です…



オハ36 97(鹿ヤコ)
トラムウェイのスハ42[布張屋根]がベース。これも分解後…

1:客ドアを工房ひろのパーツに変更
2:窓枠にアルミ色を注す
3:屋根へ半紙をラッカーシンナーで貼り付けたあと、パテで表面を整えて布張屋根を表現。

製品ではドアステップがモールドされていましたが、他車と揃えるため撤去しました。また、室内もクリームの成型色から薄緑色に変えています。

オハフ33 317(鹿ヤコ)
KATOのオハフ33ですが、こちらも…

1:客ドアの交換
2:屋根に半紙を貼り付けて布張り屋根を再現
3:テールライトを真鍮パイプの自作パーツに交換、更に妻のハシゴを真鍮線で作って取付。

実物は号車札挿しが上にオフセットしているのですが、札挿しの付けなおしはオハフ45で懲りたのでそのままです。

3輛とも艶を落としたくたびれた感じを出したかったので、屋根と下回りにつや消しクリアを吹きましたが、希釈の塩梅が判らず所々下回りが白くなってしまいました。


第6位
広ウへ クハ55320 製作者:会長



以前から進めていた、KATO製旧国を加工した『プロジェクトU』の第3弾として、クモハ41とクハ55を切り継いで製作しました。
この車両を選んだ理由としては、クハ55の切妻車でノーシルノーヘッダ車が手元に欲しかった、変形車のクモハ41126と組ませたかった事です。
当時の宇部電車区には、このタイプに該当する車両は、320・324・328の3両が在籍しており、328は正面手摺が多すぎて却下、324は前面警戒色の塗り分けラインが、正面隅柱と乗務員扉との中間でマスキングが面倒なので消去法で決まりました。

切継ぎ方法は、これまでと変わらず客ドアの隅で継いで、継ぎ目を目立たないようにしましたが、仕上げ中にこの部分が割れてしまい、見苦しくなってしまいました。

シルヘッダーの撤去には、電動工具を初めて用いたので、作業そのものは楽に進み、以前作成したクハ55073より、早く加工が終わりました。
車体表面は、サフェーサーの1000番を筆塗し、ペーパーで研磨したのですが、雨樋の下に研磨残しが出来てしまい、仕上げが荒くなってしまいました。

車体を切り継ぐことによって、戸袋窓が一つの扉に重複してしまう個所があるので、該当箇所の窓桟を撤去して、下段上昇窓を移植しましたが、誰にも気付いてもらえず自己満足で終わってしまいました(涙)

塗装は、モリタのぶどう2号、GMの黄色5号を用いて、ベンチレーターは塗装を省略しました。
客ドアには、トレジャータウンの半自動扉のインレタを貼りましたが、引越しのドサクサで以前購入したものが見つからず、慌てて買い直して完成後に見つかったという悲しい歴史が隠されています(笑)

本来は、クモハ40023も並行して製作しておりましたが、こちらの方は窓移植の数が多く期限に間に合いそうになかったので、クハ55のみのエントリーとなりましたが、これもいつかは完成させ、このシリーズを終わらせたいと思っています・・・が、時期は未定です

競作作品の紹介

2015年08月30日 | 会員の作品
今年参加した競作の作品を紹介します。
なお、キャプションは制作した本人の原稿を元に若干の加筆修正を行っております。


第1位
EF5836号機 製作者:ダルマ35号さん



加工点
・車体側窓の増設、大きさ及び位置の変更。乗務員扉の窓を拡大
・運転室窓のHゴム支持に変更(自作)
・BONA製パーツを用いた加工
 エアーフィルター・正面窓Hゴム支持及び庇
・ヘッドマーク掛を自作及びステップ変更
・屋上モニタのサイズおよびモニタ座の変更
・避雷器の移設、パンタの取付位置を変更
・正面端梁の狭小化及びMR管の増設

第2位
日本鐡道Bbt2/5型(鉄道院6600型) 製作者:呉生まれさん


部品表、組立図に加え、ポイントを外した簡素な説明書が添付され、塗装完成後の姿は誌上、ネット上でも見た事が無いため、『走る姿』で完成することを主眼にしました。
足回りは、走行不調の要因と判断した、先輪・動輪・ギアボックスを珊瑚製品に交換、エッチング製の台枠等は、各車輪、イコライザーをスムースに動かすために各所修正。組立済みの仙台車は歪みが酷いので組み直し、先輪を着脱可能とした。
モーターは非力なCN-16を、IMON1616にアダプターを自作し換装。ブレーキ梃はエコ-製に交換。
上回りはキャブ下をすっきり見せるため、キャブ支え板の厚みを0.5mm薄くし、キャブはランボード下からネジで着脱可能とした。スプラッシャー上部とランボードとが重なるようにランボートを欠き取り腰高の印象を薄めたが、やや不細工なのが残念。
エッチングでペラペラの逆転棒・バックプレートは帯材・線材を貼り重ね少し立体的に、諸パーツの取付穴は位置ずれが多く多くの修正を要した。
塗装は、下回りをダンブラック入りの黒で、ボイラ・キャブはロシアンアイアンブルーにしたかったがマスキングの腕が無く断念し、下回り同様の黒とした。煙突のチムニーキャップとシリンダー前蓋は真鍮磨き出しとし、テンダーのウエザーボードはウッドブラウン、バッファ先端部は小豆色で尚且つ可動式とした。

第3位
ED71初期型 製作者:K野氏


数年前に再生産されたアダチ製キットを組立て。キットの内容は37年前に発売された時と同じようで、屋上・側扉・前面各部をディテールアップし、全軸集電化の上、DCC D2126を取付けました。
国鉄D型電機最強出力2040kwのED75を“赤ベコ”とか言っていますが、このED71は猛牛。東北の赤い猛牛をやっとものに出来ました。
2次車もあるのですが、動力装置が違うので重連運転ができません。何とかしなければ…

第3位
国鉄DF93 製作者:F原氏


『♪この~機、何の機、気になる機~』
日立(ひだち…笑)製試作機関車シリーズです。

10年前に購入した夢屋製キットを素組したものです。乗務員ドアがエッチング製で薄く、仕上げが汚くなってしまったのが残念…
手摺は塗装の際の仕上がりを考えて、真鍮パイプを埋め込んで別パーツ化しました。
塗色は、湘南みどり+クリーム色10号、動力装置は夢屋ギアで全軸駆動、モーターはEN-22で集電ブラシにより集電効率を上げ、LEDによるヘッドライト点灯とした。

第5位
EH10 製作者:セノハチさん


カツミ製キットを素組しましたが、意外と簡単に組む事が出来ました。
苦労した点は、屋根上の配管と、塗装の際のシールプライマー地獄で、一旦下地を剥離し再塗装を行っています。

第6位
国鉄DF90 製作者:F原氏


同じく日立製試作機関車で、89年に発売された武里ホビー製キットを組んだものです。前面パーツの合いが悪かったので下部を嵩上げし取付け。20年前にクリーム色の塗装まで行っていた。
乗務員扉手摺パーツと動力はキットに入っていたインサイドギアーとマシマ製のモーターで元から全軸集電となっていました。ヘッドライトはLED化しています。
塗装は、下地はマルチプライマーを使用し、赤色は、南海こうやの赤にキハ58赤を混ぜたもの、クリーム色はクリーム10号に東武セイジクリームを混ぜたものを吹きました。

第7位
石油発動機車 製作者:てつまろさん


実物は、遥か明治の時代に走った石油発動機(焼玉エンジン)を積んだ機関車です。主に、筑後地方の軌道で採用されました。
模型はアルモデル製のキットを組んだものです。可能な限りハンダ付けを試みてみました。正面扉は少し開いた状態を表現し、ブレーキシューを取付けて少しだけディテールアップをしました。
カプラーは実物のイメージに近い、ベーカーカプラーを使ってみました。

第8位
自由形ED31 製作者:シンコーさん


会長が持っていた天賞堂スヌ31キットを見て『そのまま機関車にできる!』と思い、そのキットを譲ってもらい、フリーの機関車として製作しました。
なるべく、スヌ31の姿を生かすように素組したので右側運転台となってしまい、何処かの専用線の機関車という設定です。
パーツや塗料は殆どが手持ちのデットストックを使用し、新規に購入したもので一番高かったのは、仕方なくコンビニで買った瞬間接着剤…(爆)

第9位
自由形 国鉄ED58 製作者:O場氏


ebagで落としたジャンクのフランス国鉄ZDZ-9100をレストアついでに国鉄色に塗り替えたものです。

なお、詳しくはwebにて公開していますので、『国鉄ED58』で検索してみてください!

第10位
EF65 123号機 製作者:西のワムハチさん


ゆうゆうサロン用のEF65です。当初は、後押し機を作る予定でしたが、計画の段階で失敗してしまい、塗替えで済む車両でエントリーしました。
123号機にしたのは、子供の頃に見たインパクトが大きく忘れられなかったからです。
工作に当たって一番手間だったのは側面のロゴデカールを刷るためのデータ作りでした。他には開放テコや屋根上配管を金属製とし、ハンダ付け作業を試みてみました。

第11位
DD51 1043号機 製作者:しみじろうさん


この車両を製作したことで、我が家に居なかった本線用機関車を確保する事が出来ました。
如何に手抜きをするかをテーマに、KATO製完成品に扇風機カバー取付、ナンバー貼り替え、色差しを行いました。
C56、C57が最近になって手に入り、山口線の主役機、サポート機が揃いました。

最も苦労したのは、種車の確保でした…


競作作品の紹介

2014年10月21日 | 会員の作品
今回参加した競作作品を紹介します。



今回は11作品13両が参加しました。

では、1位から順に紹介しましょう!

第1位『広浜鉄道モハ90005』


K野さんの渾身の作品で、車内は勿論床下まで作りこまれた素晴らしい作品です。
そして車内のつり革は車両の動揺に合わせてユラユラ…(笑)



見えない部分まできっちりと作りこまれています。


第2位『下松鉄道キハ301』


セノハチさんが展開する心象鉄道『下松鉄道』の片バケット気動車です。
自作のバケットには冷却水を入れる薬缶まで置かれており、車内もきっちりと作りこまれた作品です。

第3位『熊本電鉄モハ70タイプ』


ダルマ35号さんの作品で、広浜モハ1型のなれの果て、熊本電鉄モハ70型を作品にされました。実車とは微妙に異なる点があるので、実際にはいない『75』にしたとか…

しっかり作りこまれた車内は勿論、2段窓化も美しく再現されております。

同点第3位『自由形郊外電車』


ちょっとハイカラな(?)郊外電車の雰囲気を出せるように…が基本構想で、結局は田舎電車にしか見えないとの本人の弁。
車体は、スマートに見えるようプロトタイプよりも妻面の丸みを強調し、台車間距離を広げるため、屋根を切り離し、妻板・側板のみを使用したそうで、全幅は1mm狭く、全長は2mm延長、台車間も5mm延長したうえ、屋根は木材で自作したうえ、取り外し可能です。



こうして車内を眺めるのもいいですね!


第5位『可部線モハ90』


F原さんの、広浜鉄道モハ1の国鉄買収後の姿を再現した作品です。
この作品も、屋根板を木材から切出して、より自然なカーブを描いた美しい仕上がりとなっております。勿論、車内も表現されており美しい仕上がりとなっています。

第6位『お伊勢の電車』


てつまろさんの作品で、三重交通神都線風の路面電車です。
出入り口は延長してドアと救助網は完全自作の力作です。

第7位『名鉄モ180+ク2161』


O場さんの作品で、キットのもう一つのタイプである『琴急デ1』のその後を再現された作品です。
実車の資料を参考に、屋根をパテで成形し直したそうで、また違った印象を受ける作品です。

第8位『阪急にあこがれて』


しみじろうさんの作品で、初のハンダ付け工作を行ったそうです。
阪急電車をイメージして作ったそうで、破たんのない完成度にこれからの作品が楽しみです。

第9位『貨物電車』


シンコーさんの作品で、ウチに転がっていたパーツを組み合わせて貨物電車に仕上げたそうです。
埋めた窓、増設したドアは簡単に固定してあるそうで、いつでも旅客車に復元できるそうです(笑)

同点第9位『地方私鉄60型』


T中さんの作品で、地方私鉄が部品を寄せ集めて電車化したイメージで作品にしたそうです。
ここには映っていませんが、付随車としてアルモデルの『ガソリンカーA(佐久鉄道キホハニ)』を加工した車両がいて、地方鉄道の凸凹編成を再現されています。

第11位『陰陽連絡を夢見た電車』


会長の作品で、陰陽連絡を夢見た架空の地方鉄道の鋼体化電車で、銚子電鉄モハ201をイメージした作品です。
この作品は妻面を平面に加工し、車内や台枠まで表現した作品でしたが、余りにも目立たない地味~な電車です。

以上が、今回の競作参加作品です。

キットのプロトタイプである『広浜デハ』の移り変わりが模型で見れたのは勿論、同じキットをどう表現するか個性が出た作品だと思います。