広島鉄道模型友の会 公式ブログ

ここでは、活動の様子や会員の作品を紹介します

鉄道ジャーナレ増刊号…『トラムウェイ製タキ35000の下回りを加工する』

2019年03月02日 | 会員の作品
製品化発表があった当時、タンク車好きな私が狂喜乱舞したトラムウェイのタキ35000。

プロポーションがとてもお気に入りだったため、派生形式や改造車が多い実車のごとく“それなりの” 数を導入してしまいました(笑)。

ただし、プラ成形ゆえ、下回りには手を加えたいところがチラホラ…この場をお借りして、備忘録も兼ねて紹介しますので、加工の際の参考になれば幸いです。




今回は台車、カプラー、ブレーキテコ、ステップ、手すりの取替えを行います。

○カプラー取替え
※この加工は少々厄介なので、割愛されても良いかと思います。

台枠の成形上、多少の加工で収まるのは線バネタイプのケーディカプラーぐらいしか無さそうでしたので、ケーディ158番に振り替えます。



カプラーがはまる円柱部はそのままだと太いので、彫刻刀等である程度細くしたあと耐水ペーパーで滑らかに仕上げます。カプラーがはまるようになったらカプラーポケットのフタをネジ留めして、滑らかに首を振るか確かめますが、渋い場合はフタや台枠の開口部を削って調整します。
最終的にカプラー自体の厚みをヤスる時もありますが、それでも多少渋いこともあります。

○手すり取替え
台枠の素材はPOMではなく、線が太めです。金属線に取り替えて強度と見た目を向上させます。



0.4ミリ洋白線を製品の手すりに合わせて曲げてゆきます。解放テコ側の手すりはステーに差し込むため、外側が短めです。



元の手すりを切り取り(解放テコが折れた場合は流し込みタイプで接着します)0.5ミリのドリルで開口、瞬着で固定します。ドリル径が線材よりも太いのは、寸法誤差を吸収することと、瞬着を隙間へ確実に染み込ませる為です。

○ブレーキテコ、ステップ取替え
ブレーキテコ、ステップはそれぞれエコーモデルの661番、660番を使用します。
※ステップは製品のものを黒く塗装すれば取替えの必要がないかもしれません。

取替えにあたって下準備が必要となります。



台枠の裏側、ブレーキテコが取り付けてあった赤丸の部分の突起を削り取ります。
ステップを取り替える場合は青丸の取り付け部も切り取ります。
写真には写っていませんが、反対側も同様に行います。



台枠側面の、「8.テコガイド(ブレーキテコセット説明書より)」を取り付ける部分のチャンネル材モールドを幅1ミリほど削っておきます。ハシゴ取り付け穴と間違えないよう注意します。



吐出管とブレーキ機構が一体成形された部品にはブレーキ引棒の表現もされていますが、帯状で目立つので写真の位置でカットしてしまいます。



写真のような配管部品が付いていますのでこれを取り外し(画鋲等で押すと取れ易い)、写真のように配管の端と、真ん中の取付け足をカットしておきます。



この後接着する「テコ軸受」が台枠の半円モールドと干渉するため、矢印で示した部分を削って平らにしておきます。



ブレーキテコセットのエッチングパーツは2、3、6、8、9を使いますが、「テコ軸受(B、C)」「9.緊解表示板」のノリシロ部分は、製品のままではタンク体に干渉するため半分に切り取ります。更に、テコ軸受のノリシロにはペーパーをかけて瞬着の食いつきを良くしておきます。



台枠に組み立てた「8.テコガイド」を接着し、「テコ軸受」を接着します。ハシゴ取付け穴があるので「2.テコ軸受(B)」はノリシロを90度曲げて接着します。
写真は「6.側ブレーキテコ(C)」を通して各パーツの位置関係を見たところ。テコガイドとテコ軸受がこれ以上離れると、側ブレーキテコが収まりませんね。



「9.緊解表示板」とテコ軸受に真鍮線を通し、台枠との垂直具合を見ながら接着します。
この時、真鍮線はまだ固定しません。



車体内側のテコ軸受を接着します。写真中の②は「2.テコ軸受(B)」、③は「3.テコ軸受(C)」を表します。青い②はノリシロを90度曲げています。
真鍮線にテコ軸受を吊るした状態で接着すると、軸の高さを揃えられます。



台枠に吐出管・ブレーキ機構の部品、配管部品(矢印の部分)を先に取り付け、「6.側ブレーキテコ(C)」と真鍮線を接着します。

○ステップの取替え



ステップは長さを突当から5ミリに加工し、ヤスリでしっかりと整形したあと裏側に真鍮線を接着します。横着をして瞬着を使いましたが、まあ無理な扱いをしなければ大丈夫でしょう…。元のステップがあった位置に穴を開けて接着します。



台車はトミックス製TR41に履き替えました。ボルスターに合わせて枕梁の穴を広げるだけで済みます。元の台車にモールドされていた積空切替弁の表現は、当然ながらトミックス製にはありませんので目をつぶるか、自作または移植して補います。


競作作品の紹介

2018年09月01日 | 会員の作品
1位
『液化塩素タンク車』 製作者:セノハチさん


大好きな貨車という事で、いつにも増して気合を入れて製作しました。
せっかく作るならと液化塩素タンク車の4形式全部、タム2300・タム8500・タキ5400・タキ5450を作りました。
タキ5450の5両は安達のキットを組み立てまたは改造です、同じものを作っても面白くないのですべて違うタイプを作りました。
タム2300も安達のキット、タキ5407は安達のタサ5700キット改造。
タム8500とタキ5403のタンク体はホビーモデルのタンクコンテナ改造、台枠は全て自作です。
タンク体や台枠を作るよりも、ジャッキ受や航送フック等の小物を作るのに苦労しました。
塗装はガイアのサンシャインイエローを使用したところ、全検明けみたいな綺麗な色になり満足です。
表記はいつものMDプリンターで自作しましたが、社紋を作るのに苦労しました。
いや~、タンク車の自作って楽しいですね~♪。

2位
『大東亜決戦列車』 製作者:呉生まれさん


2軸貨車の足回りを様々に改造し、走行性能改造状況を比較できるような編成にするつもりだったが、コスミックのトキ900に手を付け方針変更→大散財!

【改造ベース】
コスミック:トキ900×10
中村精密・KTM:トラ20000×3
ペーパー+STウッド(ほぼ自作):トキ66000、トムフ1

【トキ900】
上回りほぼ素組、補強材のリベット表現、開放テコ追加、4両は台枠幅2mm詰め、アダチスポーク車輪、中梁表現、ホビーブレーキシリンダ、エコーエンドウ用ブレーキシュー等で横からの見え方は一応…

【トラ20000】
トム50000煽り戸上端突起を削り、増炭部上げ底設置、STウッド側板継足

【トキ66000】
ペーパーに細切りSTウッド貼付けの車体、余り真鍮板床板、アダチ軸受(1軸分:エポキシ複製)を3軸可動対応に加工

【トムフ1】
車体・車掌室共に細切りSTウッドを貼付け・組立(支柱・煽り戸補強:エコーリベット帯板)、屋根取外し可、室内表現、足回り:ワールド一段リンク・前後台車を可動(帯金復元:等角縦捻り)

【塗装】
艶消し黒…改造車は、既成部分と改造部分が分かるように濃淡塗り分け、木をベースとした部分はエタノール希釈墨汁による薄墨染(日に晒された木に見えるかな…)
標記部分:濃い墨汁で黒。全体に塗装が褪せた風にウェザリングしたつもり…
下回り他:艶消し黒
標記類:トキは西のワムハチ氏作成、他はモデル8石炭車用を流用
石炭:バラストを木工ボンドで段ボールへ固着、半艶黒塗装し搭載

(謝辞)
標記類を作成頂いた、西のワムハチ氏に深く謝意を表する。


3位
『チキ5200あき亀山工臨スタイル』 製作者:えるがさん


今年の競作のテーマは「貨車」、ということで僕はペアーハンズのチキ5200をチョイスしました。しかし、これがまたトンデモなのでありました…

ボディをエッチング板から切り出して折り曲げ。思ったより簡単に組めました。流すはんだの量はキサゲをしながらだいたい把握出来るようになりました。締結器などを組み立て、隙間を埋めるためにはんだを流しましたが、これを均すのに一苦労。面が多く1日では終わりませんでした。

ペアーハンズさんは割り切りがすごいらしいですが、大事なレール緊締装置が全く違うじゃあありませんか! それにしても割り切りすぎでしょう...。
少しでも似せてみようと思い、まずは試作。2本ある固定具(?)のうち上の方を支柱に固定し、ビスの圧でレールの上下方向を制限する試みます。意外といけるもんで、じゃあ、ということで製品に穴を開けてみました。板厚5mmに穴を開けるのは大変でしたが、金属なら支柱とはんだ付け出来るので安心です。あとは製品が無理くり再現していたバンドを作ればそれっぽく見えるでしょうか。
かまぼこ型の重りを押さえるベルト(?)のようなものを製作し、ベルト部分は帯材を長方形に曲げるのですが、枕木方向の辺を支柱間より少し長めにしておきます。それを片方に寄せて支柱に固定し、余った部分に蓋をして、締め付けるためのギアボックス(?)にしました。

台車に干渉して仕方ないシリーズの側ブレーキ。
説明書では暗に「付けるな」と書いてあるほどのパーツです。散々悩みましたが、テコを支える棒をエコーの帯材で自作し車体から浮かせてみるとあまり干渉しなくなりました。ひょっとして製品のパーツ設計のこんな感じになりました。

標識灯掛けはエコーの尾灯掛けを加工して使用、カプラーはIMONのHO-205、エアホースはエコーです。今回も例によってエアホースは吊り仕様。連結間隔は少し広めです。最初は短い方がカッコいいと謎の先入観でHO-201を選択しましたが、ディテール同士が干渉して色剥げすることを避けるならばこれくらいがベストな気がします。ステップも線材と余りランナーででっち上げ。

緊締装置を支える(回転を抑える?)もの。取り付け脚はw0.8xt0.3の帯材にφ0.4の穴を開けてそれっぽく。本体はφ0.4の真鍮丸線にTOMIXのコードカバー(多分DCフィーダー)を通して再現。

レールはエバーグリーンの断面がI字のもの。束ねるのはφ0.1のポリウレタン銅線で、2本をよってロープみたいにしてみました。また、片方のレールに開けた穴に通してから巻くことで位置を固定しています。

塗装では、緊締装置と工具箱(?)は暖色系なのでピンクサフで整えます。レール固定具はライトブルー、ブルー、グリーンのうち車番と色が把握出来たブルーを選択。個体差なんでしょうかボディはデカールを貼る関係で光沢にせねばならず、ガイアのピュアブラックを使用。隠蔽力も光沢も申し分なし、良い塗料です。緊締装置は黄かん色で塗装。
ボディに標記類を貼っていきます。付属のデカールに欲しい車番がなかったので形式と車番でそれぞれデカールとインレタを使い分けました。検査標記もインレタをひたすら並び変えてます。

緊締装置に墨入れ、ボディに軽く汚しをしたら組み立てていきます。レールはレッドブラウンで塗装し、ウッドブラウン+ブラウンを薄く吹き付けました。いつも使ってる塗料と同じでいいんだな、と思いましたがそもそもレールの鉄粉が巻き上がって錆びてるんだからそれでいいよなと。1人で納得。完成!

びっくりするぐらい大変でした。初めて金属工作するには随分とこってりした内容になりました。ヤフオクにもう1ユニットあったら作ろうなんて考えていましたが、さすがに無理です笑


3位
『なべトロ』 製作者:M田さん


ペアーハンズ製、HOナロー9mmなべトロエッチング板を作成。
走行しやすくなるよう車輪の加工に苦心。

5位
『ワキ8000系』 製作者:ダルマ35号さん



1:プロトタイプ
今年の競作のお題は「貨車」。でも貨車にあんまり思い入れのない自分はネタに困っておりました。
が、よく考えてみると、思い入れのある「荷物列車」にも貨車が入っているではありませんか。
と、いうことで「荷物列車」に連結されている「貨車」であるワキ8000系の製作と相成った次第です。

2:加工ポイント
ホビーモデル製ワキ5000プラキットを加工。ワキ8000はワキ5000との相違点を中心に加工。妻縦樋の自作、表記板の移設、屋上ベンチレーター設置、床下機器の加工及び台車中心間距離の変更(床板の切り刻み)等が加工メニューとなります。
ワサフ8000はワキ8000の加工メニューに加え、車掌室部分の自作(プラ板より)、デッキ部分の工作(手擦り、ハンドブレーキ部分の工作等)を実施。
車体表記は自作したものをクリアデカールにプリントしたものを貼ってあります。
 
3:苦労した点
車体工作も結構手間が掛かってますが、下回りが想像以上に難儀しました。
台車中心間距離の変更もそうですが、正規の車高にする為にはボルスター部分にかなり手を加えなければならず、またワサフに至っては他社製の台車を使う為に取り付け方法にもアタマを使う必要がありました。
 
手頃な価格のワキ5000プラキットがベースの作品ですが、出来上がってみると何とかワキ8000系に化けてくれたようで一安心しました。

6位
『シム19』 製作者:F原さん



昔、委託品に東京モノレールのプラモデルが出品されました。出品者はN○M○氏。
これを見て「モノレールが跨いで輸送する大物者をいずれ作る際の積荷(?)に出来る」と購入。今回の競作になりました。
1958年の日立製、18と19番が作られました。化学プラントの輸送用が本来の用途です、昔下松駅で見たような…
模型はこのタイプではなく、モノレール輸送の車体タイプ、犬山モノレールは笹島まで、読売ランドは南武線の某駅まで輸送され台車をタイヤに履き替えて道路輸送した珍車です。ただし、東京モノレール開業当時平和島車両基地は海上にあり船舶輸送かもしれません。後に鉄道輸送されています。
上面の幅が800mmなのでKSの帯金で簡単に出来ます、側面はただひたすらに糸鋸と格闘。側面に梁が多数ありこれが手間、2枚の写真から作ったのでディテールは適当です。
台車は日立C-1とこれまた珍台車、TR41もアメリカンですがこれは更にアメリカン、それはアメリカのナショナルフレブルアンドスチールキャスティング社との提携品、四国の土佐石灰のホキ5200もこの台車を履いてます。
アメリカ型の台車を流用すれば簡単ですが入手のしやすさからトミーのTR41を加工、元の枕バネを外し台車が接着しにくい材質なので薄いプラ板を軟質プラ用接着剤で貼り、その上にエコーのタッピングビスを半円にしたものを2個接着しコイルスプリングとしました。
積荷のモノレールは上回りを使用、車両全部を貨車に跨せたらレールに着いてしまいます、この方がいかにもモノレールを運んでいるように… 鉄道ファン誌の写真を参考にしました。
開業当時の青の濃淡塗装です、それでシム19、黄色帯を塗りたくなって219にしなかったのではありません…

懐かしのNHKの「宇宙人ピピ」のオープニングを思い出します。
♪ピッピッピー ピッピノピッピ


7位
『タキ16500』 製作者:西のワムハチさん


・加工
トラムウェイ製タキ35000を2両使用して製作しました。
タンク体は2両分を切り継いで延長、台枠は中央部をプラ材で作ったもので置換えます。台車はトミックス製に履替え。
実車はキセ(断熱材)で覆われており、鏡板が凸凹なのでプラストラクト社の楕円ドームを用いてそれっぽく作ります。タンク体の加工がひと段落したらサーフェーサー(黒)をスプレー。

床下のブレーキ関係のパーツはエコーモデル製を使用。
実車のブレーキシリンダーがパーツで販売されていないので、客車用ブレーキシリンダー(№1706)を加工し、元のA制御弁と空気だめのモールドを切り落とし、K制御弁を接着しました。
タンク上部のハッチはコトブキヤ製丸モールドを加工、その他カバー類はプラ板やプラ棒を加工。タンク踏板はエコーモデル製網目板から切出し。

塗装はガイアマルチプライマーを下塗りした後、ブラック(光沢)で塗装。デカール貼付け後艶消しクリアーでコート。

・完成して
実車資料の確保に苦労しました。図面1枚、画像3枚、写真2枚からディテールを調べる事になりましたが、雰囲気は何とか出せたと思います。


8位
『ソユーズ運搬貨車』 製作者:K野さん


グッドスマイルカンパニーから発売されたプラモデルを組立てました、ソユーズロケットと搬送貨車です。色々調べてみましたが形式名はわかりませんでした、日本でいえばシキでしょうか…
ソビエトのロケットは、スプートニク、ボストーク、そしてソユーズと大型化しながら同じ場所で打上げているので工場から発射点までは、最初から貨車で搬送しているのでしょう。
アメリカや日本と燃料が違いソユーズ自体頑丈に出来ているからこそ可能な搬送方法で、ネット上で動画も見られますが結構な速さで走っていきます。
キットの出来は、大人のビックワンガムと言えば理解して頂けるでしょうか? かなりダルい出来ですが製品化されただけでもありがたいです。
スケールは1/150ですが走行については全く考慮されていないディスプレイモデルなので、Bトレショーティーの貨車用走行台車Fにキットの台車から枠だけ切出してネジ止めで取付Nゲージの線路上を出来るよう加工しましたが、やってみると相当面倒でNの他の台車をそのまま取付ける方が楽だったと思います。また、構造上カーブを通過する事は不可能で直線走行のみ可能です。
次はHOで欲しいですね、欧州のメーカーやってくれないでしょうか? 中国製でも構いませんから…


9位
『コキ110タイプ』 製作者:しみじろうさん


・製作の動機
手持ちのコキに載せるコンテナを、どんどん新しいものにしていくうちに、ブルーのコキ106が余剰になりました。そこで、今年の競作ネタとして、いつもながら簡単に、かつ誰ともかぶらんだろう・・・という理由でコキ110タイプを作ることにしました。

・加工
ネットで同じように作った人を探してみると、タミヤのキャメルイエローを使われている方がおられ、自分も採用しました。塗装後は手すりの手ブレーキ側とハンドルを白にしています。

インレタは“くろま屋”さんのものを使用しています。実車が最近の検査でJRFロゴが消えたようで、好都合でした。標記の数字も、コキ110に合わせて変更しています。文章に書くとこれだけ、実際の加工もあっと言う間でした。

・ISOコンテナ
当初は31ftのコンテナを載せてお茶を濁すつもりでしたが、モリタのタンクコンテナの新製品が発売されたこともあり、発売済みのものも加えて、積荷としました。コキよりもコンテナがメインになってしまいましたが、セノハチ様から「コンテナも貨車のうち」とのコメントに救われました。余談ですが、気づけばISOコンテナを既に10個も作っていました…。

9位
『シキ120B』 製作者:かっぱさん


コスミックのキットを素組したものです。

ネットで写真を見た時に、この雰囲気に惹かれ、しかも何より『1両で済む!!』っというのが決め手でした。

アクリル製で、素材色も黒なので、塗装しなくても大丈夫で簡単!! 的な触れ込みでしたが、若干歪んでいる部材があったり、ありがちですが?説明書通りに組むと間違える!とかあって、部品を再取り寄せするなど、時間の無い中で結構焦りました。

さすがに部品の継ぎ目だらけなので、やはりパテ処理は必要でやすりがけをしていると、何度か部品が割れる!という事態が・・(汗)

そしてパテ処理をしたからには、無塗装という訳にはいきませんが、車輪がハメ殺しになるので、組んでからの塗装になると、車輪にも色が入ってしまうので、塗装後に溶剤で車輪だけ拭き取りました。

表記類は一切キットに含まれておらず、デカールを外注するのも面倒だったので、パソコンで白黒反転印刷とか試しました。しかし、小さい文字は潰れて真っ黒になってしまい、最終的に、大きなところで会社名と換算等の表記部分のみ、テプラで白黒反転印刷したものを貼り付けてました。

ツヤ消しクリアーを少し厚めに吹けば表記を含め違和感なく見られる様になりました。

11位
『セフ1』 製作者:てつまろさん



2018年の競作テーマは「貨車」。何を出展しようか悩みましたが、会員手持ちのキットや仕掛りを消化するのが競作の目的の一つでありますので、かなり前に購入したMAXモデルのセラ1石炭列車を計画。目玉は編成両端のセフ1。

セフ1はKSモデルの改造キットを購入して制作スタート。同封されたメモに等しい説明書によれば簡単にできそう。「こりゃ楽勝で、編成組んで、セフはテール点灯というギミックでも仕込むか。」と工作を進めて行きましたが、一筋縄では行きませんでした。
改造キットの車掌室窓のエッチングのバリを修正し、箱に組みます。テール点灯化を考えていますので、屋根は取り外し可能にしました。
車掌室と床も取り外し可能にするため、アングルを着けてM1.4ネジで固定できるようにし、破損しやすいステップは床にしっかり半田付け。車掌室がしっかり組めたので、セラ1の炭庫部をカットし、いざ位置合わせ・・・。と思ったら、なんとステップと台枠周辺のディティールが干渉してセッティングできません。おまけに車掌室下の台枠長も2.5mm足りません。
台枠は車掌室床にチャンネル材を半田付けして再現し、干渉する台枠部は鑢で削って合わせました。ここまで完了したのが締め切り3日前。
調整できたのは2両のうち1両だけ。テール点灯も準備工事に留まりました。
あとは速攻で下地処理を行って、当日朝に黒色を吹き、レタリングと窓ガラス嵌めを行って、なんとか間に合いました。
塗装前にしっかり合うように調整したのに、塗装後再度組んだら炭庫と車掌室の間に隙間ができてしまいました。プラキットに真鍮のパーツを繋ぐのは難しいですね。



鉄道ジャーナレ増刊号『EF67の再生』

2018年03月06日 | 会員の作品
広島の皆さんは、広島駅新幹線口2Fにあった16番レイアウト…覚えていらっしゃいますか?
今や伝説となった(?)『レールショップタブレット』

そして、そこ走っていた車両達の中で、コンテナ列車の殿を務めていたEF67が居た事も…そのEF67を作ったのが、若かりし頃のアタシなんです!



今は、そのレイアウトはおろか店もも無くなり、そこを走っていた車両も某所へ引き取られていったのですが、紆余曲折がありながらも元店長さんの御尽力により、5年前にアタシの元へ帰って来たんです!

そもそものきっかけは元店長の他愛のない冗談で、当時新発売によりモデラーを狂喜乱舞させたKATO製EF65を眺めながら…

『EF67作れんかねぇ?』

と、元店長の冗談を真に受けたアタシが1週間位で作って、一同驚かせたものです(笑)

ただ、実車取材も全くせず勢いだけで作ったのでアレコレ違いますけど、広島界隈で初めて製作されたEF67の模型なので、今も殆ど手直しをしてません。



ところで、アタシにとって更新された今のEF67の色は、どうも好きになれません…
やっぱりこの頃が良かったなぁ…(遠い目)
全検出たての足回りは灰色塗装の筈ですが、ここまで汚れると、模型では塗らなくてもイィやって感じ…(笑)
この割切り感が、棚の肥やしから卒業させる事となりました!



勿論、本務機はコレでしょう!
タンク車ばかりだと逆に寂しいので、気持ちほど有蓋車を現車20両位足して…(爆)



さて、この当時EF67製作はインパクトが強く、この車体を含めて3両製作したと記憶します。

この当時、この車体を含めて3両製作したと記憶します。

2両目は、確かシンコーさまの依頼で車体のみ…

3両目は、JR貨物の方の依頼で動力車として…

散々人ので練習しといて、いざ自分のを作る番になって…

飽きちゃった…



そして出来たのがだったりします(爆)



とりあえず、足回りに車体を乗せただけの状態から、自分好みでパンタグラフをPS-17から、予備品のPS-22に交換します。Soft99のプラサフを吹いて、スライダーは磨き出しています。 屋根上は、もう少し汚して良いかも…

そして、100番台で一番大事な1END側の整備を行います。
t0.3プラ板を接着しステーに見立て、BP管を接着します。
誘導ステップは、KATOの予備パーツが無かったので、たまたま手元にあった天賞堂製のロストパーツを接着しました。
緩衝装置の部分に鑢をかけて、気持ちだけですが後退角を付けて、Tomix製EF62予備パーツの標識灯掛を接着して塗装しておきます。
塗料は、当時使用したMrカラー№82(赤11号)を、『蒲焼のタレ』の如くシンナーを継ぎ足しながら保管していたので、これを使います。



途中で中間台車が崩壊するといったアクシデントに見舞われましたが、直ぐにKATOのオンラインショップを確認したら、幸いにもEF65の中間台車があったので即ポチっ!



タミヤのウェザリングマスターの、『スス』『サビ』『アカサビ』『マッド』を適宜使い分けながら、尚且つブレーキシューに、ガイアエナメルの『黄サビ』を塗ってみました。
鋳鉄シューであれば錆色が目立ってくるので、アクセントになるかと…

エアーフィルターは『スス』をうっすらと、フィルターの縁や庇、水切り、BP管にはガンダムマーカーで墨入れして、メリハリをつけてみました。



最後に、西のワムハチさん特製の『JRマーク』、くろま屋製のインレタを貼って、仕上げにクリアーを吹いたら完成です。



目標としては90年代半ば頃の貨物列車が出来たらなと…

一度は手放したコンテナ車も、少しずつ増やしていこうかなと…

鉄道ジャーナレ第3号『ホキ9400形 コークス粉専用車』

2018年03月04日 | 会員の作品
あれは忘れもしない…何故こんな車両を作ろうと…

それは、KATOのホキ2200の遮熱板がパカッと外せたので、それを外した車体を眺めながら…

『この取付け孔を埋めたら何か作れるぞ…』

と思ったはずなのだが、そうとも言い切れない(汗)

ホキ2200に似ていて、ある程度の加工で作れそうな形式…

ホキ9300がいるではないですか!
そして、次の形式はホキ9500…9400がちょうど空いている!
さぁ、網双…もとい、妄想の始まりです!(爆)

しかし、いざ作り始めると…

『どうせ妄想なら所有者が異なる2両を作っちゃえ!』

と、倍率ドン!更に倍! 2両同時進行と相成りました!


『ホキ9400形 コークス粉専用車』とは

ホキ9300形コークス粉専用車の設計を基に、ホッパ材質を普通鋼から耐候性高張力鋼に変更し、それに伴う自重減と荷重増を実現した車両。
ホキ9400と9401の2両が、昭和50年に2両が製造されました。落成後は先輩形式のホキ9300と共にコークス粉輸送に使用されましたが、試作要素が強く2両で細部が異なる事が災いし、晩年は長期休車を経て、ひっそりと廃車になってしまいました。

ホキ9400 伏木海陸運送所有、伏木駅常備
ホキ9401 日本陸運産業所有、神栖駅常備

『模型について』
KATO製ホキ2200を加工しました。ホッパ部の加工がメインで、他は台車をタキ43000のものに振り替えただけです(加工中の写真をあまり撮っていません…)



製品の遮熱板を外したあと、ホッパの上部をカットして3㎜ほど嵩を下げています。実際に並べると、ホキ2200の通風グリル(?)の一帯がカットされた分、低くなっているのが分かります。



上の継ぎ目の部分にはプラ棒を接着して、このあと接着する側柱の厚みよりも出っ張らせます。
加工の際に除去した通気管のモールドは洋白線と、エコーモデルの締切コック(右向き)で再現しました。

製品のホッパは上下で分割されており、内部にウエイトと妻面の梁(内側2本)がはめ込まれています。この梁のパーツはこの後の加工で分解・塗装ができなくなりますので、前もって黒で塗装しておきます。ホッパには遮熱板を取り付ける凹みや、上下ホッパを固定するツメのはめ込み穴があるのでプラ板やプラ棒で塞ぎます。この後、梁をはめ込んで上下ホッパを組み、分割部分を接着します。接着後はパテやサーフェイサーで平滑化します。隙間埋めにタミヤのイージーサンディング、仕上がりチェックにクレオスのサーフェイサー(黒の缶スプレー版)を使ってみました。




ホッパ側柱は9400がプラ帯板を5本、9401が三角形のプラ棒を4本貼って、形態に変化を付けています。

塗装は黒のみですが、台枠部は殆どのパーツが軟質プラなのでミッチャクロンマルチをスプレーしておきます。塗装後に塗料が剥がれるリスクを少しでも下げたいので、小さいパーツは出来るだけ取り付けておきます。また、この車両は構造が複雑なので塗料の吹き残しが無いよう、ホッパ、ハシゴ、台枠、エアータンク、ブレーキシリンダ、積荷取り出し口を別々に塗装して組み立てました。




完成後、種車のホキ2200と並べてみました。




加工は、塗装変更と全高を下げた程度ですが、思っていたよりも重厚感のあるホッパ車が出来て満足です。



鉄道ジャーナレ第2号『網双電鉄 クモハニ40』

2017年10月04日 | 会員の作品
“プロローグ”

以前E601、ワフ501の記事を書いたあと、ひとまずこれで一旦おしまい!

と、思っていたところ、ある先輩会員から…

『電鉄を名乗ってるんだから電車もないとね!』

回避不可能なご指摘を頂きました。

確かに機関車と貨車だけだと『全国各地によくある(あった)私鉄』らしくないし、やはり旅客車もいないと変だよなぁと思いつつ、機関車と貨車がメインの私は、いまひとつ乗り気ではなく『いつか、そのうち』と持っておりました。

そして『そのうち』は意外にも、すぐやって来ました。

以前から予約をしていた、KATOのクモハ12…の前に再生産されたクモハ40が目に留まり・・・

両運転台なので1両でも“さま”になる
国鉄車両だから少々おかしな改造をしても“さま”になる
KATOのプラ製品なので分解・加工はやりやすそう


天使と悪魔との無制限一本勝負が始まるも、開始早々天使がノックアウト!

ハイ! めでたくお買い上げ~(笑)

製作にあたっては『国鉄から私鉄へ払い下げされた後、使用線区の事情に合わせて改造された車両』と妄想…いや設定としました。

せっかく加工するなら合造車が良いな…

調べてみるとクモハユやクモユニは居ても、クモハニは居なかったみたいです。(私の知識はこのレベルです…)

どうせ、妄想の産物ですから荷物室が併設された車両を作ることとし、形式は『クモハニ40』で決定し、あとはさっさと手を動かすだけ!





『網双電鉄 クモハニ40形01』

国鉄では旧型電車の置き換えが進み、不要となり譲渡されたクモハ40をローカル線区での運用に投入するため、客室の約3分の1を荷物室に改造、本形式が誕生した。

塗装は元のぶどう色はそのままに、シルヘッダーを赤、ドアと窓まわりを白色に変更しました。荷物室ドアは客室ドアと識別しやすいようにぶどう色のままとされ、「荷物室」と大書されている。また、正面貫通ドアは警戒帯として全面が白色塗装されている。
改造後は予定通りローカル線で運用された。荷物室は通常の荷物輸送の傍ら、荷役機械を必要としない重量の事業用品や車両部品輸送にも使われた。雑務を任される機会が多々あり、各駅の貨車をかき集めて回送したり、駅で入換を行う時もあった。旅客運用から離脱後は専ら工臨や車庫での入換に使用されている。

○模型について

カトー製クモハ40を加工しました。主な加工箇所は、

・荷物室ドアはプラ板から製作、元のドアをくり抜いて裏側から貼り付け
 (画像では見えにくいですが客室ドアよりも少し奥まっています)



・車内にプラ板で作った仕切りを設置(椅子に溝を切って差し込んだだけ)


・仕切りの位置にある窓を埋め、ベンチレーターを撤去

荷物室は座席を削り、エバーグリーンのプラシート(バテン)を加工して貼り付け、床面の桟を再現しています。若干桟の間隔が広いですが雰囲気重視です。窓には保護棒を貼り付けました。
床下部分は連結器をイモンカプラーに取替え、タイフォンを運転席の下に取り付けただけです。




車体色はいろいろ悩んだ結果、以前愛用していた靴を参考にしました。どこかで見たような、見てないような塗色です。
シルヘッダー部分を中心に、ガイア:ホワイトで下塗り後、ガイア:ブライトレッドで塗装→シルヘッダーをマスキングゾルでマスキング→ドア、窓まわりをガイア:ホワイトで塗装→マスキングして、全体をモリタ:ぶどう色2号で塗装しました。

パンタ、ベンチレーター、ヘッドライトはGM:ねずみ色1号、屋根はねずみ色1号とクレオス:ジャーマングレーを適当に混ぜたグレーで塗装します。

下まわりはジャーマングレーで塗装、抵抗器をグレーで筆塗りし、全体に錆色を薄く吹きました。他には、モーターから台車へ伸びるシャフトの反射が気になるのでエナメルのフラットブラックを筆塗りしています。






HOを始めた当初は、見たことの無い車両は作らないと言っていた私が、いつの間にか国鉄時代の車両に手を出し、挙句の果てには実在すらしなかった車両を作るようになりました…




模型の神様は腹を抱えて、笑い転げているでしょうね…