よしーの世界

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談志 名跡問答   立川談志

2019-11-23 08:26:05 | 
立川談志はジャズにおけるマイルス・デイビスと同じような立場にいたと思う。落語の古い伝統

を担いながら革新を持ち込んで古典を解体し、その面白さを改めて見せてくれた。一席、一席が

出来の良さと、その時の体調、気分によって変わるのも当たり前で、そこまで入れ込んでいるこ

との証明で、生前ドキュメンタリーとして見てくれと言っていたのも頷ける。テレビに出て人気

だった頃、三平や円鏡は確かにテレビ受けしていた。しかし彼らを見て落語の本当の面白さを知

ることは出来ない。志ん朝が粋だとかうまいとか言われていたが、自分は浅いと感じた。


古典はただうまくとも、その時代を超えたものになっていなくては、感じるものが少ない。談志

によって、トコトン突き詰める作業が必要だ。だから談志を見た後に六代目 三遊亭圓生を見る

と、その芸の深さを実感できる。先日談志と圓生の「死神」を続けて観て、ちょっと感動するく

らいだった。


本書は談志が最後に語った対談集のようだ。体調もすぐれずに弱気になっているところも散見す

る。それだけに言っておかなくてはならない事を出来るだけ言おうとしている所が見受けられる。

文楽、圓生、志ん生のことや、時代を彩った芸人、名人、そして映画まで縦横無尽に語りまくっ

ている。今や空前の落語ブームであるが、立川談志は特別な存在だと改めて思う。


談志 名跡問答    立川談志&福田和也、石原慎太郎、立川談春    扶桑社
コメント
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