見事な構成になっている。第1章で「ジャニーズ事務所」問題を取り上げ、その経緯を時系列に並べ、
メディアに関わって来た自分の実体験も絡め、何が問題だったかを浮かび上がらせている。それから
各テレビ局等が検証番組を放送していたことに触れ、最後にTBSの報道特集で村瀬キャスターの「
私たち記者は、TBSと利害関係がある有力な人物や組織の不正に直面することがあります。そのと
きに私たちがしっかりと役割を果たせるよう取材力を磨いていく努力を続けていきたいと思います」
という決意を取り上げている。
しかし第2章で森永氏の著書「ザイム真理教」がベストセラーになり、スポーツ新聞、タブロイド紙
等々から多数の取材や出演要請があったが、大手新聞社、東京の地上波のテレビからは完全に無視さ
れたことを暴露している。昨日も書いたが「経済的ゆとりない」は6割にもなっているのに、残念な
がら日本の大手新聞社、テレビ局は政府に都合の悪い報道にはタッチしたくないのだ。
第3章「日航123便はなぜ墜落したのか」は以前から同氏がラジオ等で取り上げていたが、本書では
事実関係をキチンと分析し、真実に迫っている。今まで疑問に思ってきたことが非常に明快になり、
改めて政府の対応に対する疑問が浮かんでくる。
著者は日航123便の墜落事故に起因する形で日本が主権を失っていき、アメリカの言いなりになり、
経済の停滞を招いたと主張するが、私は森政権の時代に自民党はじり貧状態に陥り、小泉政権が自
民党を浮上させるために、なりふり構わずアメリカにすり寄ったのだと見る。何しろ自民党には他
にも政権が吹き飛んでしまうようなスキャンダルはあるからだ。大手マスコミが隠蔽に加担してい
る事は沢山ある。本書に書いてあることは1部に過ぎないが、この内容から著者や出版社には圧力
がかかるのは必然で、国民の関心が政治に向かうことを願う。
書いてはいけない 森永卓郎 三五館シンシャ
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