カウンターがら空きなのに
店員さんも促してんのに
結構イイ時間でこれから混み始めるかもよ?
女性ならいざしらす
なのに一人で四人席に行く?
んでラーメン一杯?
バッカじゃねーの?
なんて
赤の他人を
ラーメンすすりながら勝手に腹立てて眺めていた
そうこうする内に彼のラーメンが届く
彼は待つ間にいじっていたスマホを閉じ
いただきますの一礼をして
美味しそうにチェーン店のラーメンを丁寧に食べ始めた
俺は自分を恥
心の中で
先程はひどい事言って申し訳ありませんでした
と謝り
貴方はその席に相応しい人物です
私はただ空腹を満たすためだけにラーメンをすするものです
ひょっとするとつまんなさそうにしてたかもしれません
と
また心の中でかしずいた
どんな環境でも
振る舞い次第で聖域は作れるのだなと思った
なんかいいもん見たな
了