昔・・・
バレンタインデーになると 偶に 素性のわからぬ 見ず知らずの女性に チョコレートをもらう事があった・・・
自慢話をしとるのでは無い 勘違いしないでおくれ・・・
若け~時っちゅうのは 警戒心旺盛で 否 私は長男気質っちゅう事もあり 口に入れるものに敏感っちゅうか
そういう時は 友人が来たのを良いことに まず 毒見(試食)をさせて 感想を聞き それから
口にいれるようにしておった・・・・
友人:「おおっ これは誰に 貰うた? 手作りやん 食べるバイ」
(この友人は かなり女性にもてる存在で チョコは沢山貰っている筈なのだが 何故か今日は偵察に来たらしい)
私 :「いいよ 全部 喰うなよ」
友人、口を牛のようにモグモグして 無言になり
「ン~ 喰ってみい!?」と大きく深呼吸し 部屋の一点を見つめる・・・
私:「何で?」
友人:「よかけん 作者の アンタへの想いが詰まっとるけん!」
おもむろに チョコを一つとりあげ 口の中に放り込んだ
私:友人「ん~ん 乳くせェ!」(友人 私の感想に合わせるように言う)
私:「な、なんぢゃ!こりゃ!?やっぱ これ、誰かがドッキリでも仕掛けたんかね!?」
友人:「失礼な事言うもんぢゃないよ 恐らく アンタへの想いがつのって この子は 自分の
乳を搾り母乳でも入れ込んだんだろう 恐らく ホルスタインの様な ボインちゃんだったろ?」
私:「いや これは 頂けない 申し訳ないが却下だ!」
友人:「そげな 無体な事言うなよ・・・これは アンタへの愛が詰まっとる ミルキーはママの味と
言うではないか・・・」と 神々しく呟く・・・
私:「そうか するってえと 何かい? ミルキーは母乳の味って事なのだな・・・・ なんか わかってきた気がするよ」
友人:「そう!わかってくれたか」
私:「・・・・・」
想像しちゃイカンのだが 作る工程で その子が乳を絞っている所を想像してしもうて
milkチョコレートというと 何故か この珍事を思い出してしまうのであった・・・・
友人は 全部喰って帰ったがね・・・・
しかし 良く喰えるな・・・見ず知らずの人が作ったんだぞ アンタ(友人)の感覚がわかんねェ~
変態なんぢゃないかと・・・
ま~ 私も歳をとると 何でも ウェルカムになっちまって 小さき事は全然 気にしなくなったよ・・・
ジジイになるって事は そういう事さね。
ps 妻にこの一件を話すと 「それは 牛乳入れすぎたんやろ・・・」と
嗚呼 良かった ドッキリぢゃなかったのか・・・
しかし 貰えるだけ 有難い 今にしてみりゃ~「感謝」という重大な
事をそっちのけにしていた 青臭い自分が 情けない・・・