石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

平成23年度予算案と文化芸術の振興

2011-01-04 23:22:17 | 活動レポート
今朝の一便で、米子空港から東京へ帰ってきました。

朝7時10分のフライトだったので、家を出たのは朝6時。まずは空港までの道のりが心配でしたが、何とか無事にたどり着きました。でもまだまだ残雪が多く、ところどころで両側一車線になって行き交う車が交互に通行しないと通れない状態で、いつもの倍近く時間がかかってしまいました。途中の道路にはまだ多くの車が雪の中で放置されていて、あらためて今回の大雪のすごさを実感しました。

さて、今日も平成23年度予算案について解説してみたいと思いますが、今日はちょっと珍しいところで、文化庁の予算案を見てみましょう!

日本は、歴史的にも伝統的にも大変優れた文化・芸術を持っているわけですが、その文化・芸術を振興し、人材を育て、世界に積極的に発信していくという観点において、公的な支援が非常に弱いという指摘がなされていました。特に、この間の社会的予算の削減によって、文化・芸術面への公的支援も年々削られてしまい、現場からは文化・芸術活動の維持・継続が大変厳しい状況だと伝えられてきたところです。

今回の予算案では、『新たな「文化芸術立国」の実現』と銘打って、予算の増額だけでなく、戦略の転換を図って公的な支援を強化する内容になっています。この増額に寄与したのが「元気な日本復活特別枠」での要求で、この特別枠で約133億円が認められたことでトータルの予算増が確保されたわけです。

  【参考:予算案総額】
    文化庁    平成23年度予算額 1,031億円 (対前年比1.1%増)
              うち特別枠  133億円

文化庁予算案の主な柱は:

 1.豊かな文化芸術の創造と人材育成
 2.我が国のかけがえのない文化財の保存・活用・継承等
 3.我が国の優れた文化芸術の発信・国際文化交流の推進

の三つです。この中で「人材育成」については、「文化芸術による次世代人材育成プロジェクト」という新規事業に約57億円を配分し、将来の芸術家を戦略的に育成しつつ、子どもたちの創造力や感性の育成にも力を入れていく計画です。芸術家育成事業の対象は2,500人ですから、これではまだまだ十分ではないかも知れませんが、この施策を今後も継続的に実施することによって、中長期的にいい展開が期待できると思います。

以上の点を含め、今回の文化庁予算案では下記に挙げる『5つの改革』を目指しています。

 (1)文化芸術創造活動に対する支援のあり方
 (2)新進芸術家の人材育成のあり方
 (3)子どもの文化芸術体験事業のあり方
 (4)文化遺産を活かした地域活性化・観光振興のあり方
 (5)文化芸術の国際発信のあり方

例えば、文化芸術創造活動については、これまでどちらかと言えば公演活動の赤字補填になっていたものを、芸術団体などの創造活動面への支援に重点化する仕組みに変更して、適切な受益団体を選ぶためのPDCAサイクル(計画、実行、検証、改善)を確立すること、などが決められています。また、文化遺産を活かした地域活性化・観光振興では、雇用機会の拡大も目標の一つに含め、ソフト面での事業とハード面での事業をパッケージ化して、それぞれの地域のニーズに合わせた効果的な取り組みを支援できるような改革を行っています。

詳細は、文化庁のホームページで確認できますので、興味のある方はぜひ予算の全体像と各事業の概要を確認してみて下さい。

全体の予算が厳しい状況の中で、何とか文化芸術振興予算を確保し、これまでの消極的な姿勢からより積極的な支援策に転換していきたいという民主党の政策実現に向けて、一歩近づくことが出来た予算案ではないかと思います(民主党の政策については下記を参照)。文化芸術振興には中長期的な取り組みが必要ですので、これから更にしっかりした取り組みを行っていかなくてはなりません。

以上、今日は文化芸術振興にかかわる文化庁予算案の紹介でした!


 【参考:民主党INDEX2009】

 ※芸術文化・コミュニケーション教育の充実

芸術文化による社会の活力と創造的な発展を促すための法整備を検討し、演劇、音楽、舞踊、演芸、伝統芸能などの実演芸術の創造、公演、普及、人材育成を促進します。学校施設などの公共施設の活用も推進し、地域住民のニーズや取り組みに応えながら、芸術家・専門家を支援していく地域住民主導型の芸術文化政策を目指します。

また、国際化の中で、多様な価値観を持つ人々と協力、協働できる、創造性豊かな人材を育成するため、コミュニケーション教育拠点の整備とコミュニケーション教育の充実を図ります。

 ※伝統文化の保存・継承・振興

日本の地域風土や歴史から生まれ育った伝統文化は、観光資源として地域経済に寄与するなど、さらなる発展と活用が期待されています。

日本の伝統文化を保存し、さらに新たな文化を創造する基盤を強化するため、文化財の保護、地域の伝統芸能・工芸の継承、教育における体験鑑賞など、伝統文化を保護、育成、振興するための環境整備を行います。