以前このブログでたまにやっていた「今日のニュースから」。久し振りにやってみます。今日は以下の二本の記事。
「『深夜営業強要するな』コンビニ店主の訴え認められず」(asahi.com 2011.12.22)
まずはこれ。某コンビニ大手の店主たちが、深夜営業などの強要をやめるように求めていた訴訟で、東京地裁が店主らの請求を棄却する判決を言い渡したというニュースです。訴状や判決文を読んだわけではないので、正確な判断は出来ませんが、この記事を読んだだけでもいろいろなことを考えさせられますね。
店主たちは、午後11時から午前7時までの深夜営業が「売り上げは少なく強盗の被害に遭う危険がある」と訴えていたとのこと。それに対して裁判長は、「これらがなくなれば「コンビニは便利」というイメージが損なわれる」から、店主にサービスを求めることは違法ではないと述べたとか。
このブログをずっとフォローしていただいている方々は、私が常々「労働の24時間化、365日化」に疑問を呈していることはご承知でしょう。「深夜労働が、労働者の肉体や心身に与える健康上の悪影響」について懸念を持っていることも理由の一つですが、もう一つ大事な理由は、店長を含むそこで働く労働者が、家族と過ごす大切な時間を喪失してしまうことです。
これらの点を考えれば、例えフランチャイズ契約であったとしても、営業時間については店長さんたちの裁量で決めることが許されてしかるべきではないかと。深夜帯の労働者の確保が難しい時などは、店長さんが自ら夜勤を繰り返すことは良くあると聞いています。実態を調べてみなければなりませんが、もし利益が薄い上に危険と隣り合わせで、かつ自分の健康や家族との時間を犠牲にしなければならないとしたら、それは一部の人の「コンビニは便利」を守るにはあまりに大きな犠牲ではないでしょうか?
さて、皆さんのご意見は?
「労働組合員数、47年ぶりに1千万人割れ 厚労省調べ」(asahi.com 2011.12.23)
次に、深刻なニュース。労働組合に加入している労働者の数が1千万人を切ってしまい、組織率も18.4%(岩手、宮城、福島の三県を除く)と昨年から0.1%の減少となったそうです。
厚生労働省は「組合員になる人の割合が高い製造業で働く人が減り、組合のない会社が多いサービス業で働く人が増えたため」と言っているようですが、それはもうここ十数年、言われ続けていること。昨年下げ止まったのに今年また下げたということは、残念ながら、労組による組織化が進んでいないということに尽きると思います。多くの産別が取り組みを強化しているはずなんですが・・・。
こちらに厚生労働省の「平成23年労働組合基礎調査の概況」(.pdf)がありますので、ぜひ読んでみて下さい。
私が注目したいのは、業種別の組合員数。公務部門が、前年比2.2%減になっているんです。組織率低下の原因として上げられた製造業が、前年比で0.9%減に止まっていることから見れば、この公務部門の下げ方は非常に大きいです。
これは恐らく、とりわけ地方における公務部門の人員削減と、外注化、非正規化の影響でしょう。行き過ぎた公務員バッシングが、すでに他の先進国と比しても圧倒的に数の少ない公務員をさらに減少させ、地方における雇用と公共サービスを低下させているわけですね。
この辺も、またじっくりと議論してみたいと思います。