皆さん、こんばんは。
今日は、長野で木青連セミナーがあり、行ってきました。
講師は、中部森林管理局の城土局長。
テーマは、
「森林・林業・木材産業を取り巻く情勢と
今後に取り組むべき諸課題について」
局長は、林務行政を歩いてきた方ですが、
いろんな知識を持ち、また様々な分析をされる方だと、
以前から、挨拶を聞いて思っておりました。
内容を細かく書くと長くなりますので、
ここでは、気になったこと、考えていることを少し。
現政権で閣議決定された新成長戦略~「元気な日本」復活のシナリオ~
21の国家戦略プロジェクトの中に、
「森林・林業再生プラン」というのがあります。
このように国家戦略の中に、森林・林業のことが書かれたのは、
意外にも、初めてで画期的なことだそうです。
また、科学技術アクションプランや、経産省資料など、
様々なところで林業・木材業の事が触れられています。
先月発表された低層公共建築の新築が、
原則木造という指針も出ています。
今、まさに京都議定書もあり、森林・林業・木材を取り巻く環境は、
色々と変わろうとしています。
木はすぐには成長をしません。
現在、戦後植林の人工林は、45~50年の材が中心です。
高齢級の人工林は、50年~でこれから伐採期だという議論もあります。
しかし、建築に使えるいい材がとれる材齢は、
やはり、少なくても60年以上、欲を言えば80年必要のように思います。
たとえば、信州に多いカラマツですが、
若いカラマツはねじれが強く、ヤニが多く、使いにくいとされています。
それが、80年を超えてくると素直な木になり、
「天唐」といい、京都寺院の庫裡で使われる高級材です。
木には、もう少し成長が必要です。
ですので、今は間伐期だと思います。
山を健康に、木が育ちやすい山に手入れすることです。
残念ながら、その山を整備するための林道などの路網は、
環境先進国と言われるドイツの約1/7です。
これでは間伐したくても山には入りにくい。
間伐した材の使いみちがない。という話しもありますが、
現在、火力発電所は二酸化炭素排出量の観点から、
国の指導で、木質バイオマスにしているそうです。
しかし、その木質系燃料は輸入しているとのこと。
林材業の業界は非常に厳しい業界だと言われます。
しかし、この業界にいて思うことは、何か歯車が合えば、
一気にまわる可能性があると思います。
環境分野において、国の戦略にありように、
林業・木材業は重要な産業と位置づけられています。
糸口はあるように思います。
また、アンケートによると、約86%もの一般の方が、
木造住宅に住みたいと思っているようです。
何でもいいから、とにかく何かをやらないと何も変わらない。
局長の話を聞いて、勉強になったと同時に、
少し明るい光が見えたような気がしました。
ありがとうございました。