AKB48の旅

AKB48の旅

"NO FLOWER WITHOUT RAIN" Blu-ray

2013年04月27日 | AKB
"SHOW MUST GO ON"でもそうだったけど、映画館で見た印象とはずいぶん変わるかな。映画館だといろいろ見逃すというか、無意識のうちに見たいところだけを見てしまってるようだけど、こうしてBlu-ray視聴だと、もっとフラットに、隅々まで目配せして見れる感じ。

それでも内容的には、AKBGの一年を振り返る、もの凄く速くてもの凄く濃かった時間の流れの、大まかな振り返りに過ぎない感が強い。これは、既に過ぎ去ってしまった過去。もう終わってしまったことなんだという。

以下、例によって雑多な殴り書き。

前田さんの卒業。昨日の"SWITCH"のインタビューでも思ったことだけど、こうしてファンが神輿を担ぎ上げ、メンバーがその資格を認め、当人にその才があり、何よりその覚悟を示し切ったとき、人が人としての枠組みを超えようとするとき、そこに「神」が現前する、それが日本なんであり、多神教のコスモロジーなんだろうな。

そしてふと思いついたこと。秋元康氏の前田さんへの入れあげは、あれはよく言われる「俺が育てた」以上の思いからなんじゃないか。つまり、前田さんの特異才能は極めてレアなものであり、それは神の気まぐれの如く付与さてはいたけど、誰にも気づかれることなく埋もれていた。それを秋元氏は気づいた。見いだした。言わば神の企みを暴いた。神を出し抜いてやった。

このあたり繰り替えしになるけど、キリスト教の教義は予定律。この世のすべては神の意志なんであり、すべては予め予定されている。けれども愚かな人間は、そんな神の意志を決して知ることはない。ここで言う「神の企み」とは、そういうこと。秋元氏は、前田さんの在り様に、言わば神に勝利する快感を得てたんではないか。もちろん、秋元氏的には、神とのポーカーに勝ったという感覚だろうと思うけど。

さっしーのスキャンダルとHKT移籍。改めてANNのシーンを見て思ったのが、これが秋元氏、一世一代というと大げさだけど、なんかそんな目一杯の誇張表現をしたくなるような大博打だったんじゃないかと言うこと。秋元氏もうまく行くとは思ってなかったけど、さっしーがアイドルとして生き残る術は、これしかなかった。さっしーの才能だけはガチなんで、最後は骨を拾ってやるというか、マジで秋元事務所で引き取るくらいのことは考えてたのかもしれない。

実際、ここに映し出される、さっしー以前のHKTの垢抜けないこと、悪口に聞こえるのを恐れるけど、イモっぽさというか。そして、これは当然とは思うけど、さっしーに対する微妙な拒絶感。こんなムリゲーから、現在のHKTにまで持ってくる、そんなさっしーの手腕にはあらためて舌を巻くしかないし、秋元氏的にも正に大勝利。前田さんが去った後は、秋元氏の楽しみはさっしーなんだろうな。