皆様こんばんは。
本日は有楽町囲碁センターで指導碁を行いました。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。
著書についても、多くの方からご感想を頂き、嬉しかったです。
さて、本日は凄いニュースが発表されましたね。
ワールド碁チャンピオンシップ、開催!
日中韓のトップ棋士1名ずつに、AI(DeepZenGo)を加えたリーグ戦が行われます!
日本からは井山裕太六冠が参戦!
というより、これは明らかに井山六冠の出場が前提の棋戦ですね。
対局場は、井山六冠の地元、日本棋院関西総本部です。
タイトル戦に追われる井山六冠も、これなら全力が発揮できるというものです。
中国も韓国もAIもなぎ倒し、世界一になって貰いましょう!
また、本日は第18回農心杯第9戦が行われました。
韓国チーム最後の砦は、韓国ランキング1位、朴廷桓九段です。
范廷鈺九段の連勝を止められなければ、韓国は第3ラウンド開始までの3か月近く、チームが敗退した状態で待たなければいけません。
大変なプレッシャーのかかった1局でした。
そんな訳で、たまには日本棋士以外の対局もご紹介してみましょう。

1図(実戦黒29)
范九段は、序盤でリードを奪って逃げ切る展開を得意としています。
そうさせないよう、朴九段は細心の注意を払った事でしょう。
范九段が黒△と飛んだ場面です。
次に白Aなら黒Bと進出し、黒も十分に戦えます。

2図(実戦白30~白32)
しかし、実戦は白1、3と、黒を閉じ込めにかかりました!
白の包囲網に薄みはありますが、なかなか黒から手が出せないようです。

3図(実戦黒33~黒39)
黒5までと渡ったのは止むを得ません。
その間に白4までと外勢を築き、絶好点の白6に回りました。
そして黒7のツケに対しては、通常は白AかBと、相手をしますが・・・。

4図(実戦白40~白46)
左辺が大きいので、白1が正しい判断でした。
左辺を大きく広げた上に白7と、黒の最大の財産である、右下の模様を荒らす手順に回っては、白好調です。

5図(実戦黒47~白52)
白2~6までとコウの形にしたのは、捌きの常套手段です。
この白を取られたとしても、コウ立てで他に2手連打できれば十分という、柔軟な考え方です。

6図(実戦黒91~黒93)
その後は難しい駆け引きが続きましたが、この場面がハイライトです。
黒1とコウを解消しました。
白も2と生きを図りますが、そこで黒3!
眼を奪い、白を丸取りに行きました!

7図(実戦黒105)
その後黒△まで、右辺の白は5目中手で死にました。
こうなっては、黒が良く見える方が多いでしょうね。
しかし、実は朴九段の想定内の進行でした。

8図(実戦白106~白108)
白1を打っておいて、白3の逃げ出しが狙いです!
よく見ると、右辺の白を包囲した黒も、生きていません。

9図(実戦黒109~黒115)
そこで黒7までと守りました。
これで黒は、急に捕まる心配は無くなったので、一安心かと思いきや・・・。

10図(実戦白116)
白1とコスまれて、黒△に眼がありません!
かといって、逃げ出して行くのも厳しい道のりです。
右辺の黒も完全ではないだけに、どちらかが捕まってしまう可能性大でしょう。

11図(実戦黒117~白118)
止むを得ず右上を見捨て、黒1と振り替わる作戦を採りました。
とはいえ、白2と取ってはやはり大きく、白の勝ちが決まりました。
朴九段が、范九段の力を封じて完勝しました。
流石の内容です。
第18回農心杯優勝の行方は、2017年2月21日(火)に開幕される第3ラウンドに持ち越されました。
ワールド碁チャンピオンシップの韓国代表はまだ決まっていませんが、順当ならば朴九段が出て来るでしょう。
井山六冠との農心杯第10戦は、その前哨戦になるかもしれません。
楽しみに待ちたいと思います!
本日は有楽町囲碁センターで指導碁を行いました。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。
著書についても、多くの方からご感想を頂き、嬉しかったです。

さて、本日は凄いニュースが発表されましたね。
ワールド碁チャンピオンシップ、開催!
日中韓のトップ棋士1名ずつに、AI(DeepZenGo)を加えたリーグ戦が行われます!
日本からは井山裕太六冠が参戦!
というより、これは明らかに井山六冠の出場が前提の棋戦ですね。
対局場は、井山六冠の地元、日本棋院関西総本部です。
タイトル戦に追われる井山六冠も、これなら全力が発揮できるというものです。
中国も韓国もAIもなぎ倒し、世界一になって貰いましょう!
また、本日は第18回農心杯第9戦が行われました。
韓国チーム最後の砦は、韓国ランキング1位、朴廷桓九段です。
范廷鈺九段の連勝を止められなければ、韓国は第3ラウンド開始までの3か月近く、チームが敗退した状態で待たなければいけません。

大変なプレッシャーのかかった1局でした。
そんな訳で、たまには日本棋士以外の対局もご紹介してみましょう。

1図(実戦黒29)
范九段は、序盤でリードを奪って逃げ切る展開を得意としています。
そうさせないよう、朴九段は細心の注意を払った事でしょう。
范九段が黒△と飛んだ場面です。
次に白Aなら黒Bと進出し、黒も十分に戦えます。

2図(実戦白30~白32)
しかし、実戦は白1、3と、黒を閉じ込めにかかりました!
白の包囲網に薄みはありますが、なかなか黒から手が出せないようです。

3図(実戦黒33~黒39)
黒5までと渡ったのは止むを得ません。
その間に白4までと外勢を築き、絶好点の白6に回りました。
そして黒7のツケに対しては、通常は白AかBと、相手をしますが・・・。

4図(実戦白40~白46)
左辺が大きいので、白1が正しい判断でした。
左辺を大きく広げた上に白7と、黒の最大の財産である、右下の模様を荒らす手順に回っては、白好調です。

5図(実戦黒47~白52)
白2~6までとコウの形にしたのは、捌きの常套手段です。
この白を取られたとしても、コウ立てで他に2手連打できれば十分という、柔軟な考え方です。

6図(実戦黒91~黒93)
その後は難しい駆け引きが続きましたが、この場面がハイライトです。
黒1とコウを解消しました。
白も2と生きを図りますが、そこで黒3!
眼を奪い、白を丸取りに行きました!

7図(実戦黒105)
その後黒△まで、右辺の白は5目中手で死にました。
こうなっては、黒が良く見える方が多いでしょうね。
しかし、実は朴九段の想定内の進行でした。

8図(実戦白106~白108)
白1を打っておいて、白3の逃げ出しが狙いです!
よく見ると、右辺の白を包囲した黒も、生きていません。

9図(実戦黒109~黒115)
そこで黒7までと守りました。
これで黒は、急に捕まる心配は無くなったので、一安心かと思いきや・・・。

10図(実戦白116)
白1とコスまれて、黒△に眼がありません!
かといって、逃げ出して行くのも厳しい道のりです。
右辺の黒も完全ではないだけに、どちらかが捕まってしまう可能性大でしょう。

11図(実戦黒117~白118)
止むを得ず右上を見捨て、黒1と振り替わる作戦を採りました。
とはいえ、白2と取ってはやはり大きく、白の勝ちが決まりました。
朴九段が、范九段の力を封じて完勝しました。
流石の内容です。
第18回農心杯優勝の行方は、2017年2月21日(火)に開幕される第3ラウンドに持ち越されました。
ワールド碁チャンピオンシップの韓国代表はまだ決まっていませんが、順当ならば朴九段が出て来るでしょう。
井山六冠との農心杯第10戦は、その前哨戦になるかもしれません。
楽しみに待ちたいと思います!