(104) ランチュウ
四百字詰原稿用紙換算9枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
長尾秀介(70)スラッとした体形。穏やかな表情に知的さが滲み出ている。大地主。
今子(30)170㎝、髪をひっつめてお団子にした超美人。
真菜(3) 今子の娘

N=ナレーション
夏の日差しが照りつける中規模の公園、セミがミーンミーンと鳴いている。
「ドゴッ」という音と共に大樹が大きく揺れる様を上から俯瞰した絵。
尚も同様の絵で「ドゴッ」「ドゴッ」という音と共に大樹が揺れる。
修一(最近クソ共を殴っちょらんけん・・・)と汗だくで呟き、蹴られ続けて半分えぐれた直径30㎝の木に「ドゴッ」と回し蹴りをくれる。
修一「おおーりゃーっ」と憤怒の形相で横蹴りをくらわし(ストレスでイーーとなりそうじゃ)と呟く。
メキッと倒れる木に背を向け、
修一(マジ、今すぐクズを2、3匹ブチ殺さにゃ気が狂いそうじゃわい・・・)
甚平を着て麦わら帽子を被った長尾秀介(70)と手を繋いだ孫の真菜(3)。麦わら帽子、ランチュウをプリントしたTシャツ、短いスカート、セミ採り網を持っている)が倒れた木を見て驚嘆している。
二人揃って「パチパチ」手を叩く。
修一、振り向く。
長尾「いゃはや、こんな太木を素手で倒すとはあっぱれ・・・」
真菜「すごい、すごい」
慈愛に満ちた表情で真菜の前に片膝をついてTシャツを見つめ、
修一「おっ、ランチュウが好きなん?」
慈愛に満ちた目で孫を見て、
長尾「孫娘の真菜です。お兄ちゃんに何歳か教えてあげなさい」
真菜「(指を三本立て)さんさーい」
真菜の一方の手を取ってかしずき、
修一「真菜ちゃんは何て美人さんなんだ。もうお兄ちゃん一目ぼれ」
修一「大きくなったらお嫁さんになってください」
真菜「(嬉しそうに)いいよ」
真菜「真菜が大きくなるまでまっててくれたらね」
歓喜の涙を流し、
修一「ひ~ん、お兄ちゃん嬉しくて頭の中がわあああっとなりそうー」
苦笑交じりに微笑み、
長尾「ところで君はランチュウに興味があるのかい?」
鼻を膨らませ、威張ったように、
修一「犬と言えばブルドッグ。ネコと言えばエキゾチック。金魚と言えばランチュウでしょう。わかる?」
我が意を得たりと歓喜し、
長尾「おー、わかるとも。わかるとも」
長尾「(鼻高々に)実はランチュウを飼ってるんだけど見に来ないかね」
修一「(少し迷い)・・・この近く?」
長尾、微笑んで頷く。
真菜と手を繋いで歩く長尾を後ろから眺め、
修一(背中に独居老人の哀愁が・・・)
修一(妻に先立たれ六畳一間のぼろアパートで、小さな水槽で飼う貧弱なランチュウと・・・)
修一(週に一回会う孫娘が唯一の生きがいと見た・・・)
空の絵に修一の呟き(結構歩いたけど全然近くないじゃん・・・)
尚も空の絵に修一の驚愕の呟き(え、えええーー・・・)
注、屋敷の回りは広大な畑と林。その遥か向うには住宅やビルが乱立している。
広大な敷地に平屋の豪奢な日本家屋の屋敷の門に入ってゆく二人を後ろから見て驚愕し、
修一(な、なんじゃこりゃ、大名屋敷か・・・?)
驚いてる修一に門の中から振り向き、
長尾「さ、遠慮せずにお入んなさい」
修一「あの、もしかしたら先祖は大名か庄屋さんだった・・・?」と言う修一の手を引っ張り、
真菜「お兄ちゃんはやくー、真菜の金魚をみせてあげるからー」とせがむ。
遠い目で彼方を見て、
長尾「相続税を払うのにかなり手放したが・・・」
長尾「昔はここから視界に入る土地は全てうちのものだったんだ」という絵にN『長尾秀介、70歳。不動産王』
修一、あ然。
庭内を進みながら巨大な航空機用格納庫に気づき、
修一「もしかしたら農薬散布用のセスナの格納庫?・・・」
長尾「いや、飛行機はもってないよ」
修一「じゃ、高価な農機具がずらりと並んでるとか?」
長尾「よかったら見てみるかい?」と格納庫に小さなリモコンを向けてピッと押す。
格納庫の扉がスーッと開く。
中には全てヴィンテージのスタッツ・ブラックホーク。アストンDB5。タッカー。ロールス。ブガッティ等がずらりと並んでおり、大ゴマで各車を舐めるように描く。
放心したようにうっとり見惚れ、
修一「・・・シブい。シブすぎる・・・」
あ然と見惚れ、
修一「一台十億はするコレクター垂涎のヴィンテージカーばかりよくぞこれだけ・・・」
修一「一体どんなけ金持ちなん・・・?」
長尾「私の死後、孫が相続税で土地を切り売りしなくて済むように投機をかねての収集なんだ」
ヴィンテージカーの絵に長尾の声、
「だから私は純粋なコレクターとは言えないんだよ」
注、応接間の縁側の少し前あたりにコンクリート製の畳一畳分の広さの池が約二十あり、それぞれにランチュウが泳いでいる。
屈んで池を見た修一が「ひええええーっ!」と驚愕した絵を上から俯瞰した絵。
立派なランチュウを見て、
修一「色も形も肉瘤の盛りも完璧。ひょっとしたら大関とか・・・?」
嬉しそうに、
長尾「当たり!よく分かったねえ」
ランチュウのアップに修一と長尾の声、
「前から不思議だったんだけど、なぜ金魚には横綱がいないのかな?」
「それはだね、完璧な金魚など存在しないという謙虚な考えから大関が最上位とされてるからなんだよ」
尚もランチュウのアップに長尾の声、
「ただし三回大関を取ったら横綱に認定される決まりになってて、ここにいるのはすべて横綱ばかりだよ」
屈んでランチュウの背を撫で、
真菜「これ真菜の金魚で横綱なんだよ」
修一「おおお、真菜ちゃんは横綱のオーナーなんだ、羨ましいなー」
長閑な周りの風景の絵。
今子がお盆に麦茶のグラスを2つ乗せて応接間に入って来る。
今子のスカートの中を下から煽って描いた絵。
注、ひっつめ髪の超美人。170㎝、ノーブラでノースリーブ、膝丈のスカート。顔は見えず、ノーパンのようだが影ではっきりしない。
麦わら帽子を被って縁側の近くに屈んで後頭部しか見えない修一を義父だと思い込んでる彼女は大きな座卓の横に片膝をついてお盆を置きながら、修一の背に向かって、
今子「お義父さま、冷たい麦茶をどうぞ」
修一がゆっくり振り向く(まだ顔は見えない)。
振り向いた修一、顎が外れそうな程驚愕する。
片膝をつき、もう一方の足をがばっと開いてノーパンの性器(陰毛)をむき出しにした今子が人違いに気付いて驚愕してるのを大ゴマで描く。
つづく
四百字詰原稿用紙換算9枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
長尾秀介(70)スラッとした体形。穏やかな表情に知的さが滲み出ている。大地主。
今子(30)170㎝、髪をひっつめてお団子にした超美人。
真菜(3) 今子の娘

N=ナレーション
夏の日差しが照りつける中規模の公園、セミがミーンミーンと鳴いている。
「ドゴッ」という音と共に大樹が大きく揺れる様を上から俯瞰した絵。
尚も同様の絵で「ドゴッ」「ドゴッ」という音と共に大樹が揺れる。
修一(最近クソ共を殴っちょらんけん・・・)と汗だくで呟き、蹴られ続けて半分えぐれた直径30㎝の木に「ドゴッ」と回し蹴りをくれる。
修一「おおーりゃーっ」と憤怒の形相で横蹴りをくらわし(ストレスでイーーとなりそうじゃ)と呟く。
メキッと倒れる木に背を向け、
修一(マジ、今すぐクズを2、3匹ブチ殺さにゃ気が狂いそうじゃわい・・・)
甚平を着て麦わら帽子を被った長尾秀介(70)と手を繋いだ孫の真菜(3)。麦わら帽子、ランチュウをプリントしたTシャツ、短いスカート、セミ採り網を持っている)が倒れた木を見て驚嘆している。
二人揃って「パチパチ」手を叩く。
修一、振り向く。
長尾「いゃはや、こんな太木を素手で倒すとはあっぱれ・・・」
真菜「すごい、すごい」
慈愛に満ちた表情で真菜の前に片膝をついてTシャツを見つめ、
修一「おっ、ランチュウが好きなん?」
慈愛に満ちた目で孫を見て、
長尾「孫娘の真菜です。お兄ちゃんに何歳か教えてあげなさい」
真菜「(指を三本立て)さんさーい」
真菜の一方の手を取ってかしずき、
修一「真菜ちゃんは何て美人さんなんだ。もうお兄ちゃん一目ぼれ」
修一「大きくなったらお嫁さんになってください」
真菜「(嬉しそうに)いいよ」
真菜「真菜が大きくなるまでまっててくれたらね」
歓喜の涙を流し、
修一「ひ~ん、お兄ちゃん嬉しくて頭の中がわあああっとなりそうー」
苦笑交じりに微笑み、
長尾「ところで君はランチュウに興味があるのかい?」
鼻を膨らませ、威張ったように、
修一「犬と言えばブルドッグ。ネコと言えばエキゾチック。金魚と言えばランチュウでしょう。わかる?」
我が意を得たりと歓喜し、
長尾「おー、わかるとも。わかるとも」
長尾「(鼻高々に)実はランチュウを飼ってるんだけど見に来ないかね」
修一「(少し迷い)・・・この近く?」
長尾、微笑んで頷く。
真菜と手を繋いで歩く長尾を後ろから眺め、
修一(背中に独居老人の哀愁が・・・)
修一(妻に先立たれ六畳一間のぼろアパートで、小さな水槽で飼う貧弱なランチュウと・・・)
修一(週に一回会う孫娘が唯一の生きがいと見た・・・)
空の絵に修一の呟き(結構歩いたけど全然近くないじゃん・・・)
尚も空の絵に修一の驚愕の呟き(え、えええーー・・・)
注、屋敷の回りは広大な畑と林。その遥か向うには住宅やビルが乱立している。
広大な敷地に平屋の豪奢な日本家屋の屋敷の門に入ってゆく二人を後ろから見て驚愕し、
修一(な、なんじゃこりゃ、大名屋敷か・・・?)
驚いてる修一に門の中から振り向き、
長尾「さ、遠慮せずにお入んなさい」
修一「あの、もしかしたら先祖は大名か庄屋さんだった・・・?」と言う修一の手を引っ張り、
真菜「お兄ちゃんはやくー、真菜の金魚をみせてあげるからー」とせがむ。
遠い目で彼方を見て、
長尾「相続税を払うのにかなり手放したが・・・」
長尾「昔はここから視界に入る土地は全てうちのものだったんだ」という絵にN『長尾秀介、70歳。不動産王』
修一、あ然。
庭内を進みながら巨大な航空機用格納庫に気づき、
修一「もしかしたら農薬散布用のセスナの格納庫?・・・」
長尾「いや、飛行機はもってないよ」
修一「じゃ、高価な農機具がずらりと並んでるとか?」
長尾「よかったら見てみるかい?」と格納庫に小さなリモコンを向けてピッと押す。
格納庫の扉がスーッと開く。
中には全てヴィンテージのスタッツ・ブラックホーク。アストンDB5。タッカー。ロールス。ブガッティ等がずらりと並んでおり、大ゴマで各車を舐めるように描く。
放心したようにうっとり見惚れ、
修一「・・・シブい。シブすぎる・・・」
あ然と見惚れ、
修一「一台十億はするコレクター垂涎のヴィンテージカーばかりよくぞこれだけ・・・」
修一「一体どんなけ金持ちなん・・・?」
長尾「私の死後、孫が相続税で土地を切り売りしなくて済むように投機をかねての収集なんだ」
ヴィンテージカーの絵に長尾の声、
「だから私は純粋なコレクターとは言えないんだよ」
注、応接間の縁側の少し前あたりにコンクリート製の畳一畳分の広さの池が約二十あり、それぞれにランチュウが泳いでいる。
屈んで池を見た修一が「ひええええーっ!」と驚愕した絵を上から俯瞰した絵。
立派なランチュウを見て、
修一「色も形も肉瘤の盛りも完璧。ひょっとしたら大関とか・・・?」
嬉しそうに、
長尾「当たり!よく分かったねえ」
ランチュウのアップに修一と長尾の声、
「前から不思議だったんだけど、なぜ金魚には横綱がいないのかな?」
「それはだね、完璧な金魚など存在しないという謙虚な考えから大関が最上位とされてるからなんだよ」
尚もランチュウのアップに長尾の声、
「ただし三回大関を取ったら横綱に認定される決まりになってて、ここにいるのはすべて横綱ばかりだよ」
屈んでランチュウの背を撫で、
真菜「これ真菜の金魚で横綱なんだよ」
修一「おおお、真菜ちゃんは横綱のオーナーなんだ、羨ましいなー」
長閑な周りの風景の絵。
今子がお盆に麦茶のグラスを2つ乗せて応接間に入って来る。
今子のスカートの中を下から煽って描いた絵。
注、ひっつめ髪の超美人。170㎝、ノーブラでノースリーブ、膝丈のスカート。顔は見えず、ノーパンのようだが影ではっきりしない。
麦わら帽子を被って縁側の近くに屈んで後頭部しか見えない修一を義父だと思い込んでる彼女は大きな座卓の横に片膝をついてお盆を置きながら、修一の背に向かって、
今子「お義父さま、冷たい麦茶をどうぞ」
修一がゆっくり振り向く(まだ顔は見えない)。
振り向いた修一、顎が外れそうな程驚愕する。
片膝をつき、もう一方の足をがばっと開いてノーパンの性器(陰毛)をむき出しにした今子が人違いに気付いて驚愕してるのを大ゴマで描く。
つづく