数社でボツになった漫画シナリオ

超美少年の愛(性同一性障害)は修一に恋していたが、ある切っ掛けを機に超美少女に変身して修一と・・・。

愛がイク(228)  玲子の災難

2022-08-29 12:27:55 | 漫画のシナリオ
(228)玲子の災難

四百字詰原稿用紙換算11枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあります。季節の設定は常に真夏である。

登場人物

須藤良子(12。小6)
170㎝。髪をポニーテールに結んだ目を瞠るような美人。165話から登場。

須藤志保(35)
170㎝。良子の母。目を瞠るような清楚な美人。

玲子(35)
志保の友人。ちょっとくずれた感じの気のよさそうな美人。職業はホステス。修一と同じマンションの二階に住む。

N=ナレーション


   快晴。修一宅外観にN『土曜日の午前――』

   ドアにフックをかませて全開にしてある絵。

   同、室内

   上半身裸、トランクス姿の修一、机の椅子に掛けウォークマンの画面をスクロールし曲を探している。

   『ローリングストーンズ。スタート・ミー・アップ』と表示した画面のアップに声「今日の朝一発はこれに決定。気分が高揚するけんね」

   コードつきのブルーツゥースイヤホンを耳にさそうとした時に玄関から「お兄ちゃん、いるー?」と声がした。

   椅子に掛けたまま後ろに反って玄関の方を見て「おお、良子ちゃん、あがりんさい」と言うのを玄関側からの視点で描いた絵。

   Tシャツ、尻がはみ出る短パン、スニーカーの良子がドアの方に向かって靴を脱ぎながら「おじゃまします」と言う。

   室内に入りかけて流しに朝食後(丸皿、コーヒーカップ、グラス、箸等)の食器が置いたままになってるのを目にする。

   水をジャーっと出しながら食器を洗ってる良子を室内から見て、
修一「ああ、すぐ片付けるけん洗わんでもええんよ」

   スポンジで食器を洗いながら、
良子「はーい、でもこんなのすぐだから」

   椅子に掛けたまま台所の良子を見て、
修一「良子ちゃん、また背が伸びたんとちがう?」

   食器を洗い終わり右手で蛇口を閉め左手でポケットからハンカチを出しながら、
良子「一㎝伸びて一七〇㎝になっちゃった」

   ハンカチで手を拭きながらこちらにやってきて、
良子「このまえ話した学校の女子トイレで盗撮してたヤツ始末したよ」

   ベッドに腰を降ろした良子に、
修一「おお、そりゃお手柄。ミスらにゃええがと心配しちょったんよ」

修一「盗撮されとった子は心に傷をおって対人恐怖症にならにゃええがねえ」

   深刻そうに頷き、
良子「わたしもそれが心配なの・・・」N『と、学校であった詳しい経緯を話してくれたが、その中に早苗の名前が出たので驚いた』

   良子の短パンの隙間から下着がチラっと見える絵のアップにN『早苗と良子がギクシャクせぬよう、早苗と知り合いである事をいま話しとくべきだと思った』

   驚いた風を装い、
修一「なんとゆう偶然じゃろ、その桧垣先生って人、知っちょるよ」

良子「(驚き)えっ、なぜお兄ちゃんが先生を知ってるの?」

修一「実はバイクで走ってたときにーー」

   天井のシーリングライトの絵にN『やくざに絡まれてたアベックを通りがかった早苗が助けたのを目撃し、なかよしクラブにスカウトした』『と、余計な部分は、はしょって説明した』

良子「(感心し)へー、先生ってそんなに強かったんだ、おっどろいたー」

良子「あっ、学校の報告と、もう一つ用事があったんだった」

良子「別に頼まれた訳じゃないけど、玲子さんがすごく困ってるから助けてあげて」

修一「どうしたん?嫌な客にストーカーされちょるん?」

   立ち上がり、
良子「私が話すより玲子さんから直接聞いた方がいいから一緒に来て」

注、ここから修一はTシャツ、ズボン、スニーカーに着替えてる。

   外通路の絵に修一の声、
  「じき俺の身長を抜きそうじゃね」

   三階の通路を並んで歩きながら不安そうに修一の横顔を見て、
良子「お兄ちゃんより高くなったらイヤ?」

修一「とんでもない。俺は高身長の女が好きじゃけん良子ちゃんに見下ろされたいわ」

良子「(喜色をうかべ)ほんとに!」

   階段を降りながら、
良子「ねえ、なぜ高身長の女が好きなの?」

修一「そりゃ手足が長くてスタイルがええからに決まってるやん」

   階段を降りる修一の膝から下の絵に彼の声、
  「背が高い女は首も指もシュッと長いから、そういう造形美に惹かれるんよね」

修一「背が高い女はそれだけで豪華で見応えがあるわ」

   ほっとし、
良子(お兄ちゃんが高身長女が好きだと聞いて安心したよ)



   空の絵にプルルルと静かなエンジン音にN『そのころ、某ホテルに向かう早苗――』

   ノースリーブと膝丈のスカートでリードに乗る早苗の絵にN『今日は下着のモデルのカメラテストを受けるのでちょっと緊張してる』
   
   スカートの奥に下着が見える絵のアップにN『スタイルには自信あるけどポーズを取る自信がないからだ』『テストに落ちるのは気にならないけどーー』

   リードでホテル内の地下駐車場に入ってゆく姿にN『せっかくチャンスを与えてくれた修ちゃんをがっかりさせたくないな・・・』



   玲子宅のドアの絵にN『玲子宅――』

注、やつれた玲子と志保が低いテーブルを間に脚を斜めに崩し、向かい合って床に座っている。テーブルの上にグラスに入った麦茶あり。

   「玲子さん、お兄ちゃんを連れて来たよー」と声がし、玲子と志保が玄関の方を見る。

   良子の後に続き修一が入ってきて「こんにちは」と言ったので玲子と志保が驚く。

   修一に会ったときめきに頬を染め、
志保「岩城さんを呼びに行ってたの?」

良子「うん。お兄ちゃんならどんなトラブルでも解決してくれるから」

志保(ほんとだわ、私なんかなんの力にもなれないし最初からそうすべきだった)

   床に正坐しながら、
良子「玲子さん、一人で悩んでないでお兄ちゃんに相談して。きっと解決してくれるから」

   修一が胡坐をかいて座ると志保が立ちあがって、
志保「岩城さん、冷たい麦茶でいい?」

   キッチンに行きかける志保に、
修一「すんません」と軽く会釈する。

   無表情で玲子を見て、
修一「この前ぶんどった金で商売始めて全額溶かしてしもたんじゃろ?」

   玲子、驚く。

玲子「良子ちゃんから聞いたの?」

修一「良子ちゃんは何も話してくれんかったが察しはつく」

修一「はっきりゆうが玲子さんはチーママには向いてるが、経営者には向いとらんよ」

   玲子驚く。

   台所でお茶を入れてた志保も修一の方を見て驚く。

修一「なぜかと言うと人がいいから非情な決断ができまい?」「こいつは店の為にならんと思ってもよお切らんじゃろ?」

修一「きつい事をゆうが、玲子さんは何回店をやっても失敗するやろね、そういう性格なんよ」

   玲子、猛烈に落ち込む。

修一「今さら遅いが商売を始める前に一言ゆうてくれとったら・・・」

   愕然と肩を落とし「はーーっ」と深いため息をつき、
玲子「ママとしっくりいかず居心地が悪くて独立を考えてた時に・・・」

   お茶を持ってきた志保が片膝をついて、
志保「はい、岩城さん」とテーブルに麦茶を置き、修一が「ありがとう」と礼を言う。

   片膝をついた志保の股間に下着が見える絵のアップ。

   修一がチラっとそれを見ると志保がそれに気づいて頬を染めて恥らう。

玲子「ママに居抜きで安い掘り出し物があるって教えられて飛びついたのが運のつき・・・」

   天井のシーリングライトの絵に玲子の声、
  「カウンターに八人座ったら一杯になる小さなバーだけど」

   夜。玲子の店の外観の絵に声、
  「ママに紹介された女の子とバーテンを雇ってさあ開店と意気込んでたら・・・」

   店内で、やくざが八人カウンターに座ってる絵に声、
  「開店早々に明らかにその筋の人らが入ってきて席を陣取り」

   バーテンと雇った女が、やくざと意味ありげな視線を交わしてる絵に声、
  「一本十何万もするボトルを次々抜いたあげくツケにしとけってお金を払わず閉店まで連日ねばるの」

   サラリーマン客が店をのぞく。

   ヤクザ達が一斉に不気味な目つきで客を睨む。

   サラリーマン客が恐れて帰ってゆく絵に玲子の声、
  「新規のお客さんはドアを開けた瞬間にあいつらを見て逃げるように帰っちゃうし・・・」

   悄然とし、
玲子「開店早々やくざに潰されるなんて情けなくて、もう地上から蒸発したい・・・」

玲子「ママが同情して店を買い取ってあげるって言ってくれてるんだけど・・・」

   テーブルに肘をつき、その手で額を支えて打ちひしがれ、
玲子「その金額がタダ同然なのよね、足元を見るにもほどがあるでしょうに・・・」

修一「トータルで店になんぼ突っ込んだん?」

玲子「何十年もかけてこつこつ貯めた八百万と人さらいからぶんどった三千三百とで計四千百万・・・」

   天井のシーリングライトの絵に声、
  「店の補償金に一千万積んでるから全額溶かした訳じゃないんだけど・・・」

   腕組みして黙考する修一を良子と志保が不安そうに見る。

修一「そりゃママにきっちりハメられたのう・・・」

   玲子、志保、良子、凝然とする。

      つづく
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愛がイク(227)  秘密

2022-08-15 14:15:31 | 漫画のシナリオ
(227)秘密
四百字詰原稿用紙換算10枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあります。季節の設定は常に真夏である。

登場人物
校長(55)
165㎝。 白髪混じりの髪。穏やかで紳士然としている。

加藤しほり(45)
165㎝。上品でスタイルが良く美人度は中の上。

桧垣早苗(25)
170㎝。清楚な美人でスタイル抜群の体育教師。長い髪をひっつめて束ねている。テコンドー二段。

しほりの夫(50)蛇のような目で執念深そうな悪相。

N=ナレーション
   


   校長、運転しながら股間に置かれたしほりの手に気づいて目元を赤める。

   ガソリンスタンドの反対側の道路に車をすっと停める。

   向こう側のスタンドで働くしほりの夫を憎々しげに眺め、
校長「しほりさんを怯えさせ続けたお前を決して許さんからな」

   校長、夫をスマホで「カシャカシャ」撮る。

   夫が無意識に校長の方を見る。

   驚き、
校長(こんな離れた所からでも視線を感じるのか?・・・)

校長(窓ガラスが反射して私が見えるはずもないのに・・・)

   こっちを見てる夫を眺め、
校長(ああいう手合いの独特の勘ってやつか。しほりさんが恐れるのも無理ないわ・・・)

校長「さっ、帰ろ・・・」と言いかけて下腹部を見たら、しほりが一心にフェラしていた。

   頬を染めて呆気にとられ、
校長「し、しほりさん・・・」

   うっとりフェラしながら、
しほり「先生のここの匂いも好きです・・・」



   校長宅の外観。

   同、リビング

   エプロンを着けたしほりがキッチンで料理を作ってる後ろ姿。

   机に掛けてスマホで、
校長「・・・あ、早苗さんですか?」

   深刻な顔で、
校長「実はお願いがあるんですが・・・」

   校長が電話を掛けてる絵にN、
N『校長は早苗にすべての事情を打ち明け、しほりにプロポーズする気である事も付け加えた』

   天井の絵に校長の声、
  「いまヤツの写真を送りますから・・・」

   校長、話し終えてスマホを机に置く。

   慈愛に満ちた表情でキッチンから振り向き、
しほり「どなたに電話してたんですか?」

   椅子から立ち上がり不敵な顔で、
校長「ふふふ、内緒です」

   キッチンに立つしほりを後ろから抱きしめ尻をいやらしい手つきで揉み、
校長「1時間以内に旦那を始末しますからね」

   しほり、呆気にとられた顔を校長に向ける。



   車が行き交うガソリンスタンド近辺の道路の絵。

   シールドがミラーになったメットを被り、胸の上部が見えるほどジッパーをおろしたツナギを着てメグロに跨った早苗がガソリンスタンドの手前に停まって、ぼーっと客待ちしてるしほりの夫を凝視している。

   尚も夫を凝視する早苗の呟き、
  (女に暴力を振るうクソ野郎は断じて許さん)

   胸の谷間に挟まれてるB1を見て、
早苗「標的の顔を憶えたな」

   B1、うんうんと頷く。

   メグロでゆっくり夫の方に向かう早苗の後ろ姿。

   夫が早苗に気づき、無愛想な顔で「いらっしゃい」と言う。

   早苗が無言で、眼前に立ってる夫を凝視する。

   夫の額に指をピストルの形にして突きつけ、
早苗「成仏せいよ」と言われ夫が驚く。

   ゆっくり走り去る早苗の後ろ姿を夫がぼう然と見てる。

   早苗、暫く行った所でUターンする。

   スタンドの反対側の道路の左端に停車する。

早苗「よし行け」と命令され、胸の谷間からB1が飛び立つ。

   B1が電線の上を飛んでゆくのを下から煽って描いた絵。

   同、ガソリンスタンドの休憩室内

   しほりの夫が一人、ふて腐れた顔で足を組んで掛け、ペットボトルのお茶を飲んでいる。

   戸を開け放った休憩室の天井の方にB1が飛んでくる。

   B1、天井スレスレでホバリングしながら夫に狙いをつけている。

   夫が何気なく上を見たら眼前にB1が迫っていた。

   夫、目を剥いて驚愕する。

   B1が夫の眼球をチクと刺す絵のアップ。

   夫、白目をむき座ったままの状態で絶命する。

   前出の従業員Aが休憩室で座ってる夫を離れたとこから不満げに見て、
A(あいつ、いつまで休憩してやがんだ・・・)

   A、休憩室に向かう。

A「ちょっとあんた、いつまで座ってんですか」と夫の肩に触れる。

   夫、白目をむいてゆらりと倒れかける。



   車が行き交うガソリンスタンド近辺の道路の絵。

   従業員達があたふたして休憩室に出入りしてるのを反対側の道路から早苗が凝視している。

   B1が胸の谷間に戻ってきて、
早苗「はい、ごくろうさま」

早苗「ビーちゃんの商売は盛況だねー」とB1の頭を撫でてやる(胸の谷間をアップで)。



   校長宅の外観。

   同、室内

   キッチンの前に立つしほりの艶めかしいふくらはぎのアップ。

   更にふくらはぎをズームした絵に校長のN『なんと艶やかで匂い立つような、ふくらはぎだろう、あのふくらはぎの根本には・・・』

   スカートの奥に見える下着を下から煽って描いた絵にN『名器が秘めやかに息づいてるのだ、ああ、狂おしいほどしほりさんが愛おしい・・・』

   腕を組んで机の椅子に掛け、しほりのふくらはぎを欲情の目で凝視し、
校長(今夜はどのパンツを履かせようかな・・・)

   同、寝室

   ベッドの上に買ってきたパンツが十枚広げて並べてある絵にN『即刻洗って乾燥機にかけたパンツーー』『今まで女性に下着を買って履かせる楽しさを経験した事などなかった』『しほりさんが美人で名器だからこその愉悦だ』

   尚もその下着の絵にN『これから、しほりさんの下着を買うのが趣味になりそうだ・・・』

   机上に置いたスマホが「ピン」と鳴り、そちらに目をやる。

   校長、スマホをとって画面を見る。

  「ミッション完了。標的はあの世に旅立ちました」と書かれたLINEの画面のアップ。

   驚き、
校長(おおー、さすがの手際)

   スマホを両手で捧げ持って頭を下げ、
校長(早苗さん、私は受けた恩は決して忘れませんからね)

   スマホを持ってしほりの方にゆく。

   しほりのうなじにキスし、尻をいやらしく撫でる。

   校長に背を向けたまま頬を染め、
しほり「うふん、夜まで待てなくなった?」

   尻を撫でる校長の手に、しほりがそっと自分の手を添える絵のアップ。

   そしてエプロンをめくって校長の手をスカートの上から股間に触れさせる。

   眉尻を歪め快感を感じるしほりの顔のアップ。

   股間をいじりつつ、しほりのうなじにキスしたまま、
校長「旦那を始末したよ」

しほり「えっ」と驚愕して振り向く。

しほり「(凍りつき)始末って・・・死んだって事ですか?・・・」

校長「(優しく頷き)しほりさんに害を及ぼす者は決して許さん」

   信じられぬ顔で、
しほり「なぜ死んだって分かるんですか?・・・」

   校長、しほりに黙ってスマホを渡す。

   凍りついたように画面を見つめ、
しほり「・・・」

   白目をむいて絶命した夫が担架に乗せられて救急隊員に運ばれてるLINEの画像のアップ。

   歓喜の涙を流して校長の胸に抱きつき、
しほり「これでもう夫の影に怯えなくていいんですよね?」

しほり「私は解放されたんですよね・・・?」

   畏敬の眼差しで校長を見つめ、
しほり「どのような力をもってして夫を始末したのか・・・」

   抱き合って校長がしほりの尻をいやらしく撫でてる腰から下の絵のアップにしほりと校長の声、
  「聞いても教えてくれませんよね?・・・」

  「ふふふ、それは秘密です」

         つづく

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愛がイク(226)  校長の豹変

2022-08-01 13:38:38 | 漫画のシナリオ
(226)校長の豹変

四百字詰原稿用紙換算10枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあります
季節の設定は常に真夏である

登場人物

校長(55)
165㎝。 白髪混じりの髪。穏やかで紳士然としている。

加藤しほり(45)
165㎝。上品でスタイルが良く美人度は中の上。

作業着姿のガラの悪い男(40)

しほりの夫(50)蛇のような目で執念深そうな悪相。

N=ナレーション



   築四十年の三階建て1Kの古いマンションの外に校長のセダンが停めてある絵。

注、しほりの住居は三階。室内のフローリングは劣化、壁はすすけ、ふすま戸の半間の押入れ、小さな流しのキッチン、プラスチック製の引き出し衣装ケース、小さなお膳が脚を畳んで壁にたて掛けてあり、古い扇風機がポツンと置いてあるだけの殺風景で侘しい部屋。

   同、室内

   安物のペンダントライトがぶら下がった古びた天井の絵。

   流しの横に置いた水切りカゴに茶碗、汁椀、小ぶりの皿が2枚、箸が一善入ってて、わびしい暮らしを感じさせる絵に校長のN『こんなとこに住むほど困窮してたとは・・・』

   正座して何とも言えぬ表情で部屋を眺める校長の後ろで、しほりが衣装ケースの引き出しから下着を出してる絵にN『しほりのつましい暮らしぶりを見て彼女の来し方が忍ばれ胸を締めつけられる思いがした・・・』

   古びたパンツを手に取り、
しほり「くたびれたパンツばかりで、持ってくのも恥ずかしいけど、これしかないから仕方ないわね・・・」と呟くしほりを校長が振り返って見てる。

   トートバッグを手に持ち、
しほり「はい準備完了。荷物がないから超早かったでしょ?」と振り向いたら、こちらに背を向けた校長が手の甲で涙を拭っていたので驚く。

   うつむいた校長の背中を切なげに見て、
しほり(・・・せんせい・・・)

   しほり、放心したように校長の後ろにペタンと正座する。

   そして情けなさそうに室内に目を這わせる。

   正坐して腿の上に置いたしほりの手の甲にポタッと涙が落ちる絵のアップ。

   部屋の外の通路の絵。

   トートバッグを肩に掛けたしほりがドアの鍵を閉めてる後ろでマンションを不安げに眺め、
校長(オートロックも無いし女の一人住まいにはあまりにも危険すぎるな・・・)

   しほりの後ろを階段に向かって歩いてると向こうから作業着姿のガラの悪い男(40)が歩いてくる。

   男がすれ違いざまに、しほりを欲情の眼差しで見る(しほりは無視)。

   校長が振り向くと男も鋭い目つきでこちらを見ており、
校長(明らかにしほりさんを狙ってる目つきだ・・・)

   前をゆくしほりの後ろ姿を見ながら、
校長(しほりさんのような人がこんなガラの悪いアパートに住んでてよく無事でいられたものだ・・・)

   しほりの後ろ姿に校長の呟き、
  (まさに掃き溜めに鶴だわ・・・)

   通路の上部の絵に校長の呟き、
  (なにはともあれ、すぐに引っ越しさせないと・・・)

   アパートの部分的な絵に呟き、
  (いや、あいつは私としほりさんが一緒にいるのを見て焦り、今晩にでも事を起こすかも・・・)

   尚も同様の絵に呟き、
  (新しい住まいが見つかるまで私のとこに泊まらせたほうが無難かもしれないな・・・)

   尚も同様の絵に呟き、
  (うん、絶対そうすべきだ、事が起きてからじゃ遅すぎる・・・)


   イオンの外観。

   同、下着売り場の外観。

   高価なレースの下着を両手で広げてしほりに見せ、恥ずかしそうに、
校長「これ・・・履いてもらえますか?」

   値札を見て驚愕し、
しほり「ええー!こんな高価なパンツを履いたら・・・」

   恥ずかしそうに校長の耳元に口を近づけ、
しほり「アソコがびっくりして腫れちゃいますよ。ワゴンに山積みになったのしか履いた事ないから・・・」N『と抵抗したが・・・』

   Tバックに近い高価なレースの下着をつけたマネキンの絵にしほりのN『限りなくTバックに近い高価な下着を十枚も買ってもらった』『先生はエロい下着が好きなんだ・・・』

   同、食品売り場

   客で賑わってる食品売り場の絵。

   校長が手に取った肉のパックを見て驚き、
しほり「ち、ちょっとそれ高すぎませんか?胃がびっくりして腸捻転になっちゃいますよー」と言うしほりの反応が楽しくて校長が「ほほほほ、腸捻転になっちゃいますか?」と微笑んでいる。

   カゴに入れた肉のパックを手に取って値段を見ていまだ驚いてるしほりを眩しげに見つめる校長のN『言葉に言い尽くせぬ逆境に揉まれて来たのに、なんと無垢で楽しい人であろうか・・・』


   同、駐車場から出てくる校長の車の絵。

   同、車内

   片側三車線の左端を走行しながら、
しほり「口が腫れそうないいお肉を買ったから夕飯、楽しみにしてて下さいね」

   嬉しそうに頷き、
校長「あとは帰りにガソリンを入れるだけです」

   校長がしほりのスカートから剥き出しになった太腿を欲情の目でちらっと見ると、しほりがそれに気づいて頬を染める。

しほり「(頬を染め)触りたかったら・・・触ってもいいですよ」

校長「(頬を染め)ではお言葉に甘えて」と左手で腿にそっと触れる。

   その手がスカートの奥に入り、しほりが頬を染める。

   手が股間に触れてるとおぼしき絵に校長の声、
  「あの、下世話な質問をしてもいいですか?ほんとに下世話なんだけど・・・」

しほり「質問によりますけど、答えられる事なら答えますよ」

   羞恥しながら、
校長「しほりさんは自分が名器だと自覚してます?」

   しほり、赤面して固まる。

   そして、恥じらいながらコクッと頷く。

校長「おお、やっぱり自覚してるものなんですか?」と言いながら左にあるガソリンスタンドに入ろうとハンドルを切る。

   しほり、眼前でガソリンを入れてる蛇のような目をした男性店員(50)を見て驚愕する。

   「バッ」と校長の股間に顔を伏せ、
しほり「このまま出て!早くっ」

校長「えっ」と驚きながらもハンドルを切りスタンドから出る。

   股間に伏せてるしほりに、
校長「一体どうしたんですか?」

しほり「夫です!」

校長「えっ!」とルームミラーで後ろを見る。

   走行しながら、
校長「見間違いじゃないんですね?」

しほり「あの人の顔を絶対見間違えたりなんかしません」

   運転しながら思案し、
校長(こんな近くまで追って来てたとは・・・)

校長(すぐに手を打たないと、しほりさんと私の家が見つかるのは時間の問題だな・・・)

   同、ガソリンスタンド

   横で作業してる従業員Aが、しほりの夫の手際を見て感心し、
従業員「加藤さん、おとつい入ったばかりなのに手慣れたものですね」

夫 「(無愛想に)そうか」

   むっとし、
従業員A(そうか?・・・)


   同、走行中の車内

   股間に伏せて小刻みに震えながら、
しほり「こんな近くまで迫られてたとは、なんて恐ろしい男・・・」

   凛とした顔でしほりの頭に手を添え、
校長「もう顔を上げても大丈夫ですよ」

校長「ヤツの写真を撮るから反対側の道路にUターンしますよ」

   不安そうに股間から顔を上げ、
しほり「なんのために写真なんか撮るんですか?・・・」

   毅然とした表情で、
校長「ヤツを始末するためにですよ」

   凛とした表情で前方を見て、
校長(私には早苗さんという最強の殺し屋がついてるんだから)

   校長の股間に無意識に手を置いたまま訝しげに、
しほり「始末って・・・命を絶つという意味の始末ですか・・・?」

   前を向いたまま「ふふふ」と不敵に笑み、
校長「何人(なんびと)たりともしほりさんに指一本触れさせてなるか」

   驚いて校長の自信に満ちた横顔を見て、
しほり(なんて頼もしい人なの・・・)

   突然頼もしい顔に豹変した校長に見惚れて無意識に彼の股間に手を置き、
しほり(十年前も私達親子のために尽力して下さったし・・・)

   股間に手を置いた絵のアップに呟き、
  (この人は私のためなら命を投げ出せる人なんだわ・・・)

         つづく

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