(265)早苗の疑念
四百字詰原稿用紙換算11枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあり季節は常に真夏である。
登場人物
桧垣早苗(25)
170㎝。スタイル抜群の清楚な美人。体育教師でテコンドー二段。長い髪をひっつめて束ねている。
里香(17)
165㎝。23話から登場。清楚な美人でアニメ声。
リン・正雄(70)
170㎝。日台のハーフ。全白髪に近い、まだら白髪で口髭をたくわえた紳士然とした男前。
梅花(メイファ。50)
165㎝。リンの妻。髪をひっつめて後ろでお団子にした清楚な美人で二十五歳位に見える。
立原綾乃(35)
170㎝。寿司幸の女将だったが離婚。楚々とした美人で170話から登場。修一の会社「台湾公司」の一人だけの社員でネット
で作業している。
N=ナレーション
十階建て1LDK高級マンションの外観にN『立原綾乃宅――』と「ねえ修ちゃん」と綾乃の声。
同、八畳の寝室
wベッドの横のごみ箱に丸まったティッシュが大量に入ってる絵に綾乃の声、
「うちでバカ売れしてる高山茶の社長が会いたいって何度もメールくれてるのに一度ぐらい会ってよ~」
リビングの天井の絵に綾乃の声、
「わたしもぜひご挨拶したいの」
注、レースのTバックにへそが見えるタンクトップを着た綾乃はテーブルの椅子に掛けてPCのメールを見つめ、裸にトランクスを履いた修一は彼女の対面に掛けてコーヒーを飲んでいる。
PC画面を修一の方に向けて、
綾乃「ほら見て、こんなにメールを頂いてるのよ」
気がなさそうにPC画面を見て、
修一「俺はこれ以上ひとと関るのがわずらわしいけん勘弁してくれんかねえ」
綾乃の股間にTバックが食い込んでるのをテーブルの下から見た絵にN『なかよしクラブの利権に群がってくる大勢の意地汚い者達をみて修一は人と関わる事に嫌気がさしていた』
綾乃「そんなこと言わずに私のためだと思って、ねえ~」N『DVD発売直後から高山茶が爆発的に売れ、今や台湾公司の運営は綾乃の生きがいになっていた』
弱りはて、
修一「ううん・・・売り上げを伸ばすためにがんばってる綾乃にそうまで言われたら断るわけにはいかんか・・・」
天井の絵に会話、
「じゃあ次にメールがきたら会ってみようかね」
「ほんと?!うれしいー」
リン宅の食堂の天井の絵。
里香と共に目を輝かせ、
早苗「その岩城さんってひと」
里香「私たちの事務所の社長ですよ」
妻と共に驚愕し、
リン「えええっ!ってことはお二人は?・・・」
鼻高々に、
早苗「何を隠そう、なかよしクラブのメンバーでございます」
合点がいったように二人を見て、
梅花「どおりで、お美しい方達だと思った・・・」
顔を輝かせ、
リン「なんという奇遇、ぜひ岩城さんと引き合わせてせていただけませんか」
ポケットから携帯を取り出して、
里香「お安い御用ですよ、私達が頼めば地球の裏まででもすっ飛んできてくれるから」
リン「(驚き)岩城さんとあなた方はそんな強い絆で結ばれてるんですか?」
携帯を耳に当てて鼻の穴を膨らませ、
里香「修ちゃんは私達メンバー全員の最強の守り神だもん」
訝しそうに、
リン「あの、岩城さんって何歳なんですか?」
早苗「里香さんと同い年の十七歳ですよ」
妻と共に驚愕し、
リン「じ、十七歳――!?・・・」
食堂の天井の絵に里香の声、
「あ、修ちゃん?ちょっとお願いがあるんだけどーー」
園庭内の絵に里香の声、
「――うん、じゃあ早苗さんと待ってるからね」
携帯をテーブルに置きリン夫妻に、
里香「来る途中でショップの運営を任されてる綾乃さんを拾って二人で来るそうです」
夫婦がホッとして喜び、
リン「お二人のおかげでやっと念願がかないました」
不思議そうに、
リン「ところでお招きした時から意外に感じてたんですが・・・」
リン「だれもがこの屋敷を見たら驚くのにお二人が平然としてるのは・・・」
リン「もしかしたら大金持ちなんですか?」
二人共平然と料理を食べながら、
早苗「ええ、私達メンバー全員、大富豪ですよ。昔の言い方をすれば分限者ね」
夫妻が驚く。
里香「ただし、みな質素倹約の生活をしてて、お金に執着するような卑しい人は一人もいませんけどね」
早苗「ほんとよね、岩城さんがそんな人だけを引き寄せるのか偶然なのか大いなるナゾだけど」
リン夫婦、感に堪えぬように二人を見つめる。
美味しそうに食べながらリンに、
里香「到着するまで修ちゃんの事を予習しといたほうがいいですよ」
リン「え?・・・」
里香「会ったらまた新たな商いの道が開けるかもしれないでしょ?」
夫婦が携帯を取り出し、
リン「そ、そうですよね。貴重なアドバイスをありがとう」
夫婦がネットで調べながら圧倒されてる絵にN『修一の武勇伝にも驚いたが、なかよしクラブがたんなる芸能事務所ではな
く大企業並みに稼いでるのを知って夫婦は驚愕した』
リン「・・・な、なんと・・・」
梅花「・・・こんな破天荒なすごい人だったとは・・・」
リン夫妻、尚も圧倒されてスマホの画面に見入っている。
庭園内の絵。
満腹になって腹をさすり、
里香「ああ美味しかった。この味を知ったらもう日本の中華料理は食べられないな」
スマホの画面に見入りながら気もそぞろに、
リン「また食べたくなったらいつでもいらっして下さい」
開け放った窓の外から「プルルルル」と小さくエンジン音が聞こえたので意外そうに窓の外に振り向き、
里香「あれ、もう来たの?」
里香「電話する前から綾乃さんと一緒にいたのかってぐらい早いな」
その言葉に「はっ」と青ざめ、
早苗(本当に一緒にいたのかも・・・)
不安にさいなまれ、
早苗(いやいや、私を愛してるから浮気なんか絶対するはずないわ・・・)
早苗(けど・・・綾乃さんは超美人だからもしかしたら・・・)
全員が広い庭に出て垂直下降してくるアパッチ(屋根を外している)を見上げている。リン夫妻はバイクが飛ぶことに驚愕し、
リン「バ、バイクが空を・・・」
着地したアパッチの側にゆき、
里香「早かったね、もっと時間がかかるかと思ったよ」
アパッチから降りながら、
修一「皆さんを待たせないよう飛んで綾乃さんを迎えにいって連れてまいりました」
ほっと安堵し、
早苗(そうだったんだー、それなら早いはずだ)
注、綾乃の服装はノースリーブに膝丈のタイトスカートで二人共メットを被っておらず、庭でリン夫妻と対面する。
里香「こちらが電話で話したリンさんと奥さんよ」と修一と綾乃にリン夫妻を紹介する。
綾乃「お世話になっています。お茶の注文が殺到してご迷惑ではなかったでしょうか?」
リン「とんでもない。高価で台湾でもあまり売れないお茶を大量に売っていただき感謝しています」N『360グラム入りで12,600円もする高山茶はリンと台湾公司に莫大な利益をもたらしていた』
リン「どうか今後も末永いおつきあいをお願いします」
梅花をしげしげ見て里香に、
修一「・・・このひと奥さんじゃなくてお孫さんのまちがいじゃろ?」
鼻の穴を広げて自慢げに、
里香「ところがどっこい!正真正銘の奥さんよ。いくつに見える?」
恥ずかしそうに頬を染めた梅花をまじまじ見て首を傾げ、
修一「うーん、二十二~三ぐらい?」
早苗「(したり顔で)でしょー?誰が見てもそう見えるわよねー」
注、リンはこのやり取りを微笑ましくみてる。
したり顔の早苗に、
修一「えっ、もっと上ってこと?」
マイクに見立てた手を修一の口元に突き出し、
里香「はいっ、ラストアンサー!」
ピッと片手を挙げて生真面目な顔で、
修一「二十五歳でお願いします!」
マイクに見立てた手を梅花の口元に突き出し、
里香「では梅花さん、正解をお願いします」
恥じらって頬を赤く染め、
梅花「もうすぐ五十になります・・・」と言った瞬間、「プシュ」と修一の頬の横を弾丸がかすめたので皆がギョッと驚く。
咄嗟に目の前にいた早苗を庇うように押し倒して上に被さり、
修一「伏せろっ!ライフルじゃっ」と叫ぶ。
注、仰向けに倒れた早苗の上に修一が被さってるので早苗は唇が触れんばかりの至近距離で修一を見上げる格好になる。
厳しい表情で向こうの塀を伺う修一にうっとり見惚れ、
早苗(予期せぬ事態に直面したときに人の本性がわかる・・・)
修一を崇める様に見つめ、
早苗(修ちゃんは里香さんや綾乃さんではなく、私を一番に身を挺して守ってくれた・・・)
地面に伏せてる皆に厳しい表情で、
修一「そのまま動かずじっとしてろよ」
修一「誰を狙ったのか知らんが必ず捕まえちゃるけんの」と言う修一にうっとり見惚れて涙を流し、
早苗(ごめんなさい、もう二度と修ちゃんを疑ったりしませんから・・・)
つづく
四百字詰原稿用紙換算11枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ちあがるように書いてあり季節は常に真夏である。
登場人物
桧垣早苗(25)
170㎝。スタイル抜群の清楚な美人。体育教師でテコンドー二段。長い髪をひっつめて束ねている。
里香(17)
165㎝。23話から登場。清楚な美人でアニメ声。
リン・正雄(70)
170㎝。日台のハーフ。全白髪に近い、まだら白髪で口髭をたくわえた紳士然とした男前。
梅花(メイファ。50)
165㎝。リンの妻。髪をひっつめて後ろでお団子にした清楚な美人で二十五歳位に見える。
立原綾乃(35)
170㎝。寿司幸の女将だったが離婚。楚々とした美人で170話から登場。修一の会社「台湾公司」の一人だけの社員でネット
で作業している。
N=ナレーション
十階建て1LDK高級マンションの外観にN『立原綾乃宅――』と「ねえ修ちゃん」と綾乃の声。
同、八畳の寝室
wベッドの横のごみ箱に丸まったティッシュが大量に入ってる絵に綾乃の声、
「うちでバカ売れしてる高山茶の社長が会いたいって何度もメールくれてるのに一度ぐらい会ってよ~」
リビングの天井の絵に綾乃の声、
「わたしもぜひご挨拶したいの」
注、レースのTバックにへそが見えるタンクトップを着た綾乃はテーブルの椅子に掛けてPCのメールを見つめ、裸にトランクスを履いた修一は彼女の対面に掛けてコーヒーを飲んでいる。
PC画面を修一の方に向けて、
綾乃「ほら見て、こんなにメールを頂いてるのよ」
気がなさそうにPC画面を見て、
修一「俺はこれ以上ひとと関るのがわずらわしいけん勘弁してくれんかねえ」
綾乃の股間にTバックが食い込んでるのをテーブルの下から見た絵にN『なかよしクラブの利権に群がってくる大勢の意地汚い者達をみて修一は人と関わる事に嫌気がさしていた』
綾乃「そんなこと言わずに私のためだと思って、ねえ~」N『DVD発売直後から高山茶が爆発的に売れ、今や台湾公司の運営は綾乃の生きがいになっていた』
弱りはて、
修一「ううん・・・売り上げを伸ばすためにがんばってる綾乃にそうまで言われたら断るわけにはいかんか・・・」
天井の絵に会話、
「じゃあ次にメールがきたら会ってみようかね」
「ほんと?!うれしいー」
リン宅の食堂の天井の絵。
里香と共に目を輝かせ、
早苗「その岩城さんってひと」
里香「私たちの事務所の社長ですよ」
妻と共に驚愕し、
リン「えええっ!ってことはお二人は?・・・」
鼻高々に、
早苗「何を隠そう、なかよしクラブのメンバーでございます」
合点がいったように二人を見て、
梅花「どおりで、お美しい方達だと思った・・・」
顔を輝かせ、
リン「なんという奇遇、ぜひ岩城さんと引き合わせてせていただけませんか」
ポケットから携帯を取り出して、
里香「お安い御用ですよ、私達が頼めば地球の裏まででもすっ飛んできてくれるから」
リン「(驚き)岩城さんとあなた方はそんな強い絆で結ばれてるんですか?」
携帯を耳に当てて鼻の穴を膨らませ、
里香「修ちゃんは私達メンバー全員の最強の守り神だもん」
訝しそうに、
リン「あの、岩城さんって何歳なんですか?」
早苗「里香さんと同い年の十七歳ですよ」
妻と共に驚愕し、
リン「じ、十七歳――!?・・・」
食堂の天井の絵に里香の声、
「あ、修ちゃん?ちょっとお願いがあるんだけどーー」
園庭内の絵に里香の声、
「――うん、じゃあ早苗さんと待ってるからね」
携帯をテーブルに置きリン夫妻に、
里香「来る途中でショップの運営を任されてる綾乃さんを拾って二人で来るそうです」
夫婦がホッとして喜び、
リン「お二人のおかげでやっと念願がかないました」
不思議そうに、
リン「ところでお招きした時から意外に感じてたんですが・・・」
リン「だれもがこの屋敷を見たら驚くのにお二人が平然としてるのは・・・」
リン「もしかしたら大金持ちなんですか?」
二人共平然と料理を食べながら、
早苗「ええ、私達メンバー全員、大富豪ですよ。昔の言い方をすれば分限者ね」
夫妻が驚く。
里香「ただし、みな質素倹約の生活をしてて、お金に執着するような卑しい人は一人もいませんけどね」
早苗「ほんとよね、岩城さんがそんな人だけを引き寄せるのか偶然なのか大いなるナゾだけど」
リン夫婦、感に堪えぬように二人を見つめる。
美味しそうに食べながらリンに、
里香「到着するまで修ちゃんの事を予習しといたほうがいいですよ」
リン「え?・・・」
里香「会ったらまた新たな商いの道が開けるかもしれないでしょ?」
夫婦が携帯を取り出し、
リン「そ、そうですよね。貴重なアドバイスをありがとう」
夫婦がネットで調べながら圧倒されてる絵にN『修一の武勇伝にも驚いたが、なかよしクラブがたんなる芸能事務所ではな
く大企業並みに稼いでるのを知って夫婦は驚愕した』
リン「・・・な、なんと・・・」
梅花「・・・こんな破天荒なすごい人だったとは・・・」
リン夫妻、尚も圧倒されてスマホの画面に見入っている。
庭園内の絵。
満腹になって腹をさすり、
里香「ああ美味しかった。この味を知ったらもう日本の中華料理は食べられないな」
スマホの画面に見入りながら気もそぞろに、
リン「また食べたくなったらいつでもいらっして下さい」
開け放った窓の外から「プルルルル」と小さくエンジン音が聞こえたので意外そうに窓の外に振り向き、
里香「あれ、もう来たの?」
里香「電話する前から綾乃さんと一緒にいたのかってぐらい早いな」
その言葉に「はっ」と青ざめ、
早苗(本当に一緒にいたのかも・・・)
不安にさいなまれ、
早苗(いやいや、私を愛してるから浮気なんか絶対するはずないわ・・・)
早苗(けど・・・綾乃さんは超美人だからもしかしたら・・・)
全員が広い庭に出て垂直下降してくるアパッチ(屋根を外している)を見上げている。リン夫妻はバイクが飛ぶことに驚愕し、
リン「バ、バイクが空を・・・」
着地したアパッチの側にゆき、
里香「早かったね、もっと時間がかかるかと思ったよ」
アパッチから降りながら、
修一「皆さんを待たせないよう飛んで綾乃さんを迎えにいって連れてまいりました」
ほっと安堵し、
早苗(そうだったんだー、それなら早いはずだ)
注、綾乃の服装はノースリーブに膝丈のタイトスカートで二人共メットを被っておらず、庭でリン夫妻と対面する。
里香「こちらが電話で話したリンさんと奥さんよ」と修一と綾乃にリン夫妻を紹介する。
綾乃「お世話になっています。お茶の注文が殺到してご迷惑ではなかったでしょうか?」
リン「とんでもない。高価で台湾でもあまり売れないお茶を大量に売っていただき感謝しています」N『360グラム入りで12,600円もする高山茶はリンと台湾公司に莫大な利益をもたらしていた』
リン「どうか今後も末永いおつきあいをお願いします」
梅花をしげしげ見て里香に、
修一「・・・このひと奥さんじゃなくてお孫さんのまちがいじゃろ?」
鼻の穴を広げて自慢げに、
里香「ところがどっこい!正真正銘の奥さんよ。いくつに見える?」
恥ずかしそうに頬を染めた梅花をまじまじ見て首を傾げ、
修一「うーん、二十二~三ぐらい?」
早苗「(したり顔で)でしょー?誰が見てもそう見えるわよねー」
注、リンはこのやり取りを微笑ましくみてる。
したり顔の早苗に、
修一「えっ、もっと上ってこと?」
マイクに見立てた手を修一の口元に突き出し、
里香「はいっ、ラストアンサー!」
ピッと片手を挙げて生真面目な顔で、
修一「二十五歳でお願いします!」
マイクに見立てた手を梅花の口元に突き出し、
里香「では梅花さん、正解をお願いします」
恥じらって頬を赤く染め、
梅花「もうすぐ五十になります・・・」と言った瞬間、「プシュ」と修一の頬の横を弾丸がかすめたので皆がギョッと驚く。
咄嗟に目の前にいた早苗を庇うように押し倒して上に被さり、
修一「伏せろっ!ライフルじゃっ」と叫ぶ。
注、仰向けに倒れた早苗の上に修一が被さってるので早苗は唇が触れんばかりの至近距離で修一を見上げる格好になる。
厳しい表情で向こうの塀を伺う修一にうっとり見惚れ、
早苗(予期せぬ事態に直面したときに人の本性がわかる・・・)
修一を崇める様に見つめ、
早苗(修ちゃんは里香さんや綾乃さんではなく、私を一番に身を挺して守ってくれた・・・)
地面に伏せてる皆に厳しい表情で、
修一「そのまま動かずじっとしてろよ」
修一「誰を狙ったのか知らんが必ず捕まえちゃるけんの」と言う修一にうっとり見惚れて涙を流し、
早苗(ごめんなさい、もう二度と修ちゃんを疑ったりしませんから・・・)
つづく