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🧠最新脳科学でついに決着!「左利きは天才」なのか?  202109

2021-09-28 02:03:00 | 📗 この本

最新脳科学でついに決着!「左利きは天才」なのか?
  ダイアモンドonlain より 210928 加藤俊徳

 10人に1人といわれる左利き。「頭がよさそう」「器用」「絵が上手」……。左利きには、なぜかいろんなイメージがつきまといます。なぜそう言われるのか、実際はどうなのか、これまで明確な答えはありませんでした。
 『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』(ダイヤモンド社刊)では、数多くの脳を診断した世界で最初の脳内科医で、自身も左利きの加藤俊徳氏が、脳科学の視点からその才能のすべてを解き明かします。左利きにとっては、これまで知らなかった自分を知る1冊に、右利きにとっては身近な左利きのトリセツに。本記事では本書より一部を特別に公開します。

⚫︎左利きは天才? 変人?
 左利きのイメージでよく取り上げられることの一つに、「天才」があります。右利きの人から、「左利きなの? 頭がいいんだね」など、言われた経験がある左利きも多いと思います。では、実際に左利きは「天才」なのでしょうか?

 哲学者のアリストテレス、そして、アインシュタイン、エジソン、ダーウィンなどの「天才」と呼ばれる偉人たちは、左利きであったと言われています。また、モーツァルト、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ピカソなどの世界的に有名な芸術家にも左利きは多かったようです。近代では、実業家のビル・ゲイツやオバマ元米国大統領なども左利きです。
 私は、こうした左利きの偉人たちは、右利き社会の中で革新的な役割を果たした人が多いと考えています。だからこそ、まわりから抜きん出て「天才」と呼ばれているのではないでしょうか。

 左利きに「天才」が多いと言われる理由を、脳科学の見地から考えてみましょう。

 まず、前提として、利き手が異なると脳の使い方が変わります。詳しくはのちほど述べますが、左利きは右脳を、右利きは左脳を主に発達させています。そして、右脳と左脳では役割が違います。それは、日々の中で同じことを同じように経験しても、右利きと左利きでは「感じ方が違う」ということです。

 インプットの仕方が違えば、おのずとアウトプットの内容も変わります。したがって、大多数の人と発想が違うのはあたりまえなのです。

⚫︎左利きの脳はバランス抜群!
 また、左利きの脳は右利きに比べて「左右差が少ない」ことが、さまざまな研究で明らかにされています。これはつまり、左利きの脳は非常にバランスがとれているということです。

 生まれたときからマイノリティの左利きには、「右利きと同じように行動する」という課題が与えられています。右手がうまく使えないのに、右利き用の道具を使わなければならなかったり、「どうしたらうまくいくだろう」と考える場面が多いなど、快適に生きていくために「天才」になるような脳の使い方をせざるを得ないのです。
 そのような脳の使い方をしているのは、割合でいうと10人に1人。10人に9人の大勢の枠にはまらず、独自の脳の使い方をしていることが「左利きには天才が多い」と言われる、最も大きな理由だと私は考えます。

⚫︎左利きは「違和感」を抱えやすい
 左利きは独自の脳の使い方をする「すごい」存在です。しかし、大勢とは異なる個性を持つために、周りと比べて「違和感」を抱えている人も少なくありません。

 今の社会は、右利き仕様にできています。ハサミ、スープ用のおたまなどの道具が使いづらいなど、物理的な不便はほとんどの左利きが経験します。そして、考え方や行動なども「何か違う」と違和感を抱くことがあります。
 これは、「天才が多い」と言われる理由と同じで、脳の使い方の違いから、周囲から見ると少し個性的に思えたり、得意不得意が異なったりするからです。それでは、利き手によってどんな脳の違いがあるのか、具体的に見ていきましょう。

⚫︎脳には8つの基地がある―「脳番地」でわかる基本的な仕組み
 まず、基本的な脳の仕組みについて、説明しましょう。人間の脳の働きは、「脳番地」という考え方で理解できると私は考えています。
 脳には1000億個以上の神経細胞がありますが、同じような機能を持つ細胞同士が集まって「基地」を作っています。私は、この「基地」の機能ごとに、住居表示のように番地を振りました。脳番地は、脳全体でおよそ120あり、右脳と左脳にそれぞれ60ずつ分かれています。つまり、脳には少なくとも120もの働きの違いがあるということです。

 一般の方が理解しやすいよう整理し、機能別に脳番地を大きく8つの系統に分けたのが次の分類です。

  (イラスト/毛利みき)

・思考系脳番地=何かを考えたり判断することに関わる

・感情系脳番地=感性や社会性、喜怒哀楽を感じ、感情を生み出すことに関わる。脳の複数の部位に位置し、運動系の背後に接している感覚系脳番地は皮膚感覚を通じて感情が活性化する

・伝達系脳番地=話したり伝えるコミュニケーションをとることに関わる

・運動系脳番地=手足や口など、体を動かすこと全般に関わる。手、足、口、目の動きを司る脳番地は運動系の中で別々に分かれている。手足は、脳の対側が支配しているのに対して、口や顔の動きは、片側の脳から両側の動きを司る両側支配になっている。

・聴覚系脳番地=耳で聴いた言葉や、音の聴覚情報を脳に取り入れることに関わる

・視覚系脳番地=目で見た映像、読んだ文章など視覚情報を脳に取り入れることに関わる

・理解系脳番地=目や耳から入ってきたさまざまな情報や言葉、物事を理解、解釈することに関わる

・記憶系脳番地=覚えたり思い出すことに関わる

⚫︎同じ細胞だけど、役割が違う「右脳と左脳」
 人間の脳も、目や耳、そして手足のように見た目は左右対称です。また右脳にも左脳にも、同じ機能を持つ脳細胞が、同じように存在しています。実際に「思考系」「感情系」「伝達系」「運動系」「聴覚系」「視覚系」「理解系」「記憶系」の8つの脳番地は、左右の脳にほぼ均等にまたがっています。でも、実は私たちの脳は「右脳」と「左脳」で役割分担をしています。

 たとえば、同じ「感情系脳番地」でも、左脳では自分の感情や意思を作り出し、右脳は自分以外の人の感情を読み取る働きをしています。また、左脳の「視覚系脳番地」では文字や文章などを読み取り、右脳では絵や写真、映像などを処理します。

 さまざまな研究の結果、左脳は主に言語情報の処理に関わっていること、そして右脳は非言語である画像や空間の認識を担当しているということも明らかになっています。こうして、右脳と左脳は異なる働きを担っていますが、左右対称に同じ働きをする脳番地もあります。それが「運動系脳番地」です。

 右利きの人は左脳の運動系脳番地が、左利きの人は右脳の運動系脳番地が発達しています。なぜなら、右脳から出た命令は左半身の筋肉を動かし、左脳は右半身の動きをコントロールしているからです。その一方で、人は左手を使うことで右脳を、そして右手を動かすことで左脳を刺激しています。つまり、左手をよく使うと右脳が活性化し、右手を主に動かせば左脳が発達するのです。

⚫︎言語系と非言語系―右脳と左脳の得意分野
 右脳と左脳は役割が異なりますが、左利きにとって重要なのは、高い割合で「右脳が非言語系」「左脳が言語系」を担当していることです。

 ある研究によると、右利きの人のおよそ96%が左脳で言語系の処理をしていたのに対し、左利きはおよそ73%が左脳で、両利きでは、85%が左脳で言語系の処理をしていると結果がでています。*

 左利き、右利きを問わず、7割以上の人が左脳で言語処理を行っているのです。すなわち、右利きは、右手で文字を書くときに、左脳の運動系脳番地を使いながら、左脳の伝達系脳番地で言葉を生み出すので、左脳の中でネットワークを使います。
 一方、多くの左利きが右利きに比べて、左手を右脳で動かしながら、左脳で言語処理をしています。左脳と右脳の両方のネットワークを同時に使わないと、文章を綴れないことになります。

 つまり、左利きは両方の脳を使うため、「言葉を使って考えをまとめるのに時間がかかる」傾向があるということです。言語処理が得意な左脳を常に右手で刺激している右利きと違い、左利きは非言語情報を扱う右脳を主に働かせています。言葉に置き換えて言いたいことを発するまでに使用する脳のルートが、ほんの少し遠回りなのです。また、自分の言いたいことのイメージと言葉をつなぐ前に話をしてしまうことがあるため、周囲からずれて聞こえたりもします。

 現代人は言葉を使ったコミュニケーションが主であるため、左利きが日常で抱く違和感にもつながっていると言えるでしょう。もしかすると、うまく話せないとコンプレックスを持つ左利きもいるかもしれません。ですが、右脳には右脳の得意分野があります。

 言い換えれば、本書で紹介していく内容は、右脳を発達させた10人に1人の左利きしか持っていないアイデンティティなのです。

(本原稿は『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』から抜粋、編集したものです。本書では、脳科学的にみた左利きのすごい才能を多数ご紹介しています)

参考文献 *:Knecht S, Dräger B, Deppe M, Bobe L, Lohmann H, Flöel A, Ringelstein EB,Henningsen H. Handedness and hemispheric language dominance in healthyhumans. Brain. 2000;123 Pt 12:2512-8. doi: 10.1093/brain/123.12.2512. PMID:11099452.

『[著者]加藤俊徳(かとう・としのり)
左利きの脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社脳の学校代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニングの提唱者。14歳のときに「脳を鍛える方法」を求めて医学部への進学を決意。1991年、現在、世界700ヵ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD(注意欠陥多動性障害)、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後は、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて、子どもから超高齢者まで1万人以上を診断、治療を行う。「脳番地」「脳習慣」「脳貯金」など多数の造語を生み出す。InterFM 897「脳活性ラジオ Dr.加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務め、著書には、『脳の強化書』(あさ出版)、『部屋も頭もスッキリする!片づけ脳』(自由国民社)、『脳とココロのしくみ入門』(朝日新聞出版)、『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)、『大人の発達障害』(白秋社)など多数。
・加藤プラチナクリニック公式サイト  https://www.nobanchi.com
・脳の学校公式サイト  https://www.nonogakko.com  』

⚫︎左利き、右利きの違いとはずばり「脳の違い」
 左利きは右脳、右利きは左脳が発達しており、それぞれの脳は働きが異なります。それはつまり、利き手によって得意不得意も、思考や性格でさえ変わるということ。

 言い換えれば、左利きは「10人に1人の脳」を持つ「選ばれた才能」の持ち主と言えるのです。

『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き』では「右脳が得意なこと」=「左利きの才能」として、さまざまな「すごい」について、最新脳科学をもとに解説していきます。利き手と脳のおもしろさが満載の1冊です!

【目次】               2021年9月28日発売
はじめに―私は左利きだったから世界で最初の「脳内科医」になった
序章 すごい左利き
そもそも、なぜ「利き◯◯」があるの?
左利きは天才? 変人?
左利きの「あたりまえ」が「すごい脳」をつくる…
第1章 「直感」がすごい―ひらめきで人生が好転する
左利きの直感がすごい理由
左利きの得意技「ひらめき」
「直感」をもっと伸ばす脳トレ…
第2章 「独創性」がすごい―豊かなアイデアが生まれる
「イメージ記憶」が選択肢を増やす
左利きは「天性のコピーライター」
「独創性」をもっと伸ばす脳トレ…
第3章 「ワンクッション思考」がすごい―ひと手間が脳を強くする
「ワンクッション思考」を重ねると発想力が豊かになる
ワンテンポ遅れるのは「ワンクッション思考」をしているから
「右脳」をもっと鍛える脳トレ…
第4章 「最強の左利き」になる
右手と左手でできることを「比べる」
左利きと右利きの「役割分担」でいいものを生み出す
左利きはマイノリティではなく「選ばれた人」…
おわりに―左利きも右利きも、脳の違いを知ればうまくいく

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