
近代通貨制度150年記念、輝く金貨や銀貨の打初め 新500円硬貨も
京都新聞 より 210623
近代通貨制度150周年記念で発行される(上段左から)1万円金貨、5千円金貨、千円銀貨。下段は新500円硬貨で、左は一般に流通するタイプ、右はコレクション用のプルーフタイプ=さいたま市、造幣局さいたま支局
近代通貨制度150周年記念で発行される(上段左から)1万円金貨、5千円金貨、千円銀貨。下段は新500円硬貨で、左は一般に流通するタイプ、右はコレクション用のプルーフタイプ=さいたま市、造幣局さいたま支局
近代通貨制度150周年を記念した1万円と5千円の金貨や千円銀貨と新500円硬貨の打初め式が21日、さいたま市の独立行政法人造幣局のさいたま支局で開かれた。金貨と銀貨の裏面には平等院(京都府宇治市)の鳳凰堂が刻印されており、機械から美しく輝く貨幣が次々と打ち出された。
日本では1871年に「円」が登場し、近代通貨制度が始まった。金銀貨の表面には、当時の硬貨で使用された「圓」の文字、裏面には鳳凰堂のほかサクラや稲穂など現在流通している6硬貨の図柄が刻印されている。1万円金貨は直径26ミリで15・6グラム、5千金貨は20ミリ、7・8グラムで、いずれも純金製。千円銀貨は直径40ミリ、重さ31・1グラムの純銀製。金貨は各2万枚、銀貨は5万枚を発行する。
1万円金貨は14万5千円で通信販売する。申し込みは7月6日まで受け付けており、予定数を超えると抽選になる。造幣局オンラインショップかはがきで申し込む。問い合わせは、午前9時~午後8時にハローダイヤル050(5548)8686。5千円金貨と千円銀貨は9月に販売予定。
2000年以来の発行となる新500円硬貨は、従来と同じ直径26・5ミリ、7・1グラム。図柄は現行の硬貨とほぼ同じだが、新たな偽造防止策として、銅と白銅の中心部分を黄銅で囲む「バイカラー・クラッド(二色三層構造)」という技術を採用。縁のギザの一部分を異なる形状にする「異形斜めギザ」を世界で初めて導入した。11月の発行開始を目指している。
式典に出席した麻生太郎財務相は「(偽造防止策で)コストが高くなっているが、貨幣の信頼性が高まっているのも確かだ」と話した。