男性の脳は女心が読み取れないように設計されている?【科学が証明!ストレス解消法】
日刊ゲンダイヘルスケア より 220624
【科学が証明!ストレス解消法】#73
「見た目が重要」であることは科学でも証明されている
男性と女性では考え方が違う──なんてことが言われがちです。ジェンダーレスといった言葉もあるほどですから、今後は男女の差異を論じることもセンシティブな話題になるでしょう。
一方で、科学的に「男性の脳は女心が読めないように設計されている」というデュイスブルク・エッセン大学のシファーの研究(2013年)などもあります。
男性は、相手の目から感情を読み取るとき、記憶、共感、情動といった認知機能に関与する海馬や前帯状皮質などの活動が生じづらく、同性の目よりも異性の目の解読に2倍の労力がかかるといわれています。
シファーらの実験では、まず被験者に目だけの写真を見せたそうです。目だけですから被験者は、男女どちらの目なのかはわかりません。
その上で、「目の写真から喜怒哀楽どんな感情の目をしているのか?」「男性と女性、どちらの目か?」と質問をしました。
すると、男性の被験者は女性の被験者の2倍、異性の感情を読み取れないケースが目立ったといいます。
また,「男性は女性の幸せそうな様子に、女性は男性の怒った様子に敏感」というエビデンスがあることをエバーハルト・カールス大学のクルーガーらが発表(2013年)しています。
また,「男性は女性の幸せそうな様子に、女性は男性の怒った様子に敏感」というエビデンスがあることをエバーハルト・カールス大学のクルーガーらが発表(2013年)しています。
体の動きやささいな所作から、特に男性は女性のハッピーな様子を、女性は男性のアングリーな雰囲気を感じ取る……。身に覚えのある人も少なくないのではないでしょうか。
例えるなら、脳という同じハードウエアを持っているにもかかわらず、男女ではOSが違うというニュアンスに近いです。
例えるなら、脳という同じハードウエアを持っているにもかかわらず、男女ではOSが違うというニュアンスに近いです。
よく食事のデートに出かける際、「食べたいものは?」と男性が聞いて、「なんでもいい」と女性が答えることに、イライラしてしまう男性陣が多いと聞きますが、これもOSの違いでしょう。
男性はコミュニケーションにおいて、意味のないことは話さない。つまり情報の伝達を重視するリポートトークの生きものであり、
対して女性のコミュニケーションは、話すことに意味がある、つまり人間関係の構築を重視するように言葉を組み立てるリポートトークの生きものと考えられています。
例えば、女性の「相談に乗ってもらえる?」は、「相談する」行為自体に意味があり、その結末、すなわち相手が提案する解決策自体にはさほど興味はないといわれています。
例えば、女性の「相談に乗ってもらえる?」は、「相談する」行為自体に意味があり、その結末、すなわち相手が提案する解決策自体にはさほど興味はないといわれています。
にもかかわらず、男性はリポートトークの生きものですから、論理的な助言をしてしまう。ここに、両者がすれ違う落とし穴があるのです。
先の「なんでもいい」という返答に、男性がイラッとしてしまうのは、具体的ではなく論理性に欠けるから。
先の「なんでもいい」という返答に、男性がイラッとしてしまうのは、具体的ではなく論理性に欠けるから。
でも、女性は「なんでもいい」と伝えることで、相手との共感性を重視しているからこそなんですね。
男性はすぐにイラつかない。そして、女性に対してロジックありきでコミュニケーションを取らない。それが、円滑な関係性をつくっていく秘訣となりそうです。
(堀田秀吾/明治大学教授、言語学者)
男性はすぐにイラつかない。そして、女性に対してロジックありきでコミュニケーションを取らない。それが、円滑な関係性をつくっていく秘訣となりそうです。
(堀田秀吾/明治大学教授、言語学者)
💋ごもっとも。