理研が「量子コンピュータ研究センター」開設 実用化向け加速
毎日新聞 より 210401
理化学研究所は1日、複雑な計算を超高速で実行できる量子コンピューターの開発拠点「量子コンピュータ研究センター」を埼玉県和光市の理研内に開設したと発表した。量子技術の研究開発に関する国の指針「量子技術イノベーション戦略」に基づいたもので、開発、実用化に向けた研究を加速させる。
理論的に汎用性があるとされる「ゲート方式」というタイプの量子コンピューターの開発に加え、実用化に向けたソフトウエアの研究にも取り組む。実現すれば、新しい薬や素材の開発、資産運用などに活用できると期待されている。
研究センターは、基礎から応用までの幅広い分野を扱う3ユニット、10チームのほか、同日開設した富士通と理研の連携センターから構成される。産業技術総合研究所(産総研)や東京大など八つの量子技術の研究拠点を結びつける役割も担う。
開設の記者会見が1日、東京都中央区の理研東京連絡事務所で開かれた。中村泰信研究センター長は「量子コンピューターは一直線にロードマップができている分野ではなく、開発までにはブレークスルーが必要だ。さまざまな分野の人がそれぞれの強みを持ち寄って研究して初めて実現できる」とセンターの意義を語った。
【信田真由美】