都庁の壁面に「強力わかもと」CMを──映画「ブレードランナー」のワンシーン再現に公式も“前のめり”
IT media News より 241107
「この時を待っておりました!」──わかもと製薬(東京都中央区)の公式Xアカウントは11月6日、とある計画の実現に向けて動き出すと宣言した。映画「ブレードランナー」のワンシーンを自らの手で再現する試みだ。
発端は11月1日、東京都が都庁舎のプロジェクションマッピングで表示する広告の募集を始めたことだった。このニュースに映画好きの一部Xユーザーが反応。「強力わかもと」のCMを流してほしいと盛り上がった。
強力わかもとは、1960年代から販売しているロングセラーの胃腸薬(指定医薬部外品)。そして、1982年公開の映画「ブレードランナー」に登場する架空のCMでも有名だ。
ブレードランナーは、近未来(設定は2019年)のロサンゼルスを舞台に「レプリカント」と呼ばれる感情を持つ人造人間を追う捜査官(ブレードランナー)の姿を描いたSF作品。その中に、巨大なビルの壁面に「強力わかもと」や芸者とみられる東洋人女性が大きく映し出されるシーンがあった。
(出典:映画『ブレードランナー ファイナル・カット』予告編)
作中に「強力わかもと」が登場した理由は分かっていないが、リドリー・スコット監督は退廃的でサイバーパンクな大都市を描くにあたり、当時の新宿歌舞伎町などを参考にしたといわれている。
都庁第一本庁舎の東側壁面を使うプロジェクションマッピングの投影面積は1万3904.956m2。「最大の建築物へのプロジェクションマッピングの展示(常設)」としてギネス世界記録に認定されている。4月にはゴジラを実物大で映し出した実績もあり、大きさは申し分ない。
このためX上では「都庁の壁面で出さなければならない広告は強力わかもとでしょ」「わかもと製薬チャンス!」など出稿を求める投稿が相次いだ。わかもと製薬の公式Xアカウントは「本当に期待されてる方がこんなにいるんだと実感してます!実現に向けて動きます!」とし、社長にすぐにプレゼンに行くと宣言した。
広告料金は、1週間プランの基本料金(15秒)で53万円から。なお7日午前11時時点でプレゼンの結果は明らかになっていない。
強力わかもとは、消化酵素や乳酸菌、ビール酵母などを配合した胃腸薬(指定医薬部外品)。1962年に誕生して以来、60年以上にわたり同社の主力商品であり続けている。