アメリカを動かす宗教ナショナリズム/松本佐保/ちくま書房/2021
アメリカキリスト教界に係る用語の定義、信者数の人口ウエイトなど、基本的なところから始まり、プロテスタント、カトリックの保守派、リベラルの主張の違いが述べられている。
中でも、大統領選挙でトランプ候補を支持した宗派として、保守系右派のプロテスタント系福音派の主張と実態を分析している。
シオニズム、中絶、同性愛等の問題に関して、プロテスタント、カトリックの保守派は共に似たような路線、世俗主義の宗派とは一線を画している。
アメリカ中間選挙では、トランプ率いる共和党が議席を伸ばしたが、かつての政権において、新約聖書の言葉どおり受入れる福音主義者たち、カトリック保守派がトランプ政権の支持母体として機能していたことから、トランプ復権後も同様と思われる。アメリカのマスコミはアンチトランプの立場を一環して継続していることから、マスコミ業界が総じてリベラル派であり、リベラル派の立場からみて原理主義的な政権は避けたい、それが相次ぐトランプ侮蔑報道の背景にあると考えるのである。
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