「豊かなイギリス人」(黒岩徹)の139頁に次の一節がある。
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死につつあるものが最後の段階で見出す意義ある人生とはなにか。なにをもって意義があるとするのか。あるものは「社会的活動をした」という。あるものは「子供のために働いた」という。あるものは「目的もなく働いた。しかし、結果としてそれが社会のプラスになったはずだ」という。そしてあるものは「平々凡々だったが、仲間と楽しくできた。私の存在は仲間にとってよかっただろう」という。人生は自分のためにあるとする個人主義が強いイギリスで、死を前にした人が感ずる意義ある行為とは、なんらかの形で他者に尽すことだったとはやや意外だった。
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この他者に尽すという概念は、なかなか持てるものではない。
また、このような話題で会社の人と話し込んだことは一度もない。ひょっとするとイギリス人は日本人以上に公の概念を理解、実践しているのではないかと思うほどである。
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