原爆の歴史 国外篇 殺人兵器と狂気の錬金術/鬼塚英昭/成甲書房/2008
ノンフィクションジャンルの本として出版されているが、内容的には、歴史書を参照した本である。
歴史学者はこの本に書かれていることを、史実として認めないスタンスであろうが、100年もすれば、この本に書かれていることが定説となりそうな、第二次大戦前後の各国を支配した勢力の動きが読める。
この本を読んでいて思うことだが、国別に研究する従来の研究スタンスでは、近現代史における事の核心を研究当初から見失う、何を書こうが、精緻な歴史論文を書こうが、視点そのものがずれているのであるから、良い研究論文にはならないのではないかと考える。
鬼塚英昭の本は、歴史論文にふさわしい書きぶりではないが、歴史論文を書いている歴史学者よりは押さえるべき視点は押さえて書いているのではないか。
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