閑雲孤鶴の日々  - Fire生活者の呟き -

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大アジア主義と頭山満

2011年07月20日 | 書評 哲学
大アジア主義と頭山満/葦津珍彦/葦津事務所/2005

明治初頭から、西郷隆盛の後継として、アジア諸国の独立運動家を受け入れ支援し、大アジア主義の思想を掲げ活動した頭山満の軌跡を解説した本である。
頭山満は戦前、戦中は、国政に絶大な影響力があったがゆえに、戦後は完全にその業績を封印され、忘れ去られてしまった人である。
しかし、戦後数十年を経てますます混迷する政治情勢を鑑みるに、西郷、頭山が描いた原点に立ち返る必要性を著者葦津珍彦は痛感し、この本はそのために書かれたと言っていいだろう。
また、著者は、頭山満の弟子のような存在で、頭山満をよく知る立場から、この本を執筆したとのことである。
頭山満の全貌を初めて知る人にとっては驚愕することばかりだが、葦津珍彦による緊張感ある名文が巨人頭山満の凄さをさらに際立たせると言っていい。

日本の将来を憂えている人におかれては、是非お読みいただきたい本である。
精読に値する価値は間違いなくある。

なお、この本で書かれている大アジア主義というのは、日本とシナが協力してアジア植民地解放を実現すべきだとする考えであり、どこか元首相が無邪気に語る東アジア共同体とは趣旨がまったく違う点を指摘させていただく。

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