裏口からの参戦(上、下)、ルーズベルト外交の正体1933-1941/チャールズ・カラン・タンシル著/渡辺惣樹訳/草思社/2018
副題にあるとおり、1933~1941年のアメリカ外交史の決定版と言える大作である。が、なぜか日本語翻訳が遅れに遅れた。著者が、ルーズベルト戦勝史観に都合が悪い歴史観の持ち主だとして、レッテル貼りされ批判を受けたことが影響している。
内容的には、ルーズベルトが戦争を煽り、世界を滅茶苦茶にした指導者の一人であることがわかる。この本のフィルターを通すとヒトラーの方よりもルーズベルトの方が好戦的に見えてしまうほどである。
同時代を扱った「大東亜戦争への道」(中村粂)と突き合わせて読むべき本。巻末には、訳者でアメリカ史の大御所(歴史学者を越えた存在という意味)の歴史観を読むことができる。
一世紀後には、日本のアメリカ史の歴史学者の言う事など誰も信用しなくなることを予感させる、世紀の歴史書と位置付けたい。
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