ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ/宋鴻兵/橋本硯也監訳、河本佳世訳/ランダムハウス/2009
ロンドンシティをそもそもの発火点とする金融資本、銀行家たちの悪事について、歴史的経緯含めて明らかにした珍しい本。
タイトルが、「ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ」となっているため、陰謀論の本とみられがちだが、内容は至って硬派。
ソロスを国際銀行家の金融ハッカーと非難しつつ、ナポレオンの時代、リンカーン大統領の時代、第一次大戦、サブプライムローン問題などについての著者の歴史家としての分析は、陰謀論の範疇として片づけてしかるべきとするほど単純ではない。
戦後本格化した、BIS、IMFの動きなどと絡め、金融の専門家としての著者の見立ては参考となろう。
国際金融資本の仕掛けた犯罪レベルの金融工作を受けた日本において、この本に匹敵するほどの本を書いた日本人がいないことは残念と言わざるを得ないほどの労作であり好著であると私は思っている。
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