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閑雲孤鶴の日々  - Fire生活者の呟き -

Fire生活経験談のほか、世相世情 💹📆、知的生産技術💻📱、書評📒について、書き綴ります。⏳

ある神話の背景

2011年07月16日 | 書評 小説
ある神話の背景/曽野綾子

沖縄渡嘉敷島での集団自決に関するドキュメンタトの傑作である。

巻末の田村隆一氏の解説には、「赤松隊長が、住民から食糧を徴発し、住民を一箇所に集めようと命令し、自決命令をだした事実はなかったことが確認されている。集団自決したとされる死体のかたまりを目撃した人もいないのだ。」と書いてある。

ちなみに、
この本を読み進めていくと、
赤松隊は特攻隊だった。軍の地下壕はない。赤松隊は住民の自決を殆ど知らなかった。穴一つない陣地であった。手榴弾は防衛召集兵には一人一、二発ずつ渡した。三百数十人もの屍を見たことはない。集団自決した場所の位置がよくわからない。民は手持ちの食糧で兵よりも裕福な生活をなしていた。軍に餓死者が出た。村民との協定以外の食糧は得ていない。
と証言がある。
そして、これらの証言は、戦後、マスコミが報道した悉く食い違うのである。

また、ドキュメントなので、誰がどう語ったかについて書いてある。
つまり、嘘をついた人の嘘まで書いてあるのだ。

なお、本の最後の方に参考資料のリストがある。
このリストには、嘘の記述をした本も含まれている。

ただ、この本は小説家が書いた本である。見出しをたくさん入れ、論点を明確にして構成するなどの工夫があれば、もっと読まれ評価されるはずだったのに、と思わざるを得ない。

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