日本人が知らないアメリカの本音/藤井厳喜/PHP研究所/2011
保守派の論客、藤井厳喜による、アメリカの歴史、過去数十年のアメリカ政界の経緯に関する本。この時期に書かれた本の中では水準以上の出来栄えとなっている。
しかし、本人が得意とする分野だけでなく、あまり得意ではなさそうな分野についてもそれなりの解説がなされている。得意分野はいつもの藤井厳喜なのだが、そうでない分野は本人が書いたのかと違和感を感じる点がある。
あとがきには、注釈や出典表示について一般書なので省略したとか、情報の収集と整理を担当した部下の存在について述べられている。深読みすると、著者が自分で調べ自分で情報収集と整理した箇所と、部下が情報収集し整理した箇所が存在するような印象がある。
ビジネスライクに考えると言論界ではそういうやり方が横行しているのかもしれないが、読む人からすれば少々がっかりしかねない。
要するに、著者本人が問題意識を持って書いた箇所、本にするために頁数を膨らませる目的で部下に情報収集、整理させた箇所を区別しながら読むべき本なのである。
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